あの味をもう一度!じゃ~まの料理教室
2025年8月4日~2025年8月10日
北陸放送 ラジオ開発部 中川留美
【番組概要】
人それぞれに忘れられない味、食べると色んな思い出がよみがえってくる料理があります。令和6年能登半島地震によって閉店してしまったお惣菜店も、もう一度食べたいと思うメニューがありました。能登半島のほぼ中央に位置する石川県七尾市にあった惣菜店の名前は「じゃ~ま」。「じゃ~ま」とは、能登の方言で「妻、奥さん」を意味します。長年、地元の主婦やサラリーマンだけでなく、学生も通う人気店でした。お惣菜の中でも名物だったのが「鶏の唐揚げ」。ひとくち噛むとジューシーで、口の中いっぱいにニンニクの風味が広がる美味しい唐揚げです。地震後、店舗は解体され、「じゃ~ま」のお惣菜は食べられなくなってしまい寂しさを感じている中、もう一度、あの「唐揚げ」を食べたい!じゃ~まのお惣菜を食べたいという思いを持つ人達の企画で、今年2月から「じゃ~ま」の料理教室が開催されることになりました。番組では料理教室の様子や参加した人たちの声、じゃ~まの店主・蠏早苗さんの思いをお送りします。
【制作意図】
能登半島地震から1年半が経ち、街の風景、人の様子も変化していますが、その中に変わらないものや心の中に残るものが、誰の中にもきっとあると思います。姿や形としては無くなってしまっても、ふっと心に浮かぶもの、懐かしく思い出されるものの一つが「味」なのではないかと思います。地元で長年、愛され続けてきた「味」を求める人の思い、「味」を受け継いでいける喜びも伝えたいと思いました。
【制作後記】
「じゃ~ま」の店主、蠏早苗さんは、みんなの「お母さん」のようでした。料理教室に参加している人たちは、レシピを習うだけではなく、「じゃ~ま」のお母さんに会いたくて、話をしたくて来ていました。「教えることはなくて、一緒に料理をしている感じ」と話してくれる蠏さんの姿や参加者の様子を見ていると、母と子が一緒に料理をしているようにも思えました。「じゃ~ま」のお惣菜、唐揚げが忘れられないのは、母のような味わいがあるからなのかもしれません。取材中に唐揚げ、卵焼き、マーボナスをいただき、味の美味しさとともに思い出されたのが、私の亡き母の料理でした。姿、形は無くなってしまっても、味は忘れられないものですね。
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