私たちが受け継ぐ!~出町子供歌舞伎曳山~
2025年6月9日~2025年6月15日
北日本放送 報道制作局ラジオ制作担当 岩本里奈
【番組概要】
「出町子供歌舞伎曳山」は砺波市出町地区で230年以上続く春祭り。名前の通り子供たちが豪華絢爛な曳山の舞台で歌舞伎を披露し、祭りの2日間は街中に子供の声が響き渡ります。この地区には3基の曳山があり、所有する3つの町が祭りや歌舞伎に関わるすべてのことを1年ずつ持ち回りで担当。ますます少子高齢化が進む中、子供が主役の祭りを未来へ繋げるため、既存の方法ではなく新しい方法を模索しています。懸命に励む子供たちと、すべてを支える大人たちの挑戦を取材しました。
【制作意図】
近年の物価高騰などで運営費がかさみ、文化を繋げていくための1つの手段として、今年初めてクラウドファンディングに挑戦した当番町の東曳山会。本編では触れていませんが結果として目標額を達成し、なかでも県外からの支援が多かったそうです。今回の挑戦を通して、全国の伝統文化を守ろうと同じ境遇の方々と情報交換ができたことも、今後の活動の支えになったと言います。伝統に縛られず、繋げるために変革し挑戦する姿、そして全く歌舞伎に触れたことのない子供たちが、約3ヶ月の練習で歌舞伎の独特な言いまわしや演技を習得し披露する姿を届けたいと思い制作させていただきました。
【制作後記】
県内では名の知れた有名な祭りですが、今回制作するにあたり初めて訪れました。小学生のまだ幼さが残る風貌に、本歌舞伎さながらの化粧や衣装、そして短い練習期間を感じさせない堂々とした演技に驚きを隠せませんでした。運営側との会話の中で、「学習発表会かと思って来たけど本格的で驚いた」と言われることがあると言い、まさにその言葉に尽きます。懸命に演じる子供たちの姿に引き込まれます。この砺波市は、同時期に全国的にも有名な「となみチューリップフェア」もあり、多くの観光客が訪れます。このフェアではステージでの特別公演もありますが、出町地区まで徒歩で移動できる距離なので、ぜひ子供たちが暮らす町で披露する伝統芸能を見てほしいです。
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