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2014年2月

2014年2月24日 (月)

懐かしの蓄音機コンサート

2014年2月24日~2014年273月2日放送
東海ラジオ放送 制作局 報道部 井出勝也・前野沙織

【番組概要】
一宮市木曽川資料館。そこには今なお現役で動く「ゼンマイ式蓄音機」がたくさんあります。その音色は半世紀以上たった今でも,深みと力強さをもったものです。資料館では,このゼンマイ式蓄音機を使って,高齢者施設や資料館で,SP盤レコードのコンサートを行っています。資料館で行われたコンサートの様子やコンサートで懐かしい歌声に触れたお年寄りの声,寄贈された貴重な「ゼンマイ式蓄音機」の音色や,それを寄贈した方のお話などを,ゼンマイ式蓄音機から流れる昭和初期の名曲とともにお届けします。

【制作意図】
ラジオ局にとって,音楽,とくに時代の流れを映す流行歌は欠かすことができません。音楽のジャンルが増え,変化し,数が増えるのと同時に,私たちが音楽を聴く方法も多様化しました。楽曲のダウンロードは好調でも,CDの売り上げは減少し,もはや音楽は「曲」のみが求められ,「どうやって」聴くかを気にする人はほとんどいません。そんな現代に生きる我々は,お年寄りたちが聞きたいのは,「若いころの曲」,例えば「リンゴの唄」そのものだと思い込んでいます。しかし,木曽川資料館の「ゼンマイ式蓄音機」のコンサートは,単なる「昔の音楽を聴くだけ」に止まらない,私たちの思い込みを崩すものでした。

【制作後記】
実際にゼンマイ式蓄音機でレコードを聞いてみて,その音色がCDなどにはない魅力を今なお持っていることや,蓄音機ごとにすこしずつ個性があることが実感できました。また,コンサートの最中,蓄音機から流れる懐かしいメロディーに,高齢者たちが元気になっていくのがわかりました。音楽が流れる度にお年寄りたちは「懐かしい」とつぶやいて,歌詞カードなどが配られているわけでもないのに,自然と歌を口ずさんでいました。また、「この光景を見れるのが一番の幸せ」と語っている資料館の皆さんの笑顔が印象的でした。この取り組みは寄贈のレコードとゼンマイ式蓄音機のみで行われています。また、寄贈された蓄音機の修理もボランティアです。音楽に関わるものとして,できるだけのお手伝いをしようと,全国に伝えるための番組を制作しました。

2014年2月19日 (水)

笑顔は介護のエネルギー~アマチュア落語家すわこ八福神~

2014年2月17日~2014年2月23日放送
信越放送 ラジオ局編成制作部 小森泰夫

【番組概要】
諏訪市城南に寿司店を構える小平晴勇さん(63才)は本業の他にアマチュア落語家「すわこ八福神」として各地で古典から創作まで落語を披露。最近は自ら家族を介護した経験を踏まえて制作した”介護落語”を福祉施設などで披露、「介護するにも、介護を受けるにも笑顔が大切」と考え、「落語で笑いを届けたい」と各地を巡っています。番組では小平さんの活動を追いかけ取材しました。

【制作意図】
長野県下でも高齢化社会が進行する状況にあって、介護を受ける高齢者の皆さんに対して、更に介護にあたる皆さんに対しても落語で癒しと活力を届けたいと精力的に活動する小平さんの人柄を多くの皆さまに知っていただくと共に、介護を実践する上で様々な可能性を考察していただくきっかけになればと制作しました。

【制作後記】
小平さんの活動を支えている寿司店の常連さん、地元社協や介護福祉業従事者の皆さまと取材を通じて、様々な地域の皆様と知り合うことができ、それぞれが抱える福祉面での課題や将来への展望など「現場」のお話を伺う中で、大いに今後の番組制作へのヒントをいただきました。

甲州弁で蘇る昔話~よっちゃばって聞いておくんねぇ~

2014年2月10日~2014年2月16日放送
山梨放送 ラジオ本部 ラジオ制作部 飯野泰央

【番組概要】
山梨県で昔から使われてきたお国言葉「甲州弁」
その甲州弁を使って昔話しを語る女性がいます。「山梨むかしがたりの会」の藤巻愛子さん。およそ30年前から昔ながらの甲州弁は徐々に使われなくなってきていますが、なぜ藤巻さんは甲州弁を使って昔話を語るのか。藤巻さんの昔話と共に、甲州弁の魅力をお伝えします。

【制作意図】
山梨独特のお国言葉である甲州弁も現在ではあまり使われなくなってきています。子供達にとっては、おじいちゃんおばあちゃんが使うのを聞いた事があるといった程度で過去の言葉になっているようです。そんな中、藤巻さんの活動を知り、藤巻さんの甲州弁に対する思い、昔話を通して何を伝えていきたいのかを伺いました。山梨だけでなくその土地どちのお国言葉をもう一度考えてみる機会にしたいと制作しました。

【制作後記】
山梨県に住んでいる以上、少なからず甲州弁に触れる機会はありますが、積極的に甲州弁を使って話そうという人はそういません。しかし藤巻さんが言うように甲州弁を聞くことで山梨の山や川、生まれ育った土地を思い出すことができると感じました。改めて、その土地で生まれた言葉の魅力を皆さんに考えてもらえれば、また故郷を思い出して頂ければと思います。

2014年2月 4日 (火)

130年分のありがとう~最後に歌う「けやきのうた」~

2014年2月3日~2014年2月9日放送
RKB毎日放送 RKBミューズ 三輪肇

【番組概要】
小学校統合に伴い、今年度限りで138年の歴史に幕を下ろし閉校する福岡県のほぼ中央に位置する嘉麻市の「千手(せんず)小学校」。この学校の校庭には大けやきがどっしりと校舎と寄り添うように立っています。樹齢は130年。そのりりしい姿は児童達だけでなく地域のシンボルになっているのです。20年程前に、当時の在校生と先生とで作った「けやきのうた」には、自分たちの象徴である「けやきの木」への感謝に満ち溢れる想いが言葉とメロディで表現され、学校の愛唱歌として事ある毎に歌われ慕われ続けているのです。

【制作意図】
1世紀以上もの間、何代もの子供たちとたわむれ、見守り続ける大けやきと、閉校と言う別れを惜しみながら「けやきのうた」を大切に歌い続ける児童、そして地域の人々との関わりを描いていこうと考え企画しました。

【制作後記】
取材した千手小の児童達からは、この歌を歌い継いでいく、という自身までも伝わってくる様でした。また孫も含め家族5代が千手小に通ってきたという溝口正明さんは、通学路沿いに今もお住まいで、目頭に涙を浮かべながら、けやきとの思い出や、毎朝楽しみにしている地域に響く通学の子供達の様子をお話して下さいました。

足元に響く 神戸っこの心意気

2014年1月27日~2014年2月2日放送
ラジオ関西 報道制作部 西口正史

【番組概要】
神戸の観光スポット・神戸ハーバーランドモザイク。去年、ハーバーランドモザイクUMIEとしてリニューアル。アンパンマンこどもミュージアムもオープンして、20年たった今も人気は衰えません。そのハーバーランドの憩いの場が「海の広場」です。海の広場を歩くと心地よく響く足音。その足音から、交差する神戸の歴史と、神戸っこの思いを切り取ります。

【制作意図】
神戸らしい風景、といわれて先ず浮かんだのが「ハーバーランド・海の広場」。しかし、他の人が取り上げなさそうな、マニアックな音はあるか????と考え込んで目を落とした先にあったのがウッドデッキでした。施工者・井上裕崇さんのこだわりを通じて、神戸っこの粋な部分を伝えられればと思います。

【制作後記】
「神戸はストーリーがあるまち。それを掘り起こすのが我々の務め」
神戸を愛する井上さんの仕事のスタイルは、極めてベンチャー的。しかしそれでいて先人への敬意にあふれ、スマートさと庶民性がまざりあった、汽水域のようでした。そこで育まれた神戸っこの思いは、世代や国籍を超えて伝わっていくと思います。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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