« 2025年6月 | メイン | 2025年8月 »

2025年7月

2025年7月25日 (金)

あの味をもう一度!じゃ~まの料理教室

2025年8月4日~2025年8月10日
北陸放送 ラジオ開発部 中川留美

【番組概要】
人それぞれに忘れられない味、食べると色んな思い出がよみがえってくる料理があります。令和6年能登半島地震によって閉店してしまったお惣菜店も、もう一度食べたいと思うメニューがありました。能登半島のほぼ中央に位置する石川県七尾市にあった惣菜店の名前は「じゃ~ま」。「じゃ~ま」とは、能登の方言で「妻、奥さん」を意味します。長年、地元の主婦やサラリーマンだけでなく、学生も通う人気店でした。お惣菜の中でも名物だったのが「鶏の唐揚げ」。ひとくち噛むとジューシーで、口の中いっぱいにニンニクの風味が広がる美味しい唐揚げです。地震後、店舗は解体され、「じゃ~ま」のお惣菜は食べられなくなってしまい寂しさを感じている中、もう一度、あの「唐揚げ」を食べたい!じゃ~まのお惣菜を食べたいという思いを持つ人達の企画で、今年2月から「じゃ~ま」の料理教室が開催されることになりました。番組では料理教室の様子や参加した人たちの声、じゃ~まの店主・蠏早苗さんの思いをお送りします。

【制作意図】
能登半島地震から1年半が経ち、街の風景、人の様子も変化していますが、その中に変わらないものや心の中に残るものが、誰の中にもきっとあると思います。姿や形としては無くなってしまっても、ふっと心に浮かぶもの、懐かしく思い出されるものの一つが「味」なのではないかと思います。地元で長年、愛され続けてきた「味」を求める人の思い、「味」を受け継いでいける喜びも伝えたいと思いました。

【制作後記】
「じゃ~ま」の店主、蠏早苗さんは、みんなの「お母さん」のようでした。料理教室に参加している人たちは、レシピを習うだけではなく、「じゃ~ま」のお母さんに会いたくて、話をしたくて来ていました。「教えることはなくて、一緒に料理をしている感じ」と話してくれる蠏さんの姿や参加者の様子を見ていると、母と子が一緒に料理をしているようにも思えました。「じゃ~ま」のお惣菜、唐揚げが忘れられないのは、母のような味わいがあるからなのかもしれません。取材中に唐揚げ、卵焼き、マーボナスをいただき、味の美味しさとともに思い出されたのが、私の亡き母の料理でした。姿、形は無くなってしまっても、味は忘れられないものですね。

奄美日本復帰 72年の時を経て

2025年7月28日~2025年8月3日
南日本放送 ラジオセンター音声メディア部  豊平有香

【番組概要】
多くの離島がある鹿児島県は、南北600Kmに及ぶ「日本一長い県」。
その最南端にある、奄美大島、徳之島などの奄美群島は、昭和20年の終戦後から沖縄とともにアメリカ軍の統治下にありました。島民は食糧難に苦しみ、子どもたちは十分な学習ができないなど、大変な生活を強いられます。そのような中、昭和28年12月25日、沖縄より先に奄美群島が日本に返還されるというニュースが。ラジオ南日本(南日本放送の前身)の局員2人が、歴史的な日をラジオで伝えたいと『密航』して奄美大島に行き、全国中継を成功させました。
この実話をもとに、鹿児島県立伊集院高校の演劇部が、当時の奄美を描いた創作劇を披露します。しかし、同じ鹿児島県でも離島の奄美大島に行ったことがない部員がほとんど。
どのような思いで72年前の奄美の人々と向き合ったのでしょうか。
当時の音源と、令和の高校生たちの声を重ねて届けます。

【制作意図】
南日本放送の資料室に保管されていた、72年前の全国中継の音源。
当時ラジオ南日本は開局したばかり。「奄美日本復帰」というビッグニュースを「ローカル局である自分たちが伝えるんだ」という大先輩たちの熱い思いを感じました。
このエピソードをラジオドラマで再現したところ、県立伊集院高校から創作劇として奄美日本復帰を描きたいという連絡が入ります。同じ鹿児島県内の出来事ではありますが、本土に住む高校生が離島の奄美のことをどのように感じながら演じるのか、大変興味がわき、取材を進めました。

【制作後記】
劇を初めて見たとき、本当に令和を生きる本土の高校生なの!?と驚きました。ステージでは方言が飛び交い、島唄を歌い、配給を待ち、市民運動で声をあげ…。高校生が真正面から奄美の歴史と向き合う姿を見て、私も何とかしてラジオで伝えたいと背中を押されました。
この劇を見に来られた奄美にゆかりのある方々は、「当時を思い出す」「両親から聞いた話と同じだ」と涙を流し、奄美で公演してほしい、という声も上がっています。復帰を経験した方が少なくなる中、劇を通して、鹿児島の大切な歴史を語り継いでいってほしいと心から願っています。





人と糸が紡ぎ織りなす伝統と未来

2025年7月21日~2025年7月27日
KBS京都 ラジオ局編成制作部 森俊輔

【番組概要】
京都を代表する伝統工芸の西陣織、その中でも「金襴」と呼ばれる織物を題材に、100年以上にわたり「金襴」に携わる西陣岡本の皆さんへのインタビューと機織りの音を通して、西陣織の発展から危機感といった現状そしてその先の未来へを表現しました。

【制作意図】
以前は周辺地域を歩いているとどこかしらから機織りの音が聞こえるのがあたりまでしたが、ここ数年でそのような光景も少なくなっていると感じます。そしてどこの伝統工芸もそうですが後継者不足というのが問題になっています。
取材をしていくうちに、織りではなく機械の整備や素材の調達といったそれ以前に関わる方々の危機という、イメージしていなかったそれ以前のことへの危機をより感じましたので、そこを伝えることをメインに制作しました。

【制作後記】
取材を通して、感じたのが岡本の皆さんのどうにかしたいという気持ちです。
織機の中の、そんな部分まで専門にしている職人さんがいるのかと驚きました。
西陣織の過渡期だと感じる今、この放送を通じてたくさんの人に魅力と現状を知っていただきたいと思います。


試行錯誤で実る、スペシャルティコーヒー

2025年7月14日~2025年7月20日
琉球放送 メディア本部 ラジオ局 編成制作部 銘苅強

【番組概要】
身近な飲み物であるコーヒーですが、ほとんどが外国で栽培されています。そんな中、気象条件のハンデがありながら沖縄本島でコーヒーを「露地栽培」しているコーヒー園を取材しました。突然やってきたコーヒー栽培へのチャレンジ。気象が合わない中でのチャレンジ。
チャレンジを繰り返す又吉拓之さんの姿を取材しました。


【制作意図】
沖縄でコーヒー栽培がおこなわれていることの凄さを知ってもらいたい。
収穫まででも大変なところ、満足せずにクオリティを高め続け、他の国にも負けない高い品質のコーヒーができている。さらにその先も見据えて進み続けるという職人魂のようなものが伝わってほしい。

【制作後記】
沖縄でも「沖縄県産コーヒー」を店頭で見ることがない。
作っていることは知っていたのでなぜなかなか飲む機会がないのか疑問でしたが、
何とか育つという沖縄の栽培環境で大規模栽培はどうしても難しいという理由を知った。また、海外産コーヒーであってもほとんど同じ手間がかかっているということを聞いて、普段から飲んでいるコーヒーがどれだけ安く飲むことができているか、身に染みた。

鳴った!幕末から伝わる鼓笛の音

2025年7月7日~2025年7月13日
山形放送 丹野 貴雄 報道制作局制作部

【番組概要】
山形県上山市で160年以上前に始まった歴史ある鼓笛隊が、今なお活動を続けている。
「上山藩鼓笛楽」、戊辰戦争の頃に上山市で奉奏されたことが始まりと伝えられ、現在は市の無形文化財に指定されている。毎月1回、子どもから大人まで様々な世代が参加する練習会。神社の例大祭や秋の大祭で奉奏し、お祭りを盛り上げる存在として古くから地元の子どもたちの憧れの存在ともなっているという。この鼓笛の音をこれから先も継承していこうと奮闘する様子を描きました。

【制作意図】
もともと「上山藩鼓笛楽」は女性による演奏は禁じられていましたが、伝統ある鼓笛楽を次世代に伝えるため、平成6年から女性も参加できるようになりました。こうした中、去年、女性初の会長となった藤原さんは、しの笛とフルートの奏者として音楽活動を行っている音楽家。彼女自身も小学生の頃に参加していて、この度会長になった藤原さんに、鼓笛楽を後世へ伝え継ぐ意志を伺いました。また、取材で出会った、篠笛を体験しにきたという8歳の男の子。なかなか笛を鳴らせない彼が、まわりの指導者たちに教えられて、最後には音を出せるようになるまでの姿と、この鼓笛楽が今後も未来に伝えられていく様が重なり、その様子を伝えたいという思いで制作しました。

【制作後記】
元々の想定では、継承活動を楽しく続ける様子をにぎやかにお伝えできれば、という思いの元、取材に臨みました。発足当時は、合戦のさなかに戦術の一部として使われていたということで、演奏を間違えてしまうと、自軍の作戦失敗にもつながるという命がけの状況だったという話を藤原会長からお聞きして、演奏する人たちの思いは変われど、160年以上前から現在まで伝えられてきた鼓笛楽の歴史に思いを馳せました。また、最後に登場する、はじめて笛を鳴らすことに挑戦した8歳の男の子は、インタビューに答えるのは難しかったものの、鳴ったその音からは、鼓笛の音が次世代へ続いていくであろう気配を感じたので、その様子を大切に伝えたいと思い、最後に紹介しました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad