« 2006年9月 | メイン | 2006年11月 »

2006年10月

2006年10月30日 (月)

秋祭りを織り成す江戸情緒あふれる女性たち

文化放送 編成局 報道制作部 高尾 益博

文化放送は今夏、50年余り慣れ親しんだ四谷から新天地・浜松町へ移転した。浜松町は貿易センタービルを中心に広がるオフィス街、東京湾や羽田空港にもアクセスしやすい「交通の要衝」であるとともに、芝・増上寺や芝大神宮などの寺社が点在する街でもある。

そこで「新しいものと古いもの」「変わるものと変わらないもの」という視点から、秋祭りで賑わう芝大神宮を訪れた。

祭りといえば威勢の良い神輿担ぎの声、力強い和太鼓の音というように、「男性が担ぐもの、叩くもの」というイメージが強いが、この芝大神宮は180°違った。

昔から女性だけで担ぐ「婦人神輿」(かつては「芸者神輿」と呼ばれた)が存続し、また和太鼓の演者は女性が中心になりつつあり、「祭りを盛り上げるのは男性ではなく女性である」という一つの仮説に至る。

この仮説を証明するため、江戸神輿保存会「千成会」という和太鼓グループの練習会に出向き、40年のベテラン「親方」(男性)から技術と「想い」を受け継いでいる女性たちの様子を取材した。

この作品では、「新しいものと古いもの」が浜松町という街の中にあるのと同じように、浜松町という街で生活する人にとっても「変わるものと変わらないもの」があるということを、「婦人神輿」と「和太鼓」で活躍する女性というフィルターを通して浮き彫りさせることに主眼を置いた。

2006年10月23日 (月)

火の用心 次の拍子木誰が打つ

熊本放送 ラジオ編成制作部 高野 泰宏

昭和30年から続く天草市御所浦町の子どもたちだけの火の用心の見回り。始まったのは子どもの火遊びで十八棟が全焼する火事が発生したからです。

当時、水事情も悪く、また平地が少なくなく、住宅が密集し、山林も隣接する地形だったために、大きな災害となり、島の人々には防災意識が芽生えました。

この見回りのおかげか2002年以降建物火災は発生していません。ところで現在見回りしている山下博山君は中学三年生。高校へ進学すると下宿するか船で通学するかということになり、事実上見回りは不可能となります。

周囲の大人は後継者について心配していますが、本人は「12月までに決めます」と楽観的です。意中の人はいるようでこの風習はまだ続きそうです。

2006年10月16日 (月)

水車職人の想い

高知放送 ラジオセンター 浜田 恵秀

高知県内でも数人になった水車職人、岡林荒男さんに、水車にかける想いを聞く。

高知県吾川郡いの町小川柳野には、その昔、水車が13基あった。この地区には、水車がある暮らしが当たり前のように広がっていたといいます。

生活に密着していた水車は、近年その良さ、雰囲気などが見直され、高知県内でも復活させようという動きがみられるようになってきました。

全てが手作りの水車。その材質、図面はどうしているのか、どこが難しいのか、などを聞いています。

2006年10月 9日 (月)

おら ゆびながこうもり だ

青森放送 ラジオ編成制作部 工藤 美緒子

現在、青森県内には17種類のコウモリが生息していますが、その中の13種類が絶滅の危機にさらされています。

「こうもりの保護を考える会」の向山満さんの活動を通して人間とコウモリのかかわりを探りました。

取材場所は、白神山地にほど近い西目屋村というダムの建設現場のトンネルが中心で、向山さんとスタッフの方たちとのコウモリ生息調査に同行しました。

蝙蝠という地名の場所に住み、コウモリに囲まれて暮らす向山さんのコウモリの話を聞きながらの楽しい取材から、津軽弁のコウモリが主役の番組を思いつき、タレントの伊奈かっぺいさんにナレーションをお願いしました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad