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2025年12月

2025年12月24日 (水)

畑の真ん中で実らせる!ミュージシャンと農家の男の挑戦

2026年1月19日~2026年1月25日
信越放送 ラジオ局編成制作部 大塚拓人

【番組概要】
長野県の北東部、地元では北信濃と呼ばれるエリアに、山々に囲まれた自然豊かな「高山村」があります。長野県内でも有数のリンゴの産地です。この地で約40年続くリンゴ農園の従業員である男性は、農家である一方、音楽バンドのドラマーとしても活躍しています。そんなミュージシャンと農家の二刀流の男性が、収穫期真っ只中のリンゴ畑で音楽フェスを開催しました。
世界で唯一?真っ赤に染まるリンゴ畑に作られたステージにかける特別な思いに迫ります。

【制作意図】
「長野県ってあまり音楽フェスが開催されないな」と思っていたところ、リンゴ畑で音楽フェスがあるらしい・・・とSNSで知りました。
どんな景色なのか、畑でフェスを開催する意図、そして何を伝えたいのか、イベントを手掛けた男性の思いを“音楽”と集まった人たちの“声”から伝えたいと制作しました。

【制作後記】
リンゴ畑は長野県に暮らしていればどこにでもある日常の風景です。
しかし、畑の中に本格的なステージや、フェス限定のご飯=フェス飯が組み合わされば非日常の空間が出来ます。そこにはミュージシャンと農家の二刀流の男性が込めた思いが詰まっていました。
また、都会で暮らす人たちにとってみれば、リンゴ畑自体が珍しく、非日常の感覚はより強く感じられたことでしょう。
他では体験できない魅力を作り出す男性は、この音楽フェスをさらにブラッシュアップしたいと話します。私たちを驚かせるような仕掛けも生まれるのか!?今後の展開に注目していきたいと思います。

待つ、食堂

2026年1月12日~2026年1月18日
東北放送 ラジオ制作部 三好泰平

【番組概要】
仙台駅から徒歩15分程のところにある大町はマンションやオフィスが立ち並んでいる。そんな街の中に、少し不思議な佇まいと見るからに歴史を感じる食堂があった。大きな看板には「めし 三好食堂」と書かれている。お店を切り盛りする大沼はるゑさん。何度も店の前を通ることはあったが、入口の片側に積まれた植物や店の前においてあるヤカン、営業中を知らせる手書きの紙。中に入るのは少し勇気がいる。入ってみるとあたたかく出迎えてくれる食堂だった。

【制作意図】
立地と店とのギャップに興味を持ち取材をはじめた。ネットでは料理や店の写真を見ることはできるが、実際の雰囲気や店主の人柄、思いなどをちょっとした音で伝わるよう意識した。街の流行や時間の流れに左右されながら、長年同じ場所で商売をするというのはそう簡単なことではない。取材を進めるうちに、料理というのはレシピとして後世に受け継いでゆくことはできるが、やはりその人にしか出せない味があるのだと思い、昔からこの場所で愛されてきたこの食堂を何らかの形で残そうと取り組んだ。

【制作後記】
録りたかった音が全て録れたわけではなかったが、調理の音や買い出しの風景など普段の営業にかかわる音を快く録音させてもらった。あと何年この味を食べることができるのか、縁起でもないが取材をしながらそんなことが頭をよぎってしまった。料理の音はあまり派手さはなかったものの、じりじりと食欲をそそる感じが出ました。買い出しの様子、お客さんを待つ様子料理を用意する様子を見て大沼さんのお客さんに対する愛情を感じた。

正調関乃五本松節

2026年1月5日~2026年1月11日
山陰放送 コンテンツビジネス局コンテンツ制作部 桑本充悦

【番組概要】
島根県松江市美保関町に伝わる民謡「正調関乃五本松節」。今回の舞台は、年1回の全国優勝大会。どんな民謡なのか、そして、歌い継ぐ参加者の思いは。

【制作意図】
まずは、伝統の民謡「正調関乃五本松節」がどういう民謡のなのか、全国の方々に知っていただきたく。

【制作後記」
制作意図のもと、「正調関乃五本松節」そのものを感じ取っていただけたらとシンプルな構成としました。

盲目のボランティア 歌という希望の光

2025年12月29日~2026年1月4日
宮崎放送 ラジオ部 黒木優花

【番組概要】
宮崎県都城市にお住まいの小玉正紹さん。現在87歳。高齢者施設を回り、歌のボランティア活動を続けています。68歳のときに視力を失いましたが、そこで出会ったのが「歌」でした。今では自ら作詞作曲も手がけています。小玉さんにとって歌とは何なのか、そしてボランティア活動に込める思いをお聞きしました。また小玉さんは、満州での戦争体験者でもあります。終戦直後、弟と妹を栄養失調で亡くしました。その時の体験を歌にし、後世に語り、歌い継いでいます。

【制作意図】
戦後80年という節目の年に、小玉正紹さんの歌と向き合えたことには大きな意味があると感じました。視力を失いながらも、歌と出会い、人生を前向きに歩み続ける小玉さん。その背景には、満州での戦争体験や、終戦直後に弟と妹を亡くした深い悲しみがあります。
小玉さんは、その記憶を決して過去のものとして閉じ込めるのではなく、歌に託し、人から人へと手渡すように歌い続けています。高齢者施設で響く歌声は、慰めであり、証言であり、未来へのメッセージでもありました。戦争を直接知る世代が少なくなる今、この番組が、記憶を語り継ぐことの大切さや、平和について考えるきっかけになればと願っています。

【制作後記】
取材を通して強く感じたのは、小玉正紹さんにとって「歌」は表現手段であると同時に、生きる支えそのものだということでした。視力を失い、想像を絶する戦争体験を抱えながらも、そのすべてを歌に込め、誰かのために歌い続ける姿は力強いものでした。
高齢者施設で歌うとき、小玉さんは決して特別なことをしようとしません。ただ、目の前の人に寄り添い、心を込めて歌う。その歌声が、聴く人の記憶を呼び起こし、心を温めているように感じました。
この番組が、歌の持つ力や、語り継ぐことの大切さを改めて考えるきっかけになれば幸いです。

2025年12月16日 (火)

地域で育てる、地域を育てる 四万十ターキー物語

2025年12月22日~2025年12月28日
高知放送 ラジオ編成制作部 手島伸樹

【番組概要】
中土佐町大野見地区。平成の大合併以前は大野見村、森林率およそ97%の山間の地。この地では60年以上前から七面鳥生産が行われていた。自分たちで食すためから、やがて飼育して卸す、産業として盛んになっていた。しかし、高齢化、人口減もあり大野見の七面鳥生産が岐路を迎えそうな時に、一人の青年が現れた。松下昇平さん、大阪出身でトライアスロンで訪ねた事のある中土佐町で七面鳥に出会い、味に惚れ、地域に移り住み、大野見の七面鳥を「四万十ターキー」として売り出していくことに。

【制作意図】
日本で七面鳥を主に生産しているのは石川県、北海道と高知県西土佐町大野見のわずか3ヶ所。しかも60年以上前から生産されていることは県内でもあまり知られていなかった。そこに現れた一人の青年によって、四万十ターキーの名で、認知度を高めている。清流四万十川が流れる、山間の地。人口減と高齢化という問題を抱えつつ、七面鳥を通して、地域がこれからどう変わっていくのか?地域で育てた七面鳥が、地域をどう育てるか?現状を伝えていこうと制作しました。

【制作後記】
今回の取材では、イベント会場での松下さんの奮闘ぶりと、大野見で地域の方々にお会いできた。イベント会場では既に多くの松下ファン、七面鳥ファンがおり、地元では85歳になる初めて大野見で七面鳥飼育をされた方にも話を聞く事が出来た。そこで感じたのは、松下昇平という一人の青年のバイタリティーが、何か大きなものを動かし始めるのでは?という期待感でした。日本全国、特に地方、なかでも山間部などは高齢化、人口減が喫緊の課題である。課題解決の糸口になるのは、やはりマンパワーであることを感じました。


日本一の温もり纏う 五泉ニットの工場へ

2025年12月15日~2025年12月21日
新潟放送 オーディオコンテンツセンター 齊藤希

【番組概要】
婦人セーターの生産額が日本一であり、品質も日本トップクラスのニットの生産地新潟県五泉市。
寒さが堪え、凍える身体を温めてくれるアイテム「ニット」が、どのように作られているのか。また、生産額日本一や品質トップクラスであるその理由とは。11月中旬に五泉市内で開催されたイベント「GOSEN KNIT FES」の会場の1つである株式会社サイフクに伺い、その品質に迫る。

【制作意図】
新潟県の冬の風物詩というと、鮭の塩引き(村上市)、白鳥の来訪(阿賀野市)、雪まつり(十日町市)、かんずりの雪さらし(妙高市) など色々あるが、私たちの生活を支える、寄り添うもので言うと冬のアイテム「ニット」がある。近年は「五泉ニット」とブランド化をすすめているが、知名度はまだ低い。品質が高い、新潟:五泉市の「五泉ニット」が全国に広まればと、また、五泉の産業が県内の人々にも再発見してもらえればという想いで制作に臨んだ。

【制作後記】
制作を担当した齊藤の地元でもある五泉市。
ブランド化がすすめられてから「五泉ニットっていいよね」と言われることが増えたがその反面、五泉ニットについて詳しくなかった。品質の高い「ニット製品」がどのように作られているか、
また、どのように保たれているかを今回の取材を通して知ることができた。定期的に開催されている「GOSEN KNIT FES」。「これだけ丁寧な手作業があっての品質の高さ、値段があると納得した」と
訪れた来場者が共通して感想を言っていたのがとても印象的であり、地元の産業としてとても誇らしく思えた。株式会社サイフクの斉藤常務が仰っていたことでもあるが、愛媛県今治市の「今治タオル」や福井県鯖江市の「メガネ」のように新潟県五泉市の「五泉ニット」とアイテムと産地が共通して知られるような知名度になっていってほしいなと感じた。

硬くて優しくて懐かしいさぬきの味

2025年12月8日~2025年12月14日
西日本放送 フリー 白井美由紀


【番組概要】
創業明治10年の老舗のお菓子メーカー宗家くつわ堂の瓦せんべいは、とにかく硬い!でも噛むほどにやさしい甘さが口の中に広がります。ポリパリと噛み進めるのがだんだん楽しくなる・・・地元の人はみんな食べたことのある、なじみのあるお菓子です。その工場で、150年変わらず大切に味を受け継ぐ人の想いをお聞きしました。

【制作意図】
地元の人ならみんなおなじみの瓦せんべい、私も口の中で聞こえるあの噛むときの音が忘れられません。自分の耳の中(口の中)で聞こえる音、工場で手作業で丁寧に作られる音、150年たっても手作業で作り続けられるこの音を、伝えたいという思いで制作しました。

【制作後記】
全国的に「瓦せんべい」といえば、兵庫県のものと、香川県のものが有名だそうです。ただ、他県のものと圧倒的に違うのは、「めちゃ硬い」ということと、白下糖による「甘さ」です。この甘さ、単に甘いだけではなく、何ともいえない優しくて癒される甘さなのです。今では、白下糖を作る業者が減ってしまい、実は近年、くつわ堂が契約していた業者が廃業することになったそうです。なんとか、サトウキビを作っている農家さんが受け継いで、白下糖を手に入れることができるようになったとか・・・(今度白下糖の取材もしたい・・・)「続けていく」ことの難しさと大切さを感じた取材でした。

2025年12月 1日 (月)

時間(とき)を刻む音 ~ 別府ラクテンチケーブル線

025年12月1日~2025年12月7日
大分放送(株)OBSメディア21 那賀ひとみ


【番組概要】
大分県別府市・立石山の中腹に、昭和4年・1929年に開園した九州最古の遊園地「 別府ケーブルラクテンチ 」。開園と同時に、メインゲートと遊園地を一直線に結ぶ 「ケーブルカー」の運行も始まりました。現在では、県内唯一の私鉄「 別府ケーブルラクテンチ線 」で、始発から20分間隔で運行しています。今は遠足や観光で来園したお客さんを運んでいますが、実は、周辺住民の交通手段となっていた時期もありました。
小・中学生の頃に利用していた地元の方、そして「ケーブルカー」現役運転運転手の声とともに、100周年を目指して、今も尚、響き渡る音色をお届けします。

【制作意図】
大分・別府の観光地のひとつ「別府ケーブルラクテンチ」。地元でも遠足などで1度はきっと乗車したことがあるはず「ケーブルカー」は、園内へ行くだけのものではなく、周辺住民の方にとっては交通手段だった時代もあります。今はもう無い『定期券』も存在していたとか。
昨年、創業95周年を迎えた九州最古の遊園地「別府ケーブルラクテンチ」が、住民にも観光客にも愛され続けるために運行し続ける『ケーブルカー』の起動音、変わらない車内のアナウンスをお聞きいただきたいと思い、制作しました。

【制作後記】
場する藤野峰雄さんが、中学卒業後に1度もケーブルカーへ乗っていないことを知り、久しぶりに乗車いただきました。たまたま乗車したケーブルカーの前に、突如現れた野生のニホンザル。私はこれまで「ケーブルカー」には何度か乗車したことはありますが、初めての経験でした。そしてクラクションの存在も初めて知りました。「昨日の晩御飯は思い出せないのに、学生の頃に覚えた車内アナウンスのセリフはスラスラと言えるんよ。」と、藤野さん。
100周年を迎えようとしている遊園地やケーブルカーは、観光客も、地域住民も、多くの人々を運び続けているんだなと感じました。

母牛と山に生きる

2025年11月24日~2025年11月30日
秋田放送 ラジオ放送部 高橋渉

【番組概要】
秋田県にかほ市、鳥海山の麓に広がる「上の山放牧場」で黒毛和牛の繁殖と放牧にひとり挑む若き繫殖農家・渡邊強さん。放牧経産牛の生産に日々奔走するのと同時に、放牧場・森・生態系を守ろうと行動する姿を描きました。

【制作意図】

渡邊さんは春にクラウドファンディングを実施し、上の山放牧場の山小屋の修繕を行い、美しい自然や牛を身近に感じられる空間を作りました。
私がこのことを知ったのはクラウドファンディングの実施後でしたが、これからもたくさんの取り組みを続けていくだろうと感じ、渡邊さんの原動力は何なのか、渡邊さんはどんな人なのかを取材したいと思い、制作に至りました。


【制作後記】
渡邊さんは春にクラウドファンディングを実施し、上の山放牧場の山小屋の修繕を行い、美しい自然や牛を身近に感じられる空間を作りました。
私がこのことを知ったのはクラウドファンディングの実施後でしたが、これからもたくさんの取り組みを続けていくだろうと感じ、渡邊さんの原動力は何なのか、渡邊さんはどんな人なのかを取材したいと思い、制作に至りました。



 

シャッター商店街に活気を・起死回生のドロップキック!

2025年11月17日~2025年11月23日
和歌山放送 報道制作部 寺門秀介

【番組概要】
シャッター商店街化している和歌山市中心部の繁華街”ぶらくり丁”では、まちづくりの会社を立ち上げ、商店街を再生させようとする動きが出はじめ、定期的にイベントも行われ、空き家を活用したレンタルルームも好評だ。古くなったアーケードを撤去して、歩きたくなるまちづくりを計画するなど、
いろんな取り組みに挑戦して活気を取り戻そうとしている。地元産の珍しい野菜の直売や、餅投げに集まる人々。さらには商店街プロレスまでやってくるなど、活気を取り戻しつつある様子を、録音で綴った。

【制作意図】
かつて60を超える店舗がひしめき合ったぶらくり丁も店主の高齢化や郊外ショッピングモールの台頭などで現在では半分程度にまで縮小し、衰退に歯止めがかからない状況だ。
しかし、官民一体となって商店街の賑わいを復活させようとするまちづくり会社や和歌山市の動きに呼応する新しい企業や空き物件をリノベーションして映画館やストリートファッションなど個性的な店舗を起業する若い起業家の姿も見え始め、息を吹き返しつつあるなかで、餅巻きやストリートライブ、キッチンカーによる飲食物販売、さらには、移動式モデルルームの実証実験や商店街プロレスといった
既存の常識を飛び越える催しまでやってくるなど、新しい息吹と賑わいを求める市民の調和を発信することで地方の再興の輪を広げたいという思いを込めた。

【制作後記】
私自身、その”商店街プロレス”のレスラーの一員としてぶらくり丁で試合に出場し、当日は雨天にもかかわらず200人を超える観衆でヒートアップした。リングの設営の段階で、高齢者や親子連れから興味津々に尋ねられ、市民が賑わいに飢えている様子がうかがい知れた。地方鉄道にも似たような特徴が有るが、やはりそこに人が集まるための継続的な仕掛けづくりひとつで、大きなうねりを生み出せると確信した。血流と同じように、人流も止めない。楽しい”何か”を発信し続ける。
やはり人が人を呼ぶ。そのような街の姿を模索するきっかけを得られたと思う。



半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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