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2005年3月

2005年3月28日 (月)

天空の調べでお出迎え

北日本放送 報道制作局制作部 佐藤 栄治

今年3月1日のダイヤ改正で富山県高岡市にあるJR高岡駅の出発音が変更になった。従来は無機質なブザーだったのだが、市民からの働きかけを受けて替えたのだ。

その音とは、家庭の仏壇の前に置かれている「お鈴」を組み合わせた楽器「編鐘」というもので奏でられた音楽である。

富山県高岡市は銅器の町として全国シェアの90%以上を誇っている。この高岡で仏具を扱っているメーカーの山口久乗という会社で開発されたのが、この楽器「久乗編鐘」である。

かって古代中国で使われたといわれる「編鐘」を復活させ、独自の工夫を重ねて作り出されたもので、その音色は聞くものの心に静かな余韻とともに心地よく響く。

地場産業は全国的に非常に苦しい社会状況にあるが、発想の転換で従来のものとはまた違う世界を切り開こうと努力を重ね、市民にも理解と協力をし続けた結果がJR発車音の変更につながったのだ。

番組ではこうした取り組みと、美しい調べを奏でる「編鐘」のやさしい調をたっぷりとお伝えします。

2005年3月21日 (月)

走行距離560万3982km

山陰放送 放送制作部 桑本 充悦

鳥取県米子市にあるJR後藤総合車両所を取材。

普段部外者が対いることの出来ない場所にマイクを持って入った。

2005年3月14日 (月)

伝統と新素材が織りなす癒しの音色

ラジオ関西 報道制作部 西口 正史

姫路を代表する伝統工芸品である明珍火箸の風鈴。
その澄んだ音色は、日本のみならず世界から、スティービー・ワンダーら多くの音楽家から賞賛を受けてきた。

その明珍さんが「また新しいことに、チタン合金に挑戦しているらしい」とは昨年から聞いていた。「伝統ある火箸を風鈴に用いれよう」・「チタン合金にもチャレンジしてみよう」、というあくなきバイタリティの源は何か。

周囲の反対、自身の中での葛藤はなかったのか。
質問をストレートにぶつけてみて、返ってきた答えは明瞭だった。

「伝統・伝統言うても、メシ食ってナンボやから」。そう話す明珍さんの眼差しに、商業的なおもねり、卑屈さはない。「どんな時代でも、この腕で食っていけるんだ」という職人の自負・自信に溢れていた。

そういう意味では、造るものは変化しても底辺に流れる技術・心意気は同じなのだろう。

これこそが、バイタリティの源だったのか、と思う。そして、「あぐらをかくことなく変化し続ける伝統」という問題は、明珍火箸や伝統工芸だけが直面している問題ではない。

ついに、ラジオは広告費においてインターネットに抜かれてしまった。果たして、ラジオも変わり続けることは出来るのか?そんな気にさせられた取材であった。

2005年3月 7日 (月)

打刃物職人・伝統工芸の誇り

新潟放送 ラジオ局編成制作部 西山 一樹

大工道具「チョウナ」を作る職人を取材した。

今では神事などで太い柱を削る儀式や、古い建築を修復する時に使われる「チョウナ」をすぐに頭に描ける人は少ないだろう。

平仮名の「し」型の柄の先に平らな刃が付き、振り下ろして木を削る。宮大工が使うぐらいで一般的な需要は少ないが、鍛冶職人、高木順一さんは全国ただ一つとなった工場で「チョウナ」作りを続けている。

高木さんに後継者はいない。「作ろうとおもえば誰でも作れるもの」と謙遜するが、68歳の現在も毎日工場へ入りハンマーをふる。「一生修行だ」と話してくれた高木さんの人柄がでているといいが。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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