« 走行距離560万3982km | メイン | 大洲・音の散歩道 »

2005年3月28日 (月)

天空の調べでお出迎え

北日本放送 報道制作局制作部 佐藤 栄治

今年3月1日のダイヤ改正で富山県高岡市にあるJR高岡駅の出発音が変更になった。従来は無機質なブザーだったのだが、市民からの働きかけを受けて替えたのだ。

その音とは、家庭の仏壇の前に置かれている「お鈴」を組み合わせた楽器「編鐘」というもので奏でられた音楽である。

富山県高岡市は銅器の町として全国シェアの90%以上を誇っている。この高岡で仏具を扱っているメーカーの山口久乗という会社で開発されたのが、この楽器「久乗編鐘」である。

かって古代中国で使われたといわれる「編鐘」を復活させ、独自の工夫を重ねて作り出されたもので、その音色は聞くものの心に静かな余韻とともに心地よく響く。

地場産業は全国的に非常に苦しい社会状況にあるが、発想の転換で従来のものとはまた違う世界を切り開こうと努力を重ね、市民にも理解と協力をし続けた結果がJR発車音の変更につながったのだ。

番組ではこうした取り組みと、美しい調べを奏でる「編鐘」のやさしい調をたっぷりとお伝えします。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad