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2004年12月

2004年12月27日 (月)

セリ作りとともに伝わるふるさとのくらし

東北放送 ラジオ制作部 伊香 由美子

宮城県仙台市の南隣に位置する名取市。最近では仙台のベットタウンとなりつつありますが、古くからの農業地帯でもあります。

年末年始は、「仙台雑煮」に欠かせないセリの出荷がピークを迎えます。
80歳のセリ作り名人、三浦素直さんの若い後継者、隆弘さんと一緒にセリ田に入って泥の中、悪戦苦闘する中で、ふと顔を上げて言われた方を眺めてみたら、遠く仙台市内の高層ビルが見えました。

そして更に言われるままに目線を上に移すと、くるくる回るトンビが三羽。「色んなものが見えるでしょ」と隆弘さんは笑います。

機械の導入、行事の省略、全てが簡略化されてゆく昨今ですが、体を使うこと、土のエネルギーを取り入れること、代々伝わっている習慣が当たり前のように組み込まれている暮らしがありました。

環境や気候の変化もあるがままに受け入れ、昔からの知恵で乗り切っています。家族を媒体に受け継がれてゆく、そうした暮らしを切り取ってみました。

2004年12月20日 (月)

能登の海~牡蠣の養殖にかける想い~

北陸放送  ラジオ制作部  野村 未来子

能登半島の中央に位置する七尾西湾は、昔から牡蠣の養殖で栄えてきました。冬になると漁師たちは、朝早くから牡蠣の水揚げに出かけ、浜では待っていた女たちが水揚げされた牡蠣貝から身を取り出す作業をしています。

牡蠣の養殖には、絶対不可欠といわれる自然のままの、きれいな海。その海を守っている人たちと長年むき作業に従事しているお母さんたちの話をお伝えします。

牡蠣むきの作業ってやってみるとけっこう大変です。
ベテランのお母さんたちも慣れない時はメスで手を刺してよくけがをしたそうです。
いまでも作業している横には、傷の手当て用に救急箱が置いてありました。

2004年12月13日 (月)

冬めく高千穂・夜神楽の里

宮崎放送 ラジオ制作 島埜内 諭

国の重要無形民俗文化財にも指定されている高千穂の夜神楽。

天照大神(アマテラスオオミカミ)が天岩戸に隠れられた折に岩戸の前で天鈿女命(アメノウズメノミコト)が調子よく舞ったのが始まりと伝えられていて、古来より、高千穂地方に伝承されているのが、高千穂の夜神楽である。

毎年、冬11月から翌年2月にかけて各集落ごとに、夜を徹して、三十三番の夜神楽が舞われる。人々には、秋の実りに対する感謝と翌年の豊穣を祈願する。

それは、年に一度降臨される神々と里の人々が一体となる儀式。村人は、このとき、大いなる自然を感じ、神への感謝をささげるのである。
訪れた神楽宿は、高千穂町三田井地区の下川登公民館。九州各地をはじめ、県外からも多くの観衆が詰めかけ、神楽を見守った。

地区の人々は、ムラをあげて夜食を準備し、参加者を迎えた。
厳かな舞が続いている表舞台とは打って変わって、料理の準備など舞台裏は大あらわだ。

神事では参加者にカッポ酒や煮物などの料理がふるまわれ賑わいをみせた。高千穂の里は、地元の人々と遠来の客、そして神との交歓の場となるのである。

番組では、宮崎の代表的な冬の風物誌~高千穂夜神楽の魅力を季節感、生活観たっぷりに描く。

2004年12月 6日 (月)

女性バス運転手~なっちゃんの物語

西日本放送  ラジオセンター  伊達 典子

おなご先生と12人の生徒の交流を描いた「二十四の瞳」の小説の舞台。香川県小豆島に若くてかわいらしい女性のバスの運転手さんが誕生しました。

原奈津子さん(24才)あだなは「なっちゃん」です。小豆島を走る路線バス「小豆島バス」では創業80年の歴史で初めての女性運転手。

しかも小豆島のきれいな海、人情あふれる人々に魅せられて福岡県は久留米から、はるばるやって来たのです。島ではすっかり有名人に!

なっちゃんは人なつっこく明るく誰からも好かれる性格です。なっちゃんが行く場所には自然と人が集まり周りの空気をとても明るくしてくれます。

島を元気にしてくれた「なっちゃん」と、素朴な島の人たちがくり広げる、心の交流の物語です。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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