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2022年4月

2022年4月26日 (火)

守り受け継ぐ~SLやまぐち号

2022年4月25日~2022年5月1日放送 
山口放送 ラジオ制作部 奥田貴弘


【番組概要】
SLやまぐち号は今年で復活から43年。現在は修理中のC57型「貴婦人」に代わり、デゴイチの愛称で親しまれるD51型が力強い走りを見せています。力強い走りで鉄道ファンを魅了するSLの音と、製造から80年以上経過した車体を安全に、かつ正確に運行させるために奮闘する機関士、整備士の姿をお伝えします。

【制作意図】
山口線を走るSLやまぐち号は、60代以上は現役時代を懐かしむ人から、幼い子供まで世代を超えて多くの鉄道ファンを引き付ける鉄道遺産です。本物のSLを前にすると、蒸気の熱気や音、石炭の匂い、まるで大きな生き物のような迫力を感じます。SLの躍動感のある走行音や谷あいに響く汽笛の音、SLを安全に運行させるための保守管理の現場の音にあわせて、SLを愛する人たちの思いを伝えたいと制作しました。

【制作後記】
山口を代表する音といえばSLの汽笛の音。幾度となく紹介されているSLやまぐち号ですが、今回は新山口駅にある下関総合車両所・新山口支所のご協力で、普段は立ち入ることのできない整備の現場に立ち会うことができました。ベテランが若手を指導する現場は、厳しくもありながら、技術を確かに伝えようとする熱意を感じました。私自身は特に鉄道ファンというわけではありませんが、SLを前にするとなぜかワクワクして自然に笑顔になります。お聞きの皆さまのぜひ一度SLやまぐち号にご乗車ください!

走りだせ!オートバイ神社から生誕の地への想い

2022年4月18日~2022年4月24日放送 
静岡放送 ラジオ局オーディオコンテンツセンター 岡本澪奈

【番組概要】
静岡県浜松市は、オートバイ生誕の地。1946年にホンダの創始者・本田宗一郎が、陸軍で使用していた無線用小型エンジンを改良し自転車に取り付け試走したのが、浜松のオートバイ製造の始まりです(浜松ではこれを"ポンポン"と呼んでいます)。国内4大メーカーのうち3社(ホンダ・ヤマハ・スズキ)のルーツが浜松市にあります。そのオートバイ生誕の地を盛り上げようとしているのが「大歳神社」。神主の石津さんは大型バイクを3台所有する大のバイク好きです。ここのお守りを目当てにSNSを通じて神社を知った全国のライダーが訪れています。元々は地域の方の参拝も少なかったこの神社。石津さんはなぜオートバイの受け入れを始めたのか。そしてライダーはこの大歳神社に対して、そしてオートバイ生誕の地・浜松に対してどのように感じているのか。いろいろなバイクの音とともに、オートバイ神社の様子をお届けします。

【制作意図】
小さいころから身近にあったオートバイを取材したい!とすぐ思いました。両親がホンダの浜松工場で二輪の生産に携わっており、小さいころよく1300ccの大型バイクを所有している父親の後ろによく乗せてもらっていたのです。あの時の爽快感、すぐ隣に大きな車が走っている躍動感など・・・忘れられない瞬間ばかりです。そして、令和になってからできたオートバイ神社が実家の近くにあると知り、取材させていただきました。県内外多くのライダーさんを取材させていただいた中で、市外の方は浜松市がオートバイ生誕の地ということを知らない方が多かったです。しかし、この大歳神社をSNSで知って来たことで、交通安全を意識し、浜松がオートバイ生誕の地だと知り、その思いを乗せながら走り出す姿がありました。ライダーさんの思い、そしてそれを受け入れる石津さんの思いを感じていただきたいです。また、いろいろなメーカー、大きさ、ピストンの数などの違いで、エンジン音や操作音が全く違うことにも面白みを感じたので、そんなところにも注目しながら聴いていただきたいです。

【制作後記】
神主の石津さんが所有する大型バイクの後ろに乗せていただいてバイク音を録音しました。その時に、普通のセーターにジーンズという服装だったのですが、その上にさらにプロテクター(急停止した時に身を守るもの)がついているジャケットや膝あてなど、乗るまでに身に着けるものが多かったのが印象的です。「服装、それを身に着けた位置ひとつとっても、自分にしっくりくるまで調整を怠らない。オートバイはめんどくさいところも多いけど、それ以上に乗っている時の楽しさが上回る!かっこいい!」とおっしゃっていた石津さん。優しいお人柄の奥に、オートバイへの熱い思いを感じました。

おばあちゃんの肉玉そば

2022年4月11日~2022年4月17日放送 
中国放送 RCCフロンティア 馬越 弘明

【番組概要】
広島市民のソウルフード「お好み焼き」。
57年前からお好み焼き店を営む梶山敏子さん(80)は、スタンダードなお好み焼き・肉玉そばを500円で提供しています。有名店では1000円近くするお店もある中で、それは広島市民でも驚きの価格。
敏子さんは、35年以上その値段を守り続けています。しかし、原材料費の高騰が襲いました。それでも値上げをしたくないという敏子さん。なぜ敏子さんは500円の値段を守り続けるのか?
そして、「値上げをするくらいならお店をやめようかな…」そんな敏子さんの一言を聞いた常連さんがとった行動とは?8人が入ればいっぱいになる、小さなお店の物語です。

【制作意図】
「この時代、500円で肉玉そばが食べられるお店があるの!?」
そんな驚きが、取材をスタートさせるキッカケでした。取材をしてみると、店主がその値段にこだわる理由には、広島とは切っても切れない背景がありました。そして、そんな店主の思いを共有した常連さんの行動力がありました。戦後を生き抜いた、1人の広島市民の思いをお伝えできればと思い、制作しました。

【制作後記】
広島には本当にたくさんのお好み焼き店があります。「麺がパリパリ」「キャベツが太め」「卵がトロトロ」など、それぞれのお店に特徴があります。そんな中、小さなお好み焼き店で提供される500円のお好み焼きに、こんな物語があったなんて…。原爆の被害にあった広島では、1人1人の人生に壮絶なドラマが詰まっている。改めてそんなことを感じました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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