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2005年3月14日 (月)

伝統と新素材が織りなす癒しの音色

ラジオ関西 報道制作部 西口 正史

姫路を代表する伝統工芸品である明珍火箸の風鈴。
その澄んだ音色は、日本のみならず世界から、スティービー・ワンダーら多くの音楽家から賞賛を受けてきた。

その明珍さんが「また新しいことに、チタン合金に挑戦しているらしい」とは昨年から聞いていた。「伝統ある火箸を風鈴に用いれよう」・「チタン合金にもチャレンジしてみよう」、というあくなきバイタリティの源は何か。

周囲の反対、自身の中での葛藤はなかったのか。
質問をストレートにぶつけてみて、返ってきた答えは明瞭だった。

「伝統・伝統言うても、メシ食ってナンボやから」。そう話す明珍さんの眼差しに、商業的なおもねり、卑屈さはない。「どんな時代でも、この腕で食っていけるんだ」という職人の自負・自信に溢れていた。

そういう意味では、造るものは変化しても底辺に流れる技術・心意気は同じなのだろう。

これこそが、バイタリティの源だったのか、と思う。そして、「あぐらをかくことなく変化し続ける伝統」という問題は、明珍火箸や伝統工芸だけが直面している問題ではない。

ついに、ラジオは広告費においてインターネットに抜かれてしまった。果たして、ラジオも変わり続けることは出来るのか?そんな気にさせられた取材であった。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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