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2021年1月 8日 (金)

新型コロナ収束願い   届け!那覇大綱挽 旗頭

2020年12月28日~2021年1月3日放送 
ラジオ沖縄 制作報道局報道部 竹中 知華

【番組概要】
沖縄には、地区ごとに「旗頭」と呼ばれる全長10メートルにもなる大きな旗があります。その地区のシンボルでもあり、守り神のような存在です。お祭りの時などには、旗頭の持ち手たちが、銅鑼や鐘、ほら貝、掛け声とともに旗頭を順番に持ち上げ、盛り上げます。那覇市で、いちばん旗頭が活躍するのが、毎年10月に行われる那覇大綱挽です。那覇の各地区の旗頭が集まり、一斉に旗頭を掲げます。しかし、2020年。新型コロナウイルスのため、「那覇大綱挽」は、中止となりました。                                                        実は、那覇大綱挽の綱は、2019年、綱挽きの最中に切れています。何か不吉なことが起こる前兆ではないかと囁かれるなか、同じ月に首里城が焼失しました。そこからの2020年の那覇大綱挽 中止。県民はとても心を痛めていたのです。この状況を少しでも活気付けたい。2021年は賑やかな那覇大綱挽にしたい。そんな想いから、旗頭の持ち手たちは立ち上がりました。綱挽きは行われないけれど、那覇大綱挽の当日の正午に、一斉に各地で旗頭を掲げることを決めたのです。                                             練習も十分に出来ないなか、新型コロナウイルス収束を願い、旗頭の旗が那覇の空に舞う、その様子をお伝えします。

【制作意図】
2020年。沖縄県は本当に静かでした。                               ゴールデンウィークから初夏にかけて、海人たちが爬竜船で競い合う「ハーリー・ハーレー」は、ほとんどが中止でした。旧盆に、祖先のお見送りのため、太鼓を持ち勇壮に踊る「エイサー」も各地で縮小中止となりました。そして、五穀豊穣を願う、各地の「綱挽き」もほとんどが中止。                         沖縄の伝統行事には、掛け声や太鼓の音、銅鑼の音がつきもの。鳴り響くその音が聴こえてこないことで、県民にとっては、沖縄の"四季”を、そして、沖縄自体を感じることができない1年でもありました。この、旗頭が掲げられる勇壮な音を届けることで、一年の締めくくり、またはスタートの放送時期に、皆さんに、少しでも明るい気持ちと希望をもっていただけるように、制作しました。                         

【制作後記】
この日、旗持ちの皆さんは、全員が黒いマスクをし、リハーサル中もアルコール消毒を繰り返しながら、旗頭演武をおこなっていました。久しぶりの旗頭に緊張しているようでしたが、本番では素晴らしい集中力で、何度も倒れそうになる旗頭を見事に立て直し、旗頭を掲げきることができました。
終わったあとには、笑顔が溢れ、これまでのお祭りでの印象に残っているエピソードなどを沢山話してくださいました。掛け声や銅鑼の音鐘の音が聞こえなかったことで寂しい想いをしている人が沖縄にはたくさんいますが、何よりも旗持ちの皆さんたちがうずうずしていたのだな、ということがよく分かりました。2021年こそは、那覇大綱挽 を成功させたい。伝統を途絶えさせてはいけない。という強い想いを感じました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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