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2004年4月

2004年4月26日 (月)

耳をすませば、おらほの言葉

東北放送 ラジオ局 制作部 伊香 由美子

TBCラジオの名物コーナー「残しておきたい おらほの言葉」宛てに、一通のメールが届きました。「『ほーっ』もおらほの言葉ですよね。」これを紹介したところ、その響きの懐かしさに反響が続々とよせられました。

「おらほの言葉」とは方言のこと。「ほーっ」は、遠くにいる人に呼びかける時、宮城県各地で昔から使われている言葉なんだとか。

しかも、その一言で、農作業中の休憩を告げたり、山菜採りの山中で互いの居場所を知らせたり、庭で畑仕事をする隣人をお茶飲みに誘ったり、一音がその時々で様々な役割を果たします。

まさに万能のおらほの言葉! また、直接大声で名前を呼んだり用事を告げたりすることをはばかる東北ならではの、奥ゆかしさを含んだなんとも懐かしくいとおしい言葉ではありませんか。

東北に遅い春が到来し、田んぼや畑、庭先に人々の姿が現れるころ、この「ほーっ」が聞こえてきます。「ほーっ」の周りに人々の、ほっとする時間を切り取ってみました。

2004年4月19日 (月)

響け酒蔵に 能登杜氏の心意気

北陸放送 ラジオ制作部 小林 万希子

新しい社会のシステムができる一方で埋もれてゆく古きよき時代の文化。石川県にも近代化とともに埋もれていった労働歌がありました。能登の杜氏が歌っていた酒屋歌です。

早朝の作業の眠気覚ましに、季節に合わせて顔をあわす労働者たちの気持ちを合わせるために、時計代わりに、歌われたそうです。

いまでは知っている人はいるものの実際の作業では歌われていないそうです。しかし、その一方で、郷土の文化を守ろうとがんばっている人たちもいました。

「ちょんかり保存会」という地元の民謡を歌い継いでいる会です。特に今年は能登杜氏の酒の品評会が100回を数えるということで、記念行事で「酒屋歌」を披露します。

メンバーは杜氏ではないですが、酒が死ぬほど好きという人たちばかりです。

違った形ではありますが、今のところ能登流の酒屋歌の歌声は消えることはないようです。

2004年4月12日 (月)

神様の里に春がきた~おた福ちんどん屋 活動開始

宮崎放送 ラジオ局 湯浅和憲 島埜内 諭

「天孫降臨」の高千穂に五人ババアの神様が舞い降りた…。」 張りのある口上で、にぎやかな ちんどん屋の演技が始まります。宮崎県高千穂町の「神のおた福ちんどん屋」は平均年齢75歳。

リーダーの戸髙タズさんをはじめ地元の仲良しメンバーで結成され、今年で6年目を迎えます。結成のきっかけは地区の余興でした。

出し物を何にしようかと考えたところ、腰の曲がった格好悪さを隠すため変装を思い立ち、ちんどん屋のまねごとをしたのが評判となりました。

以来、祭りや慰問などの出演依頼が相次ぎ、メンバーもみるみる腕を上げて、素人ながら全日本チンドンコンクールで優秀賞に輝くまでになりました。

寒い冬は活動も休みですが、すぐに勘を取り戻します。3月に入って早速、地元の老人ホームを慰問。派手な化粧に手作り道具で練り歩くと拍手喝さいを浴びました。

元気いっぱいの演技が、自分たちよりも年下の“お年寄り”たちに元気を分け与えているようでした。「神のおた福ちんどん屋」は現在 公演140回、ことし公演200回をめざして元気いっぱいです。

2004年4月 5日 (月)

サヌカイトに魅せられて

西日本放送 ラジオ放送部 片岡 三佐子

香川県には「カンカン石」と呼ばれている音の出る石、「サヌカイト」があります。最近では楽器としても注目され、その美しい音色に魅せられた、多くの音楽家がこの楽器を使って演奏活動を行っています。

しかし、サヌカイトから美しい音を取り出すには、大変なご苦労があります。その苦労をしても、石に魅せられ石と暮らす人がいます。そのお一人、宮脇馨子さんを取材しました。

お宅には何百という石がありましたが、どの石も手放したくないというほど石への思いは強いものがありました。サヌカイトの美しい音色とともに、宮脇さんの思いを感じていただければと思います。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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