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2008年4月

2008年4月28日 (月)

三国祭~ほら祭囃子が聞こえる~

福井放送 ラジオセンター 越桐 清司

古くからの街並みに春が訪れると、祭ばやしが聞えてきます。
5月の19日から始まる三国祭りは今から約250年前、江戸時代から伝わったとされています。この祭りは、北前船の交易で港が栄えるとともに豪華になっていきました。

6メートルを越える武者人形山車が出て町の人達が曳きながら細い路地を練り歩きます。その山車に乗るのが三味線・笛・太鼓の囃子方。大人の演奏する三味線と笛に合わせて太鼓を叩くのは、小学校の子供たち。

手ほどきをするのは町内にお住まいの村田ひとみさんです。
村田さんは祖母の代からお囃子を教え込まれました。山車を出す係り、「山車番」は、町内の各区が持ち回りで行っているため、一つの区がまわって来るのは、数年に一度です。

子供たちが山車に乗って太鼓を叩く機会も一生に一度。練習にも熱が入ります。山車の武者人形を作っているのが人形師の岩堀薫さんです。竹を編むことから始まる人形作りは、その細部にいたるまで手作業で進められます。

祭りでは、山車とお囃子と町の人が1つになります。

2008年4月21日 (月)

ワイナリーの新たな旅立ち

信越放送 ラジオ局編成制作部 宮下 ひかり

地球温暖化の影響から国内のワインの産地が次第に北上する中、長野県ではワインの生産が盛んになりつつあります。

長野県原産地呼称制度も定着し、信州ワインの評価が高まる中で、新たなスタートを切ったワイナリーがあります。もともとは農家が共同で始めたものでしたが、経営難に陥り、昨年民事再生法を申請した安曇野ワインが安曇野ワイナリーとして生まれ変わったのです。

しかも事業を受け継いだのは全く畑の違う、真空ポンプメーカー。これは面白いと考え、取材しました。社長にインタビューをして感じたのは、作るものは真空ポンプととワインで全く異なりますが、「良いものを作るNo1を目指す」という信念に何ら違いはないということ。

また、ワインつくりに携わる方々の熱意を感じ、このワイナリーの将来が非常に楽しみになりました。あえて、企業名は出さずに制作しましたが、これを聞いた人が長野のワインに少しでも興味を持ってくれたらうれしく思います。

2008年4月14日 (月)

雄勝硯~伝統を受け継いで600年~

東北放送 ラジオ局編成制作部 佐々木 雄祐

宮城県石巻市雄勝町は硯の生産量日本一!
年間およそ130万枚生産しています。国内ではこの地域でしか採れないという「玄昌石」を使って作る「雄勝硯」には、600年もの歴史があります。

硬い石を美しく彫りあげるのには熟練の技が必要とされます。その技は職人たちによって世紀をまたいで代々受け継がれてきました。

素材も技術も品質も優れている雄勝硯ですが、近ごろは安価な中国製の硯に押され、需要は減っています。また、授業時間数減少などのため、日本の小中学生が書道に触れる機会が減っているとも言われます。

パソコンが普及し、“自分の手で字を書く”ことが少なくなっている今、あらためて墨をすり、書をしたためるという日本の伝統文化について見直してほしいと雄勝の人々は願っています。

2008年4月 7日 (月)

竹の箸に願いを込めて~加賀・竹割り祭~

北陸放送 制作部 川瀬 裕子

毎年2月10日に、加賀市大聖寺にある菅生石部神社では「御願(ごんがん)神事」=通称、竹割り祭が行われます。

約1300年前に天武天皇の勅願で国家安寧と万民救済を祈願して始まったとされ、県の無形民俗文化財に指定されています。

伝承によると大蛇を退治するために、この神事が生まれたと云われ、白装束の若衆たちが青竹を石畳にたたきつけ、青竹を割りつくし、大蛇にみたてた大縄を拝殿から引き出し、川へと投げ込みます。

地元の人は、割られた青竹を大事に持ち帰り、玄関に飾ったり、箸を作り無病息災を願います。箸を作ることで、新たに一年を迎える人々の様子をお伝えします。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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