2009年6月 8日 (月)

手筒花火のある街

東海ラジオ放送 報道部アナウンス課 山口 由里・角田 智美

愛知県三河地方に古くから伝わる手筒花火。

「手筒花火」とは竹筒に火薬をつめた噴き上げ式花火で、幼稚園児くらいの背丈、重さがあります。これを人間が両手で抱え打ち上げます。数十秒間火柱が吹き上がり、最後に筒の底が勢いよくぬけるという迫力があるものです。

年中打ち上げられ、地元の人々や観光客に親しまれています。この手筒は、戦国時代、鉄砲に使う火薬の実験から始まり、江戸時代、火薬の製造が唯一認められた三河の国で発展し、現在に至ります。

今回お話しを伺った保存会のみなさんは、戦後一度途切れた手筒花火の伝統を20年ほど前に復活させ現在も地元に根付かせています。製作から打ち上げまで、みなさん真剣な表情で取り組んでいます。

失敗したら、火傷や爆発の危険性もあります。それでもやめられない理由は打ち上げの達成感、そして次の世代へ繋ぐ誇りのようです。地元の人々の想いや迫力ある音をぜひ聴いて下さい。

2009年6月 1日 (月)

手打ち かむろ針~釣り屋・最後の仕事

中国放送 RCCフロンティア 森下 朋之

広島市のとなり、安芸郡府中町に手打ちの釣り針「かむろ針」を作っている釣具店があります。

「かむろ針」は山口県、沖家室島に江戸時代から伝わる釣り針です。沖家室で生まれた刈山親雪(かりやまちかゆき)さんは85歳。釣り針を作る職人、地元の言い方で「釣り屋」としての道を歩みはじめて62年になります。

時とともに刈山さんと釣りをめぐる環境も大きく変わってきました。釣り屋がほとんどいなくなる中、今ではすべて手作業の釣り屋は刈山さんだけです。

そして、技術を伝える後継者のいない刈山さんも、かむろ針つくりをやめようとしています。最後の手打ちの釣り屋として、60余年を振り返っていただき、その熱い思いを、気概を、伝えたいと思いました。

2009年5月25日 (月)

語りかける錫~薩摩錫器

南日本放送 ラジオ制作部 七枝 大典

「薩摩錫器」とは、薩摩切子や薩摩焼きと同じく、鹿児島の伝統工芸品。しかし…。

取材した浅田慎太郎さんは、この道40年になる「職人」です。錫と向き合うと「声が聞える。語りかけてくる」そうです。

その声を聞きながら、時にはケンカもしながら今日も工房に入り、カンナを手にロクロを回します。

金にはないきらびやかさ、銀にはない色合い、それが錫。どこか鹿児島、「薩摩」を感じてしまうのは地元だからでしょうか。錫を削り出す金属音を聞きながら取材しました。

2009年5月18日 (月)

時を超え響け、木造船

京都放送 ラジオ制作部 田中 雅子

今年で開削400周年を迎える保津川下り。もともとは丹波の木材や米などを京の都へ運ぶ水路でした。

鉄道や道路の開通によって明治以降になると観光のための川下りに変化します。船自体も40年前までは、木造船が使用されていましたが、現在は強化プラステックの船が使われています。

そんな中、木造船製作の技術を後世に伝えようと40年ぶりに木造船が再現されました。木造船には保津川上流の杉が使われており、手でトントンと触れると船全体にその振動が響き渡りました。

まだ一艘しかない木造船ですが、保津峡にその音が響き渡る日がくるのを船頭さんもお客さんも待っています。

2009年5月11日 (月)

アルプホルン 自然の恵みの贈りもの

文化放送 報道制作部 山本 カオリ

スイスを象徴する楽器として知られるアルプホルンは元々、厳しい自然環境の中で暮らす酪農家の生活の知恵から生まれたもの。そのアルプスホルンを自ら製作し、演奏するグループが神奈川県厚木市にある。

約21年前、生涯学習講座として始まったこのグループ(玉川アルプホルンクラブ)では、「自ら演奏する楽器を手作りする」というルールがある。

アルプホルン製作に使う木材は根曲がりの木。廃材となる木に楽器としての命をふき込み、光を当てる。そんな自然と音楽を愛する人々を紹介する。

クラブメンバーの8~9割は60歳以上。
20年以上にわたる活動は全国規模に広がりつつある。アルプスホルンの製作練習のほか、休日には、イベント出演も増えてきているという。

2009年5月 4日 (月)

お城下の日曜市

高知放送 ラジオセンター 浜田 秀弥

高知市の中心に展開される、日本でも有数の街路市、日曜市。

高速割引の効果もあってか、活気を復活した日曜市の今の姿を音でお伝えします。

一頃に比べて、やはり人出が多くなっていました。ピーク時代には行き違いが難しいほどの盛況ぶりにネイティヴの私も嬉しいやら驚くやら。これからも、この賑わいが続いてほしいなと感じました。

2009年4月27日 (月)

いくつになってもボウリング めざせ! 100歳ボウラー!!

RKB毎日放送 ラジオ局ラジオ制作部 実藤 明子

福岡市博多区の「フラワーボウル」というボーリング場は、登録会員数およそ1100人。その7割がなんらかのリーグやサークルに加わっていて、毎日試合が行われています。

活気あるボーリング場で、特に中高年が元気にプレイしています。その中で最年長の男女、お二人にスポットをあてました。年齢、性別に関係なく気軽にやれるレジャーだと思っていたボウリングですが、このお二人のおかげで奥の深いスポーツだと言うことが解ってきました。

「スペアの哲」の異名をもつ、大石哲夫さん94歳は精神力が大切だといい、91歳の伊藤喜代子さんは調子は自分が作るとおっしゃいます。私もボウリングを始めたら、精神がきたえられるだろうか…。

2009年4月20日 (月)

古刀に込める日本人の心

南海放送 ラジオセンター 松本 直幸

愛知県新居浜市在住の刀匠、藤田国宗さんが、こだわる古刀への思いを紹介。約15年前に不動産の営業マンから転進し、平安末期から鎌倉時代の古刀を制作技術を謎解きしながら研鑽を重ねる。

今は、熱田神宮からの依頼で「信長塀」から出てきた古釘を材料に短刀を制作中、ちょうど放送日ごろに完成予定、戦国時代の鉄の性質と「対話しながら」作業中。

藤田さんは「刀には日本人の精神が残っている。この心を後世に伝える仕事に喜びや誇りを感じている」「刀は鉄の焼き物として美しい芸術」と話す。

2009年4月13日 (月)

チームを勝利に導くダンサーたち

北日本放送 ラジオセンター 西崎 雄一郎

富山県、富山市をホームタウンとするプロバスケットボールチーム「富山グラウジーズ」チーム名は富山県のシンボルとして県民から親しまれている雷鳥=GROUSE(グラウス)にあやかり命名。

低迷し続けるチームを心の底から応援しているのが22名の女性から成るエンターテインメントダンスチーム「G.O.W」。GROUSES OF WINの頭文字をとったものでチームが少しでも勝てるように彼女たちは会場を盛り上げます。

試合会場へ収録に行きましたが、これが最下位のチームかと思うほど観客の多さに驚きました。

ダンスチームの取材をしてみてダンスに対する気持ち、情熱に年齢は関係ないということを強く感じさせられました。

2009年4月 6日 (月)

心に響け

茨城放送 編成局 大内 庸次

関東で唯一梵鐘を作っている鋳造所が茨城県にあります。
関東の名峰、筑波山の北の裾野に位置している桜川市の真壁地区にある小田部鋳造がそれです。

その主人、三十七代目の小田部庄右衛門さんに鐘に対する思いを伺い、震災後の新潟県山古志に鐘を贈ったエピソードを紹介します。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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