くじらの町の今・昔~鯨唄の復活~
先月、和歌山県太地町で全国の捕鯨文化を守っている地域が一同に集まり、「第5回日本伝統捕鯨地域サミット」が開かれました。
商業捕鯨再開を目指して「太地宣言」が採択されましたが、会場に自主制作したDVDを配る男性がいました。太地鯨方「角右衛門組」10代目の太地亮さんです。
太地さん自身は捕鯨には関わっていませんが、400年の歴史を誇る地域の伝統文化を後世に伝えようと、途絶えていた「鯨唄」を復活させました。
わずかに残っていた録音テープをもとに新しくCDに収録し、あわせて太地捕鯨の歴史を示す映像資料をDVDに納め、二枚組を完成させました。
そして、日本政府をはじめ全国の伝統捕鯨地域の関係者が集まったサミットで配布し、「太地鯨方」の歴史と商業捕鯨の復活を訴えました。
配布された二枚組はサミットを主催した太地町、(財)日本鯨類研究所をはじめ後援した水産庁や和歌山県にも貴重な捕鯨資料として評価されました。
太地さんはもの静かな小柄な男性で、とても「鯨を捕る海に男」のイメージはないのですが、400年の歴史を後世に伝えていこうとする熱意が強く感じられました。
サミットの会場は水産関係者のみならず、全国から鯨料理の関係者などが集まり、「鯨」一色の一日でした。