2020年12月11日 (金)

音楽のまち・浜松~駅で響くピアノの音色~

2020年12月14日~2020年12月20日放送 
静岡放送 ラジオ局編成制作部 和田紗弓

【番組概要】
静岡県浜松市は「音楽のまち」として親しまれています。そんな浜松の玄関口であるJR浜松駅のコンコースには、グランドピアノが置いてあり、だれでも自由に弾くことができます。そんな浜松駅にとって当たり前な、駅に響くピアノの音色が、今年新型コロナウイルスの感染拡大の影響で消えました。その時の、人々の思いや、再開後のピアノの音色を聴いて感じることを番組にしました。

【制作意図】
浜松駅にグランドピアノを置き始めたのは、41年前。長年、音楽のまち・浜松の象徴として親しまれています。そんな、ピアノが今回、使用禁止になり、駅からピアノの音色が消えました。その時の人々の思いから感じる、「音楽のまち・浜松」にあるピアノの力を番組にしたいと思い、制作しました。

【制作後記】
浜松駅のピアノの再開を問い合わせたところ、「明日再開です」、という返事をいただいたところから始まった番組制作。コロナの影響で、取材拒否をされる方も多く、苦労する部分もありましたが、今年だからこそ伝えられる「浜松駅のピアノ」を描くことができたのではないか、と思います。今、辛い状況の方、多くいらっしゃるかと思います。そんな方々に届いたら、うれしいです。

捨てないパン屋、田村さんのパン

2020年12月7日~2020年12月13日放送 
中国放送 制作部ラジオGr. 宮崎夏音

【番組概要】
広島県広島市、マツダスタジアムから車で10分ほど進んだところにあるパン屋さん【ブーランジェリー・ドリアン】こちらのお店で販売されるのは、カンパーニュ、ブロン、ブリオッシュ…ハード系と呼ばれるパン、3種類。パンを焼くのは、柔らかな雰囲気を持ち、笑うと目が線になる、店主の田村陽至さん。そんなドリアンではここ5年ほど、廃棄したパンの数はゼロ・・・“捨てないパン屋”として注目を集めています。どんなことをして捨てないパン屋になったのか…田村さんが焼くのは一体どんなパンなのか…。田村さんのパン作りへの思いをお届けします。

【制作意図】
パン屋さんだけでなく、どんなお店でも、自分が丹精込めて作った商品を捨てたくはない。でも廃棄は仕方がない・・・そんな考えが“普通”になっている中で、「捨てない」という、“難しいこと”を実現できている、ブーランジェリー・ドリアン。どんな努力をしたら、どんな工夫をしたら「捨てない」ことができるのか…とても興味深く、また今の時代にとても合っているテーマだと思い、取材させていただきました。

【制作後記】
「無理なく働く」「手を抜く」「気づくと捨ててなかった」今回、2日間取材をさせていただきましたが、職人の口から出てくるとは思えないフレーズがたくさんあり、驚きの連続でした。また、興味深い話満載で、編集作業をするときに、素材の取捨選択にとても迷いました。捨てないパン屋なのに、捨てる作業をしないといけないなんて・・・。また、田村さんの話は、私の仕事にも共通することが多く、話を聞きながら、学ばせてもらうことがたくさんありました。ふわっとした柔らかさの中にある、確固たる信念。・・・ご一緒したのは、2日間だけでしたが、田村さんの魅力に引き込まれてしまいました。そして、今回の取材をきっかけに、ドリアンのカンパーニュデビューをしました。一口食べると、何とも言えない幸せな気分になりました。

クラフトビール造り~京都での挑戦~

2020年11月30日~2020年12月6日放送 
京都放送 ラジオ編成制作局 制作部 大坪右弥

【番組概要】
京都市十条の住宅街でクラフトビールを造っている「京都醸造株式会社」。
留学プログラムを機に青森県で出会ったアメリカ人のクリスさん、ウェールズ人のベンジャミンさん、カナダ人のポールさんの3人が、京都という地でクラフトビールを造り始めました。京都で始めた理由は「伝統工芸と職人の街で、クラフトビールの気質にも合うはず。」と考えたからだそうです。週末には工場に併設したタップルームで、クラフトビールファンだけでなく、近所の人も一緒になって賑わっていました。なぜ、京都醸造のクラフトビールは人を惹きつけるのか?京都醸造の皆さんがクラフトビールに込める思いや、タップルームが人々にどういった影響を与えているのかに迫りました。

【制作意図】
ビールの瓶を開ける瞬間には、幸せが詰まっている。その幸せのために一生懸命ビールを造る。クラフトビールに込めた精神、お客様への思い、タップルームでのコミュニケーションなど、すべてが「一期一会」という言葉で繋がっているということをラジオを通して伝えたいと思いました。

【制作後記】
コロナ禍であるにもかかわらず、クラフトビールファン、地域住民が足を運び、常に満席状態であることに驚きました。2015年からクラフトビール造りをスタートし、タップルームがその地域にとって、コミュニティーとして着実に根付き、愛される場所になっていることが分かりました。私自身も、「ずっとここにいたい。」「また、来よう。」と思ってしまうほど、心地良い空間でした。

全力プレーのそばで輝く

2020年11月16日~2020年11月22日放送 
熊本放送 ラジオ制作部 上妻卓実

【番組概要】
スポーツの中でも特にスピード感あふれるバスケットボール。短い時間内に次々と得点が加算されたり、選手の交代やタイムアウトと呼ばれる試合を中断して作戦を練る時間など、絶え間なく状況が変化するバスケットボール。こんなにも複雑なスポーツは、どのようにして成り立っているのでしょうか。その答えは、コート横1mにありました。4人の白いジャンパー姿の彼らはテーブルオフィシャルズ、通称TO。試合時間や得点の管理をはじめ、ルール全般を司る、バスケットボールの試合に欠かせない存在です。そんなTOを熊本で8年間続けている若杉玲子さん48歳。小学生の頃にバスケットボールと出会い手、指導者、審判を経験してきました。常にコートの中で情熱を注いできた若杉さんですが、現在はコートの外からTOとして試合を支える存在に。番組では、TOの知られざる仕事と常にバスケットボールに挑戦し続ける若杉さんの人柄に迫ります。

【制作意図】
 スポーツをしている多くの人は、年齢による衰えやケガなど身体的な理由から現場を退くことを決断します。また、「本当は好きだし、もっと挑戦したかった」、「第一線で活躍する若手がうらやましい」などの気持ちを抱えながら、引退の道を選んだ人は、スポーツに限らず仕事や学業など様々な分野でいるのではないでしょうか。番組では、バスケットボールの分野で、選手、指導者、審判、そしてテーブルオフィシャルと立場を変えながらも挑戦を続ける若杉さんを取材しました。「挑戦を続けることで輝くことができる」、そんな彼女の生き方はきっと多くの人に勇気と希望を与えることでしょう。

【制作後記】
 試合が始まれば誰よりも声を出し、きびきびと仕事をこなす若杉さんですが、試合終了後、「面白い試合内容でしたね!」と話しかけると、「試合の内容は全く覚えていません!」と満面の笑み。さらに、「試合中はTOに精一杯で余裕がないんです」と続けます。予想外の返答に思わず驚いてしましました。プレーするだけがバスケットボールではない。立場を変えながらも挑戦を続け、100%夢中になれる瞬間こそ一番輝きを発揮するのではないかと今回の制作を通して感じました。

 

屋久島民謡 まつばんだ

2020年11月23日~2020年11月29日放送 
南日本放送 ラジオ制作部 七枝 大典

【番組概要】
1993年。世界自然遺産に登録された「屋久島」は太古から続く自然と その自然と共存するため、人々は様々な知恵を出し合い、暮らしてきました。この屋久島には「まつばんだ」という民謡があります。「屋久の御岳を愚かに思うなよ 金の蔵よりゃなお宝」は、この歌の象徴的な歌詞。音階は琉球音階に似ていますが、いつのころから歌われているのか、だれがつくったのか。そして曲のタイトルである「まつばんだ」の意味を知る人は いません。記録にもありません。しかし、「この歌こそ屋久島の宝」と信じて、後世のために歌い継いでいる人たちがいます。先日、地元の有志で動画が作成され、インターネットでも公開されました。歌に込めた思いや自然との共存について伺うと共に、屋久島は育んできた文化の1つをご紹介します。

【制作意図】
鹿児島県は南北およそ600km。ここには様々な文化や風習、そして歌が残っています。特に南方の島々には サンシンという三味線に似た楽器と歌声で残る「島唄」という素晴らしい文化が残っているのですが 世界遺産の島・屋久島には、オリジナルの楽器は存在せず、代々歌い継がれている歌も ほとんどないという事を知りました。数少ない屋久島民謡「まつばんだ」を多くの方に知っていただきたい、そして途絶えようとしている民謡を独自の解釈で歌う方や集う方を紹介することで この歌のルーツを検証する機会のきっかけの1つとしたいという思いで取材しました。

【制作後記】
ほかの局の皆さんと同じくコロナの影響で取材の目途を立てることができず、
しかも屋久島町から「入島自粛」が発表されたため、取材予定を立てるのは大変難しく、
ようやく取材ができたのが10月下旬。そこからバタバタと…。そもそも、今回のテーマである「まつばんだ」という言葉と出会ったのは自分が小学3年生のころの夏休みに屋久島で見かけた「まつばんだ交通」という看板。地元の観光会社の車だったのですが、それ以来「まつばんだ」という言葉が心のどこかに残っていました。今から2年ほど前に 屋久島に特化した番組を担当することになり まつばんだを調べたところ、民謡らしいことが判明。しかも途絶えかけているという事が分かり 今回取材させていただいた次第です。今回、心の閊え(?)が ようやく解けたのですが、取材をきっかけに知り合った屋久島の方々から頻繁に「まつばんだ情報」をいただき、ありがたい限りです。

 

2020年11月 2日 (月)

りんごと木村さんの、はしご。

2020年11月9日~2020年11月15日放送 
青森放送 制作局ラジオ制作部 工藤凪紗

【番組概要】
ちょうどりんご収穫の最盛期を迎える青森県。美味しいりんごを育てるには農家さんと、りんご作業を支える道具が必要です。その道具の中でも1年中使うのが「りんご梯子」。番組では大正から令和まで梯子の角度や形を変えずに作り続けている、木村木工所の4代目、木村雄治さんと「木村式」とよばれる「りんご梯子」に迫りました。

【制作意図】
青森、と聞いて最初に思い浮かべるのは「りんご」ではないでしょうか。美味しいりんごを育てるには農家さんと、りんご作業を支える道具があってのことです。その道具作りをしている職人さんにスポットを当てたい!という思いから今回番組を制作しました。職人さんの道具作りのこだわりや思いをラジオを通して多くの人に伝えたいです。聴いた後に食べるりんごは味がちょっぴり違うかもしれません。

【制作後記】
今回取材をして感じたのは、木村さんの優しさです。忙しい中梯子の製作過程も含め何時間もの取材に笑顔で応じていました。また驚いたのは木村さんの梯子作りへの細やかな気づかい。材料に使う青森ヒバはより丈夫な梯子を作りたいという思いから木目がまっすぐなものを選び、金具を打つ場所から、梯子の角度に至るまで農家さんが使うのを第一に考えて製作をしています。出来た梯子は温かみがあり、なめらかな手触りなのに、とっても頑丈。まるで木村さんの人柄がそのまま表れたようでした。こんなにも工夫と時間をかけているのにも関わらず「農家さんが買うものだから」と主流のアルミ製のりんご梯子よりも値段が高くならないようにしているそうです。少しでも木村さんと、はしごの良さが伝われば嬉しいです。

下町に刻み続ける職人の技と人情~江戸切子

2020年11月2日~2020年11月8日放送 
文化放送 放送事業本部 編成局 制作部 住田芙雪

【番組概要】
江戸時代末期から江戸・東京で作られるガラス工芸品、江戸切子。グラスや皿などといったガラス製品の表面をカットし、手作業で切り出された文様は、曲線を多用した独特で繊細なデザインが多く、光の当たり方によって様々に表情を変え、煌めきます。江戸川区で「堀口切子」を営む堀口徹さんは、江戸切子職人だった祖父の影響でこの道にすすみました。自らも弟子を取り、次の世代へ技術を繋いでいく堀口さん。新しいものを柔軟に受け入れ、江戸切子の歴史を紡いできた職人たちの思いに迫りました。

【制作意図】
私の祖父は江戸切子職人でした。工場から聞こえてくるガラスをカットする音は、日常の一部として記憶に刻み込まれています。人が行きかう街の雑踏ではなく、下町風情溢れる東京の町に響き続ける音を録りたい。そう考え、堀口さんのもとを訪ねると、伝統を継承しつつも変化を受け入れ進み続ける江戸切子の根底にあるものが見えてきました。

【制作後記】
堀口さんは、職人気質な江戸切子に対する熱意と、弟子たちの育成や江戸切子の将来像ついて俯瞰的に語る経営者の視点を兼ね備えた方でした。印象的だったのは「江戸切子の職人は一つのチームとなって進んでいる」という言葉。職人たちがそれぞれのやり方で江戸切子の魅力を模索していくことで、相互作用となり江戸切子全体のファンを増やしている。その軸には歴史ある江戸切子の技術が脈々と受け継がれています。堀口さんのように視野を広く持ち技術を継承する職人たちの足跡が、江戸切子の未来を作っているのだと感じました。

2020年10月16日 (金)

夢を奏でる魔法の手

2020年10月26日~2020年11月1日放送 
RKB毎日放送 ラジオ局制作部 江里口雄介

【番組概要】
福岡県福岡市在住のプロパフォーマー、なかしま拓さん24歳。両手を重ねて空洞を作り、そこに息を吹き込んで、楽器のように操る手笛奏者。学生時代に音楽の道を志すも、楽器を買うお金がなく、手笛にたどり着いたという。毎日のように、福岡随一の商業都市天神に出かけては街角で演奏を続けてきた。いつしかそれは、天神の街の見慣れた風景になっていた。また、その活動が注目され、昨年には、アメリカ、ニューヨークのアポロシアターに招かれ、海外のパフォーマーからも注目される存在になっていた。順調に歩み始めたプロパフォーマーの道だったが、突如として状況は一変する。新型コロナウィルス・・・街角での演奏は、できなくなり、仕事の依頼もなくなってしまった。それでも、彼には、この状況に屈するわけにはいかない理由があった。魔法のように手笛を奏でる新進気鋭のパフォーマー、その挑戦と苦悩を追った。

【制作意図】
新型コロナウィルスの影響で、各業界は不振に陥っている。商店や飲食店、サービス業など、経営破綻を招き、連日ニュースとなっている。だが、そんなニュースにもならない所でも、新型コロナウィルスへの挑戦や、葛藤、日々戦っている人たちがいる。今回取り上げたパフォーマーの世界も、その一つであろうと思う。そしてそれは、天神という街の風景の一部。普段そこまで注目することはなくても、無くなるととなんだか物足りない。彼らが、今どんな思いで戦っているのか、そして何より、そんな彼らを応援したい。パフォーマンスのチカラを信じている彼らと同じように、ラジオのチカラを信じて制作しました。

【制作後記】
何より、主人公である、なかしま拓さんの純粋な気持ちに、心惹かれました。一つ一つの言葉を丁寧にしゃべる彼の口調に、手笛への熱意、こどもたちへ、成功と苦労、すべて含めて夢の大切さを伝えたいという彼の想いの強さを知ることができました。その実直な思いが、パフォーマー仲間や、協力者を惹きつけていることも感じとることができた取材でした。その彼の魅力、想いの強さを、どれだけ本作に詰め込めるか、反映できるか、そこで悩み、制作時間を費やした思います。あわせて音で想像させる表現とは何か、今まで以上に考えさせられた貴重な制作体験になりました。技術スタッフといつもと違う楽しみを味わいながら、録音できました。ありがとうございました。

未来につなぐ鳴り石の音

2020年10月19日~2020年10月25日放送 
山陰放送 コンテンツ局制作部 安藤健二

【番組概要】
鳥取県琴浦町にある、「鳴り石の浜」は、楕円形の丸い石が一面に広がる珍しい海岸です。この丸い石どおしが、打ち寄せる波にもまれ、転がりぶつかりあうことで、「カラコロ」という音を立てます。この音は、波の強さ波打ち際に集まる石の大きさによって変わります。訪れるたび、その音は違い、様々な表情を見せてくれます。また、この海岸、ゴミという存在をわすれてしまうぐらい、ゴミがありません。近くに住む、岩田弘さんは、この海岸をゴミのない、自然のままの海岸にと、約60年間、清掃活動をされてきました。そして、この海岸を、新たな観光地にしようと約10年前「鳴り石の浜」プロジェクトが立ち上がりました。様々な活動を通し今では、町を代表する観光地になりました。プロジェクトメンバーの今の、上田啓悟さんの思いとは。

【制作意図】
カラカラ、コロコロと心地よい音、いつまでも聞いていられます。そして、この海を、音を、守っている人たちがいます。その方たちの想いとともに、この海岸の波打ち際で聞いていかの気分で、鳴り石の音をたぷりと届けたいとおもいます。また、天候、気候によって地響きにもにた「ゴロゴロ」という力強い音の日もあり、音の違いにも触れて頂きたい。

【制作後記】
取材で、鳴り石の浜に行くたびに、鳴り石の音が違い、時には、力強い音。この音の違いに驚きました。そして、この鳴り石の浜を、守るべく多くの人が様々な取り組みを行い、また、新たなコミュニティーも生まれ地域の活動拠点となっています。番組では、活動についてなど十分にお伝えできてませんが、この「鳴り石の音」をたっぷりとお聴き頂けたらと思います。

2020年10月 8日 (木)

ラジオ登山~蝦夷富士・羊蹄~

2020年10月12日~2020年10月18日放送 
北海道放送 ラジオ局制作部(パーソナリティ)山根あゆみ

【番組概要】
北海道を代表する山のひとつ、羊蹄山。標高1898m。日本百名山のひとつで、富士山のような美しい立ち姿から「蝦夷富士」と呼ばれる、全国から多くの登山客が訪れる人気の山です。しかし、今年は新型コロナウィルスの影響で外出自粛の意識が強まったことで、登山者にどのような変化をもたらせたのか。実際に登り、今の羊蹄山の様子を伝えます。今年は登山に行きたいけれど行けなかった方も、登山に興味がない方も、一緒に登った気持ちになって羊蹄山の魅力、登山の楽しさを感じてもらえたらと思います。

【制作意図】
コロナ禍の登山。登山者はどんなことを意識して登っているのでしょうか。また、今年は仕方ないと登山を断念した方へ、さらに普段山に登らない方へも、羊蹄山の大自然と開放感を味わってもらえるような、ラジオから疑似登山ができればと思ってまとめました。ガイドブックには5時間かかる登りを、番組が終わるまでのおよそ10分にまとめたので、展開の早いハイペースラジオ登山になってしまいましたが、羊蹄山の現状だけでなく、鳥の声、登りの辛さ、山小屋でのおもてなし、風の音、登頂の喜び、そういう感覚を耳を通して、肌で感じてもらえると嬉しいです。

【制作後記】
制作を担当させていただいた私は、羊蹄山の麓で生まれ育ち、小学1年生の頃からこの山には何度も登り続けています。いつも登っている時は、疲労感からくる愚痴で頭がいっぱいになったり、自分のことをゆっくり考える、自分と向き合う時間として過ごしていましたが、今回録音機を持って登ったことで、改めて様々な大自然の音に気付くことができました。と同時に、自分の耳で体感した音をそのまま表現することの難しさも痛感しました。
頂上へ着いた時の達成感と登山客の喜びの顔。今年は特に、その喜びが弾けていたように見えました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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