2024年7月12日 (金)

靴職人は世界旅行に想いを馳せる

2024年7月22日~7月28日
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 大石怜香

【番組概要】
宮崎県宮崎市にある靴修理のお店「飯干製靴店(いいほしせいくつてん)」。
このお店を営むのが靴職人の飯干畩二さんと奥さんの久美子さんです。
畩二さんは、小学校1年の時に小児麻痺にかかり、左足に麻痺が残りました。足が不自由だから座ってできることを、と思い靴職人の道に進みました。しかし、10年前に脊柱管狭窄症を患ってしまいます。それでもなお、畩二さんは奥さんや相棒の足踏みミシンとともに靴修理を続けます。そんな畩二さんが靴に託す想いとは・・・

【制作意図】
飯干畩二さんは、82歳です。まずはじめに、この歳まで靴修理のお店を続ける理由が率直に気になりました。さらにお店には、130年物の足踏みミシンや靴に使う革をすく革すき機など、今ではあまり見られない機械が並んでいます。この足踏みミシンや畩二さんが打つ力強い金槌の「音」を録音風物誌で皆さんに聴いてもらいたいと思い制作しました。

【制作後記】
靴職人と言っても、分業制で大きく2つの職人に分けられるそうです。一つが靴をデザインし、靴の甲の部分を作る甲革師、もうひとつが靴底をつくる底付師です。畩二さんはそのどちらも修行をして一人で靴を作る職人になりました。靴を作るすべての工程が分かっているからこそ、その人に合った、靴に合った修理ができるのだなと今回の取材で感じました。また、畩二さんは「今は、修理の靴を手がけることでいっぱいいっぱいだが、いつかオーダーメイドの靴をまた作りたい」とも話していました。そして「第一号を作るなら、奥さんの靴を」と決めているのだそうです。この話を聞いて、ほっこりしました。とても心温まる靴修理のお店でした。

〜江戸時代から続く防災の教え・安政の呼び上げ地蔵〜

2024年7月15日~7月21日
和歌山放送 報道制作部 寺門 秀介

【番組概要】
和歌山県北部・海南市の上神田(かみかんだ)地区の自治会が、毎年11月5日の夜に行っている津波避難訓練。地元に伝わる「呼び上げ地蔵」の伝説を後世に伝えようと、2018年から続いている。この地蔵は地区の高台にあり、170年前の1854年11月5日に起きた「安政の南海地震」による大津波の際「おいでおいで」とふもとの住民を呼び寄せて津波から救った、という伝説がある。奇しくも同じ和歌山県広川町に伝わる濱口梧陵の「稲むらの火」と同じ時期に産まれている。地区の自治会ではこの伝説にならって津波避難訓練を行い、住民らがリヤカーを引きながら海抜およそ20メートルの呼び上げ地蔵まで避難し、地元の僧侶の読経にあわせて津波の犠牲者に黙とうを捧げる。防災を担当する自治会の役員は「地蔵の歴史を記した古文書を見て震えが止まらなかった。稲むらの火の逸話に匹敵する海南市の宝で、先人の教えを守り伝えなければ」と意義を語る。

【制作意図】
1854年の「稲むらの火」の故事からことし(2024年)で170年の節目を迎える。元日には能登半島地震が発生し、半年経ったいまも復興には課題が山積し、自治体も防災態勢の見直しを迫られている。和歌山県も過去に繰り返し大地震と津波による凄惨な被害を受けてきて、その記憶を様々な形で後世に伝承する動きがみられる。伝説を通じて防災の重要性を説く先人たちの教えを再認識し、世代を超えて未来へつなぐ姿勢を発信したい。

【制作後記】
この訓練を取材した堤圭一報道デスクは、和歌山県内で展開されている防災に関する取り組みを地道に取材し続けている。いわばライフワークで、和歌山放送が「現代の稲むらの火」として聴取者の命を守る存在となれるよう、能登半島地震と稲むらの火170年の重なるいま、全国に発信したいという思いを受けまとめた。海南市の呼び上げ地蔵以外にも、例えば和歌山県南部の田辺市沿岸にある神社の石段には、津波が到達した地点の碑が残されていたり、地元の小・中学校では児童と生徒が地震・津波防災を自ら学び研究発表を行う取り組みも定着するなど、地域教育の中に防災も組み込まれている。現在・過去・未来を問わず命を守る知恵を見いだして、地区の中で共有していく活動を、心から応援し、発信していきたいと改めて感じた。

2024年7月 1日 (月)

眩しき夏の夜の花~守り継がれる伝統の舞 鶴崎踊~

2024年7月8日~7月14日
大分放送 音声コンテンツ部 山下花恋

【番組概要】
大分県大分市鶴崎地区に古くから伝わる伝統舞踊『鶴崎踊』。優雅な音色に合わせた踊りの華やかさを見せようと県内外から観光客が訪れます。開催されるのは、毎年8月のお盆過ぎの土曜日と日曜日。その歴史は戦国時代から始まっており、大正13年、歴史ある鶴崎踊を地元で大切に守っていこうと、「鶴崎おどり保存会」が発足しました。昭和61年には、地域的特色のある優雅な振りを伝える踊りであるということから、国の選択無形民俗文化財となりました。そして今なお、踊り継がれています。
この伝統を後世にも語り継ぎたいと奮闘する、鶴崎おどり保存会16代目会長 安部泰史さんの思いを伝えます。

【制作意図】
鶴崎踊を守り継ぐ、「鶴崎おどり保存会」は今年で100年目を迎えます。保存会の活動は積極的に行われ続けており、市内のイベントはもとより、首都圏のイベントでも鶴崎踊を披露するなど、積極的に活動をし、踊りの魅力を伝えています。また後世にも残していこうと日々踊りや歌の練習を重ね、初心者講習も行いながら、子や孫たちの世代へ―。450年以上もの長い年月、踊り継がれ、愛される『鶴崎踊』を一人でも多くの人に知ってほしいと思い、今回制作に至りました。

【制作後記】
保存会が創設されて100年という節目に鶴崎踊へ関われたことをとても誇りに思います。鶴崎おどり保存会の方々の鶴崎踊に対する思いや、愛情を深く知ることができたとともに、守っていくべき大分県の財産であると改めて考えさせられました。これからの鶴崎踊に期待をするとともに、ぜひたくさんの人に現地へ行って、見てほしいと思います。

木だけで作られたアート 組手障子に込められたある職人さんの想い

2024年7月1日~7月7日
西日本放送 ラジオセンター 白井美由紀

【番組概要】
鎌倉時代に作られ始めたと言われる組手障子(くでしょうじ)
釘を一本も使うことなく、木と木を組み合わせて、様々な模様を作ります。隙間なく組み合わせるためには、0.1mmの誤差も許されません。「麻の葉」や「籠目(かごめ)」といった幾何学模様にはそれぞれ意味があり、人々の幸せを願う想いが込められています。香川県の伝統的工芸品である組手障子の職人である、丸生木工所(まるしょうもっこうしょ)の生島直樹さんは、その組手障子の技法を取り入れた体験を子どもたちにしてもらいたいと、出前授業などの活動に取り組んでいます。その組手障子に込められた生島さんの想いを取材しました。

【制作意図】
歴史ある組手障子。香川県だけのものではなく、他県では「組子」と呼ばれたりしています。「組手障子」としては、現在香川県の伝統的工芸品にも指定されていて、その美しさや細やかさには目を見張るものがあります。最近では海外からの注目も大きいそうで、組手障子の魅力を特に、国内のたくさんの人に知ってもらいたいと思い制作しました。生島さんの木への優しさ、人への優しさが伝わればと思います。

【制作後記】
私自身、子どもようの教材を体験させてもらって、最初、全然うまくいかないんです。。。そんなときに、生島さんから、まっすぐに組み合わせようとしても、うまくいかない・・・ならば斜めからの視点に変えてみる・・・それでもだめならひっくり返してたら?…ハッとしました。組手の作品作りの中に、、、なんだか人生の拓きかたを見たような気が。そんな私を見て優しく笑う生島さんの人柄に、ホッとした取材だったのです。

笠間焼~アートの街・笠間から伝統を未来へつなぐ~

2024年6月24日~6月30日
LuckyFM 編成事業部・アナウンス室 煙山 ゆう

【番組概要】
茨城県の伝統工芸品に、関東一の歴史を持つ「笠間焼」という焼き物があります。笠間焼づくりの体験ができる、「笠間工芸の丘」で、体験教室を担当している菅朱美さんに、笠間焼の歴史や、体験教室を通じて伝えたい思いについて、お話を伺いました。笠間焼ができるまでの工程と、体験教室の様子をお伝えします。笠間焼ができるまでには、2か月半~3か月と、長い時間がかかります。工程も複雑で、一つひとつの作業がとても繊細です。その過程で、沢山の人の手が加わり、一つひとつの作品が大切に作られています。そんな笠間焼ができるまでの道のりと、その魅力をお伝えします。

【制作意図】
県外出身の私が、初めて実際に触れた茨城の伝統工芸が、笠間焼でした。去年の秋、体験教室に参加し、自分の手で一から作品を作り上げる楽しさを肌で感じました。その魅力と奥深さを県外の方にも伝えたいと思い、今回、「笠間焼」をテーマに制作することに決めました。複雑で、個性豊かで、繊細な笠間焼。完成するまでには、たくさんの音が生まれます。一つの作品ができるまでに、ここまで多様な音を楽しめるという点も、ラジオでこそ伝えられる気づきだと思います。ぜひ、笠間焼ができるまでに生まれる「音」にも注目していただきたいです。

【制作後記】
まず、菅さんには、取材にあたってたくさんの音をご提案いただきました。体験教室の合間を縫って、音声の収録にご協力いただきました。日によって録れる音が違うことから、打合せを含め、3日にわたって現地に伺いましたが、そのたびに新しい音との出会いがありました。取材後に、菅さんが、「こうして音に注目してみると、笠間焼は、にぎやかな焼き物だと、初めて気付きました。」と、笑顔でお話してくださったことが、とても嬉しかったです!最後に、私自身、今でも、去年実際に作った笠間焼を愛用しています。葉っぱの形のお皿は、自分用に。ぐい吞みは、祖母へ誕生日プレゼントとして贈りました。思いを形にして残せる笠間焼、沢山の方に知ってもらえますように。

 

竹の里は宝の山

2024年6月17日~6月23日
山口放送 ラジオ制作部 寺岡岳男

【番組概要】
山口県山口市、中国山地の山あい徳地地区、かつて重源上人が奈良の東大寺大仏殿の再建のために木材を切り出した、自然豊かな地域でもあります。過疎化と高齢化により、森林資源の手入れも行き届かなくなり、放置竹林が目立つようになっています。結婚を機に大阪から徳地地区へ移住してきた武石智絵さんは、イメージしていた整備された竹林と、現実の放置竹林との違いに驚きます。本業の林業のかたわら、竹林整備で竹を伐採していましたが、切り倒された竹を見て「資源として活用出来れば『宝の山』」と考え始めます。福岡県で先行していた、「伐採した竹からメンマを作る『美味しく食べて竹林整備』」の活動を知り、純国産メンマづくりを始め、持続可能な竹林整備を目指しています。

【制作意図】
番組を聞かれた方に、山口県山口市徳地地区の自然豊かな風景をイメージしていただければと思いました。ただ、観光地などの整備された竹林のイメージとは全く違う、中山間地域の土砂災害の原因にもなりかねない放置竹林の状況、その状況の改善に向けて取り組む武石さんたちの活動「純国産メンマプロジェクト『美味しく食べて竹林整備』」、収益化して竹林整備を持続させていくために、メンマを商品化するという活動が、徐々にですが広がりを見せつつあること。また、「竹林の問題だからといって山にとどまらず、川を通じて海まで、水環境全てに関わっている」ということを多くの方に知っていただければと思い制作しました。

【制作後記】
取材をしていく中で、山口県の竹林面積は全国4位ということを知りました。あまり高い山や寒い地域では育たないため、山口・九州に多くの竹林があることも知りました。これらの地域で共通の問題への対策の一助となればと思いました。武石さんへのインタビューのなかで、「山にふった雨は、川を下り海へ流れる、山の環境保全は命の水を守ることにつながる」というお話が印象的でした。


 

曲げわっぱの吐息

2024年6月10日~6月16日
秋田放送 編成局ラジオ放送部 工藤有成

【番組概要】
秋田県 大館市に江戸時代から伝わる「曲げわっぱ」諸説ありますが、きこりが弁当箱として木材を曲げて作ったことがはじまりとされ、現在も職人の手作業によってひとつひとつ丁寧に作られています。仲澤恵梨さんは曲げわっぱ作りに携わり、今年で22年目。自宅の車庫を改装して構えた工房にはある特徴があります。それは「お客さんからの様々なオーダーメイドに応える」というもの。これまで培った技術と経験、知識を活かした、オーダーメイドでの製品づくりに込められた思いをお送りします。

【制作意図】
中澤恵梨さんの工房では、曲げわっぱの技術を用いて、弁当箱はもちろんイヤリングやせいろなど、多岐にわたるオーダーメイドに応えています。「伝統工芸品と現代様式の架け橋になれるように」
伝統の技術を守りつつも、現代文化の象徴でもあるSNSとの共存も意識し、新たな形を創造する仲澤恵梨さんのオーダーメイドに込められた想いを伝えたいと思い制作しました。

【制作後記】
存在は知っていたものの、恥ずかしながらなかなか手に取ることの無かった「曲げわっぱ」。今回の取材にあたり、初めて実物を購入しました。実際に使ってみると、時間が経ってもご飯はふっくら。曲げわっぱから、ふわっと香る木の香りが食事を豊かにしてくれます。こんなに素敵な伝統工芸品が身近にあったのに、どうして今まで触れてこなかったのだろう…!と後悔するほどでした。取材日の都合もあり「木を曲げる音」をはじめとした、製品づくりや工房の臨場感を感じる音の取材が十分に出来ず、反省しています。オーダーメイドにかける仲澤恵梨さんの想いとともに、
「曲げわっぱ」について興味をもつ、きっかけのひとつとなれれば幸いです。

 

駅ににぎわいをもう一度~元駅長奮闘記~

2024年6月3日~6月9日
中国放送 RCCフロンティア 兼清友希

【番組概要】
広島市と中国地方の山間部を走るローカル線・JR芸備線の志和口駅。無人となったこの駅の清掃をしているのは、元駅長の中原英起さんです。昔はたくさんの人が利用していた駅ですが、現在では利用者がほとんどいません。そこで中原さんは、2012年からねこを駅長に任命しました。すると、ねこ駅長へ会いに連日たくさんの人が訪れるようになりました。一方、ここ数年、芸備線は存廃が話題になっています。今年3月には、全国初の再構築協議会が開かれ議論が始まるなど、全国的に注目を浴びています。廃線の可能性があるのに、駅の活性化を続けているのはなぜなのか。利用者が減少していく芸備線に対する思い、中原さんが活動を続ける理由を取材しました。

【制作意図】
新聞で「広島にねこで盛り上がっている駅がある」という記事を読み、行ってみたくなったのがきっかけです。最初はねこに会いたい気持ちが大きかったのですが、芸備線の現状を調べるうちに、仕掛け人の思いを聞きたくなり取材することにしました。「地域に愛されている鉄道が存廃の危機を迎えている」という現状を伝えるとともに、少しでも目を向ける人が増えたら嬉しいです。

【制作後記】
今回の取材ではじめて志和口駅に行きました。到着してビックリしたのが駅のキレイさ。駅の構内には一つもゴミが落ちていないどころか、ゴミ箱が一つもありません。外には何本も竹ぼうきが置いてあり、とても丁寧に掃除をされていることが分かりました。記念館でも、中原さんがお客さん1人1人に声をかけていたのが印象に残っています。芸備線への思いとともに、おもてなしの心も大切にされていることが伝わってきました。先月、再構築協議会の幹事会で沿線の住民・利用者に意見を聞くことも決まりました。芸備線だけでなく、志和口駅付近の地域がどう動くのか。私もしっかり注目していきたいです。

半世紀の夢ー北陸新幹線、ようこそ福井へー

2024年5月27日~6月2日
福井放送 制作部 坂田茉世

【番組概要】
2024年3月16日、北陸新幹線福井敦賀開業を迎えました。整備計画決定から50年(半世紀)という長い月日がたち、やっと開業の日を迎えた県内。100年に一度のビッグチャンスとも言われています。この歴史的瞬間を一目見ようと、そして新幹線を迎えようと、4つの駅では普段見たことないほどの多くの人出で賑わい、活気に溢れていました。福井県内に北陸新幹線が開業してから2ヶ月。街には県内外を問わず開業前を上回る多くの人が駅周辺に訪れています。新たな商業施設の建設や恐竜のモニュメントの増設などもあり、にぎわっている様子をリスナーと一緒に散歩をしているような雰囲気で巡っていきます。今しかとれない「音」、そして開業時・開業後の喜びの声をお聞きください。

【制作意図】
半世紀もの間、県民が夢見てきた新幹線の県内開業。北陸新幹線開業後に駅周辺を歩いてみると、福井県民がいかに新幹線が来るのを心待ちにしていたのかが感じられると思いました。全国のリスナーの皆さんに、名物グルメや駅周辺の新たな観光スポットなど、福井の魅力をより身近に感じてもらいたいと思い、制作しました。

【制作後記】
”福井に新幹線がやってきた”という歴史的な瞬間・”長年の夢”がかなった瞬間を近くで取材し、福井県民の盛り上がりを感じました。駅の周りを歩いてみると、多くの県外から来た観光客に会い、楽しんでいる様子をみて、北陸新幹線が福井県内に開業した今こそ一層、全国の皆さんに福井のことを知ってほしいと思いました。今回ラジオを制作するのは初めてでしたが、「音」に着目することのむずかしさと面白さがわかりました。リスナーの人たちの中には外出するのが難しいという人もいるかもしれません。だからこそ、耳で聞いて”一緒に盛り上がっている福井駅周辺を歩きたい!””福井の魅力を、おいしい食を、感じてほしい!”と考え、取り組みました。

2024年5月15日 (水)

伝統と格式に新風を 四国霊場の若き住職

2024年5月20日~5月26日
四国放送 ラジオ編成制作部 前川貴宏

【番組概要】
徳島市の四国八十八か所霊場13番札所で住職を務める大栗弘昴さん(26歳)。9歳の時に当時住職だった父の弘榮さんを病気で亡くし、韓国出身の母が寺を守るとともに自身はアメリカに留学。大学卒業後に日本に戻って四国霊場最年少の住職となった。得意の語学力を生かして増加する外国人参拝客を迎えたり、趣味の筋力トレーニングが高じて寺に開設したジムで檀家に筋トレ指導するなど異色の取り組みでも注目されている。

【制作意図】
憧れの存在だった父を早くに亡くし、「自分が成人になるまで寺を守ってほしい」と母に頼んだ少年。当時はどんな思いだったのか。また20代の若さで実際に住職となり、伝統と格式のある寺を背負う立場でこれからどんな取り組みしようとしているのか、そのビジョンを取材した。

【制作後記】
韓国伝統舞踊継承者の昴先さんが大日寺に嫁いだ時から取材させていただいた縁があり、その息子である弘昴さんが住職になったのはとても感慨深い。広い視野を身に着けるためわずか9歳でアメリカ留学を決意し、国際感覚と異文化への理解力を身に着けて帰国した若き住職。多様性の時代に遍路文化の未来を担う存在として彼の今後に注目したい。


半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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