WE LOVE 馬コ(うまっこ)~チャグチャグの音響く~
2023年6月5日~2023年6月11日放送
IBC岩手放送 編成部ラジオ放送部 瀬谷佳子
【番組概要】
みちのく・岩手に初夏の訪れを告げる伝統行事「チャグチャグ馬コ」。南部盛岡地域は古くから馬産地として知られ、人と馬がかやぶき屋根の下で共に暮らす「南部曲がり家」で家族の一員として大切に育て、扱ってきた歴史があります。6月第2土曜日に開催される「チャグチャグ馬コ」を前に本番に向け準備を進める関係者の様子を取材しました。かつては100頭近くの馬が装束をまとい鈴の音を響かせながら行進しました。しかし、馬主の高齢化や減少、後継者不足、農耕馬としての活用衰退などが理由で、馬コの参加はおよそ半分に。それでも伝統行事を守りたいと、乗り手や引き手の研修会を開き、未来へつなげようとする人たち。長きにわたり近い関係にある馬への愛情を届けます。
【制作意図】
ゆったりとリズムを刻むひづめの音と「チャグチャグ」と響き合うたくさんの鈴の音を聞けば、夏が近づいてきたと感じる地元の人たちにとっては親しみのある音。一方、近年、パレードに参加する馬が減少の一途をたどる中、この歴史のバトンをつなごうとする南部盛岡チャグチャグ馬コ同好会のメンバー。自宅に隣接した厩舎でまさに「南部曲がり家」を彷彿させる生活で馬を飼い続ける男性がどんな思いで馬と過ごしているのか。思いを取材しました。
【制作後記】
寡黙で近寄りがたい…そんなイメージが馬主の方にありましたが、話してみると馬への愛情にあふれた優しく明るい方々でした。伝統行事を守る重圧も背負いながらそれでも「馬が欠かせない存在」と語る凛としたまなざしに心を打たれました。1頭あたり700個の大小さまざまな鈴が付いた装束をまとい14キロも歩く馬コも、さぞかし大変だろうと思いつつ、ハレの舞台に向け家族総出で鈴を一つ一つ手で磨くというから、それこそ気が遠くなるような準備があるということを皆さんに届けることが出来たら嬉しいです。取材した藤倉さんの馬コはペットで散歩もするのだそうです。
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