« 2017年3月 | メイン | 2017年5月 »

2017年4月

2017年4月17日 (月)

山里に子どもが増えた!大川にいらっしゃい!

2017年4月24日~2017年4月30日放送 
静岡放送 ラジオ局編成制作部 山本真弘


【番組概要】
過疎が進み、限界集落となっている静岡市の山間部・大川地区だが、子どもの数は増加傾向。地区の小学校では転入によりクラスも教員も増えることに。そこには、地域全体で子育て世帯の移住を支援しようという取り組みがありました。番組では、大川地区に暮らす子どもや教員、地域の方々の声を地域の音とともに切り取った。

【制作意図】
地域ならではの自然や風習が過疎によって廃れていくなか、積極的に移住者を受け入れ地域を存続させようと動き始めた大川地区。地域の人たちはどんな想いを持っているのか、またそこに移住した人はどんなことを考えているのか。繋げたいと願う自然・暮らし・風習を表現することを試みた。

【制作後記】
限界集落に子どもが増えているという新聞記事を見て、取材を始めた。静岡市大川地区は藁科川の上流、市街地からは車で1時間の山間地。本山茶というお茶の産地でもあるが、農林業の衰退で過疎が進んでいる。しかし、地域住民たちは子育て世帯の移住を受け入れていくことで地域を存続させようと頑張っている。地区に120軒を超える空き家を活かそうと家主と移住希望者のマッチングを図ったり、地域の繋がりを保とうと地道な努力を続けている。田舎暮らしというと牧歌的なイメージもあったが、実際は地域で協力してやっていかなければならないことが多いこともわかった。番組制作に当たって、当初は移住支援活動を中心に据えようと考えていたが、予定されていた取り組みが中止になるなど変更を余儀なくされた。大川小学校の放課後児童クラブも取材したが、地域のおじいさん・おばあさんがいきいきと子どもたちと会話し、遊んでいた。そうした地域ぐるみの子育てや支援の風景や大川の茶畑の景色など、音で表現できれば良かったのですが。。。


人生を変える小さな木箱~職人はバイオリン病~

2017年4月17日~2017年4月23日放送 
中国放送 RCCフロンティア 制作部ラジオグループ 宮崎夏音


【番組概要】
広島県南部に位置する街、三原市。穏やかな瀬戸内の海を臨む駅のすぐそばに、築およそ100年の古民家を改装した工房があります。三原市と言えば、頭にハチマキを巻いた伝統工芸品の「三原だるま」が有名ですが、この工房でつくられているのは、だるま・・・ではなく楽器です!バイオリン職人の三原博志さん。もともとサラリーマンだった三原さんは、バイオリンの姿・形に惚れ、職人になる事を決意します。バイオリンに魅せられた一人の男性の姿を製作現場の様子とともにお届けします。

【制作意図】
35歳で会社を辞め、バイオリン職人へ転身した男性が広島県三原市にいると知り、ぜひとも話を聞いてみたいと今回の企画に至りました。脱サラをしてまで職人になった理由とは?バイオリンの製作現場とは?聞きたいこと知りたいこと満載で取材に臨みました。一見、寡黙な三原さんから溢れ出すバイオリンへの熱い想いをお伝えできれば幸いです。

【制作後記】
バイオリン製作はひたすら木を削る・・・何とも気が遠くなりそうな光景でした。そんな地道で力のいる作業を黙々と続ける三原さん。なぜ仕事を辞めてまで職人を目指したのか不思議でたまりませんでしたが、三原さんの「バイオリン病」という言葉で謎が全て解けた気がします。好きだから知りたい、追求したい…恋の病にも似た病気は永久に治ることがなく、また職人としての原動力になっているのだと思いました。もしかすると…ラジオの仕事も「ラジオ病」によって成り立っているのかもしれません。

 

2017年4月10日 (月)

まわれ!光の冬牡丹 ~花火職人の挑戦~

2017年4月10日~2017年4月16日放送 
秋田放送 ラジオ制作部 渡邉洋祐


【番組概要】
夏の花火大会が全国的にも知られている秋田県大仙市大曲。この街では、冬にも、若手花火師たちが自慢の技を競い合う「新作花火コレクション」という大会が行われています。地元の花火業者・響屋大曲煙火の6代目 齋藤健太郎さんは、観覧車から発想を得た、花火の中で光がぐるりと回る作品でこの大会に挑戦します。地元のライバルたちと切磋琢磨しながら、花火の可能性を追求する齋藤さんの想いと、冬空に響く花火の音をお聞きください。

【制作意図】
夏のイメージが強い花火ですが、冬の花火は空気中の塵が少なく澄んでいるために色合いがはっきりと見えます。そんな環境の中行われる「新作花火コレクション」は若手花火作家たちの登竜門とも言われています。花火の歴史を受け継ぎながら、新しい技術に挑戦する若手花火職人の創意工夫と、冬花火の魅力が伝わればと思い企画しました。

【制作後記】
花火の製作現場を取材して、ひとつひとつの細かい作業の積み重ねがあの美しい花火を生み出しているのだと知りました。あれだけの時間をかけても花火が夜空に咲くのはほんの一瞬で、それでも「お客さんが驚く顔を見ると、やっぱりやってよかったって思える」という齋藤さんの言葉が印象的でした。また、花火の構造を知ったことで、花火の見方が少しだけ変わりました。

人々に日常を!熊本・老舗映画館物語

2017年4月3日~2017年4月9日放送 
熊本放送 ラジオ制作部付 宮川理佳

【番組概要】
熊本市中心部のアーケード街にある映画館「Denkikan」。明治44年創業から約105年間、熊本に映画文化を発信してきました。近年、郊外の複合型映画施設の勢いに押され、歴史ある映画館が閉館となる中独自の視点で選んだ作品を上映し、多くの映画ファンに親しまれています。長年、熊本の映画ファンに愛される理由とは何なのか?熊本地震をきっかけに見えた「Denkikan」の魅力に迫りました。

【制作意図】
去年4月、熊本は2度にわたる大きな揺れを経験しました。熊本地震により多くの映画館が被災。今でも開館できない映画館もあります。しかし地震の3週間後、一番に上映を再開したのが老舗映画館「Denkikan」でした。その頃は余震が続き、ライフラインが完全に復旧していない地域もある時期です。「娯楽どころではない」と言われるような時期でも、「人々に日常を感じて欲しい」と、再開に向け決断した老舗映画館の思いを届けたいと思いました。

【制作後記】
再開の日に、お祝いとして花を持ってくるお客さんがいらっしゃいました。地震直後の話を映画館スタッフと話、再会を喜ぶ姿を見て、いかにこの映画館が人々の日常にあり、スタッフとお客さんの距離が近いのか感じることができました。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad