古(いにしえ)から伝わる神との会話、宮古島の神歌
2012年11月26日~12月2日放送
琉球放送 アナウンス室 狩俣倫太郎
沖縄県は宮古島には何世紀も各集落だけで歌い継がれる唄がある。
それは御獄(うたき)とよばれる、村の聖域で神事の時に唄われるもので、唄うのは選ばれた神の遣いである女性たちのみ。
神事に費やすのは年間70日にもおよび宮古島の人々の生活の中心に神との会話があることがわかる。いわゆる沖縄の民謡とも異なる宮古島独特の神唄と、その世界観を紹介します。
2012年11月26日~12月2日放送
琉球放送 アナウンス室 狩俣倫太郎
沖縄県は宮古島には何世紀も各集落だけで歌い継がれる唄がある。
それは御獄(うたき)とよばれる、村の聖域で神事の時に唄われるもので、唄うのは選ばれた神の遣いである女性たちのみ。
神事に費やすのは年間70日にもおよび宮古島の人々の生活の中心に神との会話があることがわかる。いわゆる沖縄の民謡とも異なる宮古島独特の神唄と、その世界観を紹介します。
2012年11月19日~11月25日放送
北日本放送 報道制作局 報道制作部(ラジオ) 熊野 智元
富山県南砺市福光にある「南砺バットミュージアム」は、野球ファンの天国です。
日本プロ野球の歴史に残る選手、助っ人外国人、マニアックな選手まで、500本のバットが飾られています。放送では阪神の掛布選手のバットを素振りしましたが、実は落合や王のバットも振らせてもらいました。プロ野球選手のほとんどのバットが、この福光という町から生まれ、いまも生み出され続けています。
ちょうどCS期間中に取材をしていたので、ある工場では「昨日の試合はウチのバット大当たり!」なんて話も聞けました。(メーカーとの契約上、選手の名前を明かせないところが多く、放送はできませんでしたが…)この町のバットに携わる方はみな一様に野球が好きで、自分が携わったバットを使う選手の活躍を、自分のことのように喜びます。たぶん昔も今も、この町の人たちは同じように、試合のたびに一喜一憂していたんだと思います。
ただの木の棒が、こんなにも人を熱狂させる。忘れられないシーンが生まれる。「バット」という名の木の棒をずっと作ってきた町。いまも選手とともに一喜一憂する職人さん。これは、野球が好きで好きでたまらない町のお話です。
2012年11月12日~11月18日放送
山形放送 報道制作局 制作部 大久保円
「秋新(あきしん)」と地元で呼ぶ新蕎麦の季節に、そば屋のそば粉作りの過程を伝えます。
山形県村山市でそば屋を営む芦野又三さんは、昔ながらの方法で蕎麦を作ります。
80歳になる又三さんは畑の蕎麦の実をどのようにしての蕎麦粉にするのか、手作業の合間に科学者のような表情で丁寧に説明してくれました。そして、思いもよらない蕎麦作りの訳と熱い思いも喋ってくれました。
村山市は山形県内陸部にある、田んぼや果樹、ソバ畑が広がる盆地。市の中央を最上川が流れます。川幅は50メートルから100メートル、流れは急で川底の岩盤がむき出しになった最上川舟運時代の三つの難所があります。その川沿いにそば屋が幾つも点在しています。「最上川三難所そば街道」です。
又三さんの店は、そば街道の十四番目のそば屋「あらきそば」。
出す蕎麦は「板蕎麦(もりそば)」一種だけ。その蕎麦はつるつるっとすするには大変な太さ、「超極太生粉打ち」と呼ばれるつなぎ無しの十割そばです。
「あらきそば」は山村農家の慎ましい生活がそのまま店になっています。茅葺き屋根、中に入ると自在鉤に鉄瓶の囲炉裏、てかてかの柱は荒削りの栗の木、野郎畳の座敷に裸電球がぶら下がり、ちゃぶ台で蕎麦を食べます。畳に座り、見上げるとねじ式の柱時計と箱型ラジオ、おそらく今は鳴らない真空管式のラジオ受信機は昔どんな番組を流していたのでしょうか。
粉作りの取材を終え、番組では伝えきれないことがたくさんあります。
実ひと粒ひと粒を蕎麦にするのは、これほど大変なのかと・・・・。
蕎麦の作り手は二代目の芦野又三さんと三代目の光さん、四代目の浩平さんほか家族総出で蕎麦を作っています。蕎麦作りは重労働、家族で役割を分担しながら進めます。その家族の顔と表情がとてもいいんです。
ぜひ、「秋新」を食べてみて下さい。薫り高い新蕎麦です。
2012年11月5日~11月11日放送
大分放送 ラジオ局 ラジオ制作部 宮崎真由美
温泉観光都市として有名な別府市。
数多くの特色ある温泉がありますが、その中で全国的にも珍しい「砂湯」を取り上げました。
地元の入浴客のみならず、観光客にも大変人気がある海浜砂湯の魅力と、そこで活躍する別府でただ一人の”砂かけマイスター”井村節子さんの「おもてなしの心」を皆さんにも知ってもらいたいという思いで制作しました。
心地よい波の音と、小気味よい砂を搔く音、明るくあたたかみのある井村さんのおしゃべりを聞いて、「別府に行って、この砂湯に入ってみたい!」と思っていただければ狙い通りです。
2012年10月29日~11月4日放送
高知放送 ラジオセンター 田村貴志
高知県の「がん相談センター」の所長である安岡佑莉子さんは、がん患者とその家族、そして支援者達が四国88か所を周り、がん撲滅を祈願する「がん制圧遍路ウォーク」を実施した。
今から15年前、自分の娘ががんとなり、相談する場所もなく、ふさぎ込んでしまった経験を持つ彼女は、今回の巡礼で患者同士、家族同士の絆を深め、「がんと闘っているのは自分だけではない」という勇気を持ってもらおうと考えた。
8ヶ月に及ぶ巡礼では、がんにかかりながらもそれに負けない心を持とうとする患者、昔助けられた恩返しをしたいと歩く元がん患者など、のべ230人が参加した。
7月、20分の構成物でOA,今回は一人の患者にスポットを当てて制作した。
2012年10月22日~10月28日放送
京都放送 ラジオ制作 永田和美
毎年10月22日、鞍馬の地は燃え上がる炎に包まれます。
日本三大奇祭の一つで由岐神社の例祭で1000年以上続く神事です。
午後6時、神事触れとともに、いっせいにエジやかがり火が入り、「サイレイヤ、サイリョウ」と囃しながら松明が街道を練り歩きます。この神事を守り伝えてきたのが鞍馬の住民です。そしてこの祭りの準備は1年を通して行われます。祭礼を迎えるために1ヶ月多く働いて、祭礼の準備に当てることから、”鞍馬の一年は13ヶ月”といわれるほど鞍馬の住民にとって火祭りに対する思い入れは格別です。そんな彼らの火祭りへの思いを中心に取材しました。
1000年を超えても、この火祭りに対する住民の思いは変わっていませんでした。形式的に受け継がれているのではなく、神事を信じとして意義も受け継がれていて、皆、使命感を持ち、祭りに向けて準備が進められていました。これだけ時間をかけてもたった1日で燃え尽きしてしまうことに対しての思いを聞いてみると、みんなが口を揃えていうのが、だからこそいい、神様に捧げるから、いい祭りだという事。そして笑って、この火祭りで火の粉が降ってくることはもちろんあるが、そのやけどすら誇りと仰っていた言葉が印象に残っています。
どうしても当日の迫力だけがクローズアップされがちな鞍馬の火祭り。しかしそこにかける住民の思い、そして誇りを少しでも感じていただけたら幸いです。
2012年10月15日~10月21日放送
南海放送 ラジオ局ラジオ業務部 越智康江
今年でちょうど設立20周年を迎える「日本お手玉の会」を取材しました。
お手玉というと身近な遊びですが、とても深く、その歴史や遊び方など、昔のものなのに新しい発見の連続でした。お手玉の音、歌などから少しでも懐かしさを感じてお手玉を手にしていただけたらと思います。
全国大会の日はちょうど台風で、大会自体行われるかどうかわからない状態でした。でもみんなの想いが通じたのか、参加人数は減りましたが大会は行うことができ、無事取材も行えました。
お手玉の音を表現するのに、何度もお手玉を振ってもらったり、歌ってもらったり、中身が違うものを出してもらったり。とても勉強になりました。
2012年10月8日~10月14日放送 「録音風物誌番組コンクール」最優秀作品再放送
山形放送 報道制作局制作部 門田 和弘
冬に飲む1杯は「春を待つ喜び」・・・。
夏に飲む1杯は「涼やかな」気分になれます。
井山さんとは15年来のお付き合いをさせて頂いています。
去年暮れ、電話で話をしていた時「いつまで作れるのかなー」と井山さん。その言葉を聞き、久し振りに雪国を飲みたくなりました。
取材に出掛けた日は大荒れ。ホワイトアウト状態の山岳道を通り抜け4時間。着いた酒田は海がゴーゴーうなっていました。その吹雪の酒田の夜に出された雪国の1杯は忘れられません。
三角グラスに沈む「春を待つミントチェリー」
そのグリーンの輝きは本当にきれいです。
酒田の冬~春の情緒を1杯のカクテルの世界に描いた芸術作品「雪国」を、ラジオの音の世界で楽しんで頂ければと思います。
2012年10月1日~2012年10月7日放送 「録音風物誌番組コンクール」優秀作品再放送
中国放送 ラジオ制作部 増井 威司
瀬戸内海の小さな島、大崎下島に140年以上も前から続く日本で最も古いと言われている時計店「新光時計店」があります。
この時計店を守っているのは、4代目の松浦恵一さん。
松浦さんは、直せない時計はないという、ウワサがウワサを呼び日本中から修理の依頼が殺到する腕利きの時計職人です。
持ち主が、どの業者でも(海外でも)無理です、といわれ、最後の望みとして委ねた時計。それを見事に直し甦らせる。まるで止まった心臓を動かす時計のお医者さんです。
使い捨ての時代に、壊れた時計が届く小さな時計店を紹介しながら、物を大切にしようという気持ちと、時計への温い思い出を伝えます。
2012年9月24日~30日放送 「録音風物誌番組コンクール」優秀作品再放送
東北放送 ラジオ局制作部 伊香 由美子
仙台市中心部から車で20分ほどの若林区下飯田。
集落に一つだけの商店「フードショップ茶屋」の手押しポンプ式井戸の周りはまさに井戸端会議。入れ替わり立ち替わり人が訪れます。
近所の人、子ども、そして震災の復旧にあたる作業員の姿も。
井戸の周りで、今もあの日のことが語られます。
下飯田は海岸から4キロ。3月11日には津波が到達し、人々の日常を奪いました。水も電気もない、食料も調達できない一ヶ月も続く混乱の中、小さな商店には市場でやっと仕入れた食料品が並び、井戸からは水が湧き続けました。
落ち着きを取り戻した今、井戸のそばで涼しげな水音を聞いていると、
「お茶飲んで行って」「私が作ったクッキーがあるよ」とみんなが声をかけてくれます。
こんなほっとするような、懐かしいような場所に出会えることが、今は心から嬉しく、感謝の思いです。