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2011年11月

2011年11月28日 (月)

交響曲第九番 国内初演の地から歌い継がれる歓喜の歌~

四国放送 ラジオ編成制作部 新谷 雅彦

年末の風物詩として広く親しまれているベートーヴェンの第九交響曲。第九が日本で初めて演奏されたのは、1918年6月1日のことで、徳島県鳴門市の板東俘虜収容所で第一次世界大戦で捕虜となったドイツ兵により、全曲演奏されました。

この日を記念して鳴門市では、毎年6月に第九演奏会を行っています。ことしの演奏会は東日本大震災の発生を受けて、被災地の復興を願う思いを込めて歓喜の歌が熱唱されました。

日本の第九のふるさととして親しまれているなるとの第九演奏会には、毎年全国から多くの人が参加していて、様々な交流が生まれています。鳴門に来たことがきっかけとなって被災地に行くことになった群馬県の合唱団の女性の話を紹介します。

また2018年には第九の国内初演から100年を迎えます。
鳴門ではもうすでに100周年に向けた取り組みが始まっています。またドイツとの間では、合同演奏会の話が持ち上がっています。

NPO法人鳴門「第九」を歌う会が、第九の交流の担い手として積極的に活動する様子をお伝えします。

2011年11月21日 (月)

日之影町大人歌舞伎~農村歌舞伎が繋ぐ絆~

宮崎放送 ラジオ営業制作部 仮屋 幸一郎

宮崎県北部の山間の町・日之影町。
町のシンボル「青雲橋」から西に入った所に、大人と書いて”おおひと”と読む地区があります。
この地区に400年以上の歴史がある農村歌舞伎、県の無形民俗文化財に指定されている大人歌舞伎が、毎年秋に上演されています。

歌舞伎の衣装・小道具なども代々受け継がれており、専用の歌舞伎の館という舞台もありました。歌舞伎役者の口上が聞こえてくる~秋の風物詩でもあります。

夜に上演されるもので、虫の音も効果音的な役割をし、時間がゆっくりと流れる感覚も味わいました。また、今回、町を離れていた方が歌舞伎のお手伝いの為戻ってこられており、その方に故郷の思いなども伺えました。
 
また、客席には、50年程前に役者として舞われていた方も何人かいらっしゃり、時折、目を閉じられて、役者の口上に耳を傾けていらっしゃいました。また、小学生・中学生の姿も見られ、真剣な眼差しで、舞台を見ている子供もおり人が感覚や姿、想いなどで繋いでいく「伝承」というものが見た様な気がしました。

2011年11月14日 (月)

阿蘭陀船の数え歌~白秋が見たNagasaki

長崎放送 ラジオ局制作センター 松尾 千代

北原白秋、山田耕筰のゴールデンコンビによる数多くの曲の中に、長崎を舞台にレコードが発売されたのは昭和8年。当時小学生くらいの子どもが歌っていたとしたら現在80代の方が知ってるはずである。

しかし、その曲は戦争がきっかけで、敵国の言葉が入っているため歌われなくなり長崎の地からも忘れ去られていった。

長崎の老舗洋菓子店の梅月堂の本田邦子さんはずっとこの曲を求め、70年の時を越え再会することが出来た。再び甦った白秋の詞から、白秋の眼に当時の長崎はどのように映ったのだろうか。

探すにつれ、他にも歌われ、レコードになっているものもあった。現在、本田さんを初め、宮川さんらは、長崎の童謡として歌われることを願い、行動を起こしているところである。

2011年11月 7日 (月)

醤油発祥のまち、湯浅

和歌山放送 報道制作局 報道制作部 花井 歩高

毎日の食卓に欠かせない、しょうゆ。

何気なく食べてますが、紀州・和歌山が発祥なのをご存じでしょうか。鎌倉時代、由良に禅寺の興国寺を開いた法燈国師が中国から金山寺味噌の製法を伝えました。その製造過程で、上澄みから出た汁を味わってみたことがしょうゆのはじまりとか…。

熊野詣での宿場町、海上交通の要衝であった湯浅の古い町並みは、「重要伝統的建造物群保存地区」として町歩きを楽しむ観光客も増えてきています。そこにはいつもしょうゆのあまい薫りが漂います。

ラジオから香りは出ませんが、しょうゆ蔵に入って一緒に杉桶をまぜる気分に浸ってくれればと思います。なお、湯浅はシラス漁も盛んです。出来たての釜揚げシラスをごはんにたっぷり載せて手作りのしょうゆに梅干しを…これは和歌山で味わって欲しいですね。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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