« 2016年3月 | メイン | 2016年5月 »

2016年4月

2016年4月25日 (月)

自由な空へ

20164月25日~2016年5月1日放送 
山形放送 報道制作局制作部 新野陽祐
 
【番組概要】
主人公は山形県南陽市の加藤健一さん(35)。加藤さんは全身の筋肉がしだいに衰えていく難病「筋ジストロフィー」に冒され、車いす生活を送っています。病気のため「ひきこもりがちになった」という加藤さんは2年前、障がい者支援の市民団体を立ち上げました。現在の目標は車いすに座ったままパラグライダーに乗り大空を飛ぶことー。そして飛行距離の日本記録を樹立することです。バリアフリーな社会の実現を自由な空に重ねる加藤さんの挑戦を追いました。

【制作意図】
パラグライダーの離陸場・南陽スカイパークは空のキャンバスに色とりどりの機体が舞い、地元の風物詩となっています。この場所で加藤さんは人生を楽しむことをテーマに、バリアフリー社会の実現を体現していました。ハンデがあっても前向きに生きる1人の男性の姿を通して、障がい者への理解を深めてほしいと感じています。

【制作後記】
加藤さんはこれまでに、車いすパラグライダーに2度挑戦。いずれも飛行距離が伸びず、日本記録の樹立には至っていません。現在もチャンスを伺い飛び続けていて、その都度取材を続けています。また、この活動のほかにも旅館などの施設でバリアフリー化のアドバイスを行っていて、今後の活動に幅を広げています。

語り継がれる”吉四六さん”

2016418日~2016424日放送
大分放送 ラジオ局ラジオ制作部 那賀ひとみ
 
【番組概要】
大分県の山間にある、自然豊かな臼杵市野津町。江戸時代初期、ここに生まれた伝説の人物、廣 田吉右衛門。皆からは「吉四六さん」と呼ばれ、親しまれていました。吉四六さんは得意の”と んち”で 庶民の苦難を救ったといわれています。その話は”吉 四六ばなし”と なり、を通じ、子どもたちへ、試練の多い社会で生きるために、目には見えない想いを伝えています。実際に、口演の様子を交えて、お送りし ます。

【制作意図】
野津といえば、とんちで有名な「吉四六さん」。”吉 四六ばなし”と して受け継がれ、子ども吉四六話大会なども開催されています。毎月2回、 吉四六ばなし口演も行われています。会場は「吉四六語り部の家」。今年、老朽化にともない取り壊され、新しい場所へ新築されることとなり ました。年月が経っても語り継がれる、とんちのきいた”吉四六ばなし”。 どんな時代でも、どんな場所でも、子どもたちには元気に過ごしてほしい、そんな想いを伝えたいです。

【制作後記】
吉四六語り部の家は土壁に藁の屋根で建てられており、口演をするときは、戸を全て開けて発表 します。会場へ足を運んだ3月の中旬は冷え込んでいましたが、こどもたちの発表で暖かくアットホームな空間になります。また、「吉四六さ ん」になり切るために着物を着たり、独自の化粧をしたり、平成の吉四六さんが多くいました。また、その日は小学校の卒業生もいて、「進学 してお部活と勉強と、吉四六ばなしも続けていきたい」という子も。次に会う時、どんな話が聞けるのか楽しみです。

2016年4月14日 (木)

お遍路~同行二人におもいをつないで

2016年4月11日~2016年4月17日放送
高知放送 ラジオ局ラジオ制作部 池上浩

【番組概要】
四国霊場八十八か所めぐり。四国遍路には春になるとたくさんのお遍路さんがやってきます。元々「遍路」とは辺境の地をめぐる修行のことです。真言宗の開祖・空海も修行のため歩き、その足跡をたどって四国遍路が形づくられたました。日常を離れたお遍路さんはこれまで見えていたのに見えなかった風景、聴こえていたのに聴こえなかった鳥の声に気づきます。そうした自らの変化を体験できるのが四国遍路の魅力と言えそうです。

【製作意図】
放送が4月ということで春らしさを出してお遍路の魅力を取り上げました。花や緑の木々はラジオでは見せることはできませんが音風景があります。この放送を聴いた方が四国遍路に行ってみたい、と思える内容にしたいと思いました。

【制作後記】
地元・高知に住んでいるとお遍路さんは見慣れて、あまり気にもとめなくなります。しかし、今回の取材ではいろんなお遍路さんが悩みもあるのでしょうが、自ら変わろうとお遍路をまわっていることに気づかされました。中でもあるお遍路さんが言った「脳は考えるためのものではなく信号を受けるためのものだ」というのが印象的でした。


2016年4月 7日 (木)

豊作を占うたろし滝

2016年4月4日~2016年4月10日放送
IBC岩手放送 編成局ラジオ放送部 照井達也

【番組概要】
岩手県の中央部に位置する花巻市石鳥谷町。毎年2月、町の中心部から山奥に10kmほど入った所で、その年の作柄を占う「たろし滝の測定会」が行われています。たろし滝は、地元に川に流れ込む沢水が氷る「つらら」のことで、昔からそのつららの太さが太ければ太いほどその年は豊作になると言われてきました。昭和50年から測定会が開始され今年で42回。一昨年、昨年とつららが崩壊し、計測不能。そして、今年はあいにくの暖冬ということで、今年の測定会も危ぶまれる中、果たして結果はどうだったのか。測定会の様子をお伝えします。

【制作意図】
天気予報もない時代から、その年の農作物が豊作になって欲しいと願い、たろし滝に生活のすべてを託してきた先代の思い。その行事を受け継ぐ地元の人たち。自然と共に歩む伝統行事を、後世に音として残しておきたい。

【制作後記】
たろし滝保存会の会長の板垣さんは、17回の測定会から、その年の話題にかけた独自の川柳を発表し、測定会の楽しみの一つになっている。また、地元のお母様たちによる、ひっつみや甘酒の振る舞いもあり、厳冬期の山あいに賑やかな声がこだまする光景は、寒さを忘れるひと時です。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad