一本に込める思い ~東北でたった一人の竹刀職人~
2024年8月19日~8月25日
東北放送 ラジオ局アナウンス部 玉置佑規
【番組概要】
子どもからお年寄りまで幅広い世代に愛される剣道。そんな剣道に欠かせない「竹刀」を手作りする職人は全国に十数人しかいません。東北ではたった1人の竹刀職人である加藤明彦さん(仙台市)にお話をうかがいました。使い手の気持ちに寄り添い、一本一本丁寧に作られる竹刀の魅力や加藤さんの思いに迫りました。
【制作意図】
制作した私自身、小学生から剣道を続け、剣道歴20年以上になるものの「手作り竹刀」は耳にしたことがありませんでした。というのも、武道具店などで流通している竹刀のほとんどは機械で量産する外国産で、竹刀職人の存在自体も知らなかったからです。しかし今回、職人である加藤さんに出会い、「ケガをする心配の少ない安全な竹刀」を目指して作るその姿、思いに感銘を受けました。過去には、稽古中に剣道の竹刀が割れて目に入るなどしてケガをしたり、死亡したりする事例もあると言われています。加藤さんの竹刀作りのこだわり、そして工房に響く心地よい竹を削る音を多くの人に聞いていただきたいです。
【制作後記】
加藤明彦さんには、全国各地から多数の注文が入る竹刀作りの合間を縫って、音声の収録にご協力いただきました。私も取材後、竹刀を1本作っていただきましたが、これまで使用してきた竹刀と比較すると、打突時の手ブレが少なく、何より丈夫だと感じました。加藤さんが込めた思いを感じながら大切に使っていきたいです。この番組を通じ、竹刀職人の存在、「安全な竹刀」をより多くの方々に知っていただき、剣道界発展の一助となれば幸いです。
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