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2018年1月

2018年1月29日 (月)

ほんの少しの彩りを~希少伝統工芸・加賀象嵌~

2018年1月22日~2018年1月28日放送 
北陸放送 ラジオ制作部 宮下 潤

【番組概要】
石川県の希少伝統工芸に指定されている加賀象嵌は藩政時代、加賀藩前田家によって、京都から伝えられました。いま全国で象嵌が伝統工芸として根付いているのは、京都の京象嵌、熊本の肥後象嵌、そして石川の加賀象嵌です。京都から伝えられた技術は、加賀の素材や文化が加わり独自のデザインが確立されます。そんな加賀象嵌に魅了された作家・笠松加葉さん。女性ならではの目線と感性でオリジナルの作品づくりに励んでいます。笠松さんが作る加賀象嵌の作品は、鑑賞用ではなく、アクセサリーや食器など、普段使いのもの。「希少なもの」としてではなく、自分の作品によって、ほんの少し豊かな気持ちになって欲しい。そんな気持ちで伝統工芸と向き合っています。

【制作意図】
石川県の中でも、その知名度はまだまだ低い加賀象嵌。今回取材した笠松加葉さんは高校生の頃に象嵌に出会い、それからは迷うことなく象嵌一筋で活動されてきました。 タイトル通り「ほんの少しの彩りを加えたい」という気持ちが笠松さんの作品作りからも伝わってきます。作品を見せることは出来ませんが、人柄と音で、それが少しでも伝わればと思います。

【制作後記】
笠松さんとお話する中で、「不器用だから続けられる」ということをおっしゃっていました。これは先輩作家が笠松さんに対して言ったそうなんですが、不器用だからこそ立ち止まり、悩みながら、作品作りを深めていけるそうです。続けていくことは簡単ではない世界ですが、これからも笠松さんの作品が多くの人の目に留まり、加賀象嵌の魅力が少しでも伝われば、と思います。

2018年1月10日 (水)

やねよりの箸屋

2018年1月15日~2018年1月21日放送 
山口放送 ラジオ制作部 千田 正秀

【番組概要】
山口県東部にある周防大島。ここに「やねより」という屋号を掲げた箸屋があります。そこの主、河合 悦生さん69歳は40年ほど前から竹を使った箸を作り続けています。その箸は孟宗竹を使ったものと希少な煤竹を使ったもので、どちらもしなやかで使いやすく、そして美しい箸です。そんな箸を黙々と作る悦生さんは大の人好き、お酒好き。夕方になると部屋の中央にある囲炉裏に炭を起し、海の幸を肴に晩酌するのが日課。お客さんがいれば一緒に囲炉裏を囲むことを勧めてくれます。そして酔いが回ってくると、箸を作る気持ちを表した自作の「詩」を披露してくれます。そんな愉快な主人がいる「やねよりの箸屋」を「絵に描き」ます。 

【制作意図】
河合 悦生さんが作る箸も魅力的ですが、ご本人の人としての魅力と「やねより」の雰囲気を伝えたいと思いました。職人であり、大酒飲みであり、詩人でもある。一度、その人柄に惹かれるとまた会いに行きたくなる。「やねよりの箸屋」を描くことは悦生さんという「人」を描くことだと考えて制作しました。

【制作後記】
「やねよりの箸屋」へは会社から車で行くしか交通手段がありません。3回、取材にお邪魔し、3回とも晩酌にお付き合いさせてもらいましたが、いずれの取材も運転手だったため、毎回ノンアルコールでお付き合い。絶品のコノワタやサザエの刺身など、酒好きにはたまらない肴の数々をお茶で流し込みながら、次は必ず運転手確保してお邪魔したいと心に強く誓った次第です。            

-60℃の世界~焼津のCold Space Creator

2018年1月8日~2018年1月14日放送 
静岡放送 ラジオ局編成制作部 鈴木保

【番組概要】
日本で有数の冷凍マグロ・冷凍ガツオの水揚げを誇る静岡県焼津市の焼津漁港。私たちが普段、何気なく食べている魚の味、品質の裏側には過酷な環境で作業する人たちがいました。焼津のとある水産加工会社では-60℃の冷蔵庫で働く作業員の方を「Cold space creato」と呼んでいます。「Cold spac eace creator」とはどんな仕事なのか、普段は見られない裏側の仕事を紹介します。

【制作意図】
焼津は魚で有名な街です。漁港やさかなセンターの認知度も高いのですが、この寒い季節に極寒の世界で働く人がいることはなかなか知られていません。私たちが何気なく食べている魚が過酷な作業の上に成り立っていることを伝えたいと思いました。また漁港の雰囲気や冷蔵庫の迫力ある音も体感してもらいたいです。

【制作後記】
今回、はじめて漁港のセリの様子や-60℃の冷蔵庫の中を見させてもらいました。-60℃の世界は、鼻の中やまつ毛まで凍ってしまうなど想像以上の寒さでした。この過酷な環境で毎日何時間も作業されている方たちのおかげで新鮮で美味しい魚が食べられていることを痛感しました。過酷な環境ですが若い「Cold space creator」も増えてきています。大変な仕事であることもそうですが、若手の社員が先輩社員のお、想いを受け継いで頑張っている様子なども伝わればと思います。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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