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2015年10月

2015年10月20日 (火)

学び舎、最後のマラソン大会

2015年10月19日~2015年10月25日放送
秋田放送 ラジオセンターラジオ制作部  利部昭勇

【番組概要】
秋田県秋田市の市立大正寺(だいしょうじ)小学校は、創立141年目の今年度いっぱいで、少子化などの理由から閉校となります。この小学校の恒例行事、さわやかマラソン大会。地域の商店街の通りを子供たちが駆け抜けます。大会が始まって以来、地域の人たちが沿道から熱い声援を贈る名物行事です。その中に、今年も珍田智さんの姿がありました。子供たち一人一人の名前を呼びあげる実況は、最後まで走り切る力になっているのです。来年春に閉校を控えた小学校の最後のマラソン大会。珍田さんの温かい最後の実況に耳を傾けます。

【制作意図】
少子化や学校運営の経費節減から小学校の統廃合が進んでいます。そんな地域の、小学校の記憶を音像に残したいという思いから、弊社では閉校が決まっている学校の最後の1年を、その学校の校歌とともに記録するという取り組みを始めました。秋田県内で今年度いっぱいで閉校する小学校は14校。今回は、その1エピソードを録音風物誌で紹介したいと考え構成しました。

【制作後記】
このストーリーに登場する珍田さんが話していました。「閉校する前から子供たちは都会に出て行く。都会でもまれることも大切なので止めはしない。でも、都会で疲れた時、ここに、見守って育ててきたふるさとがあることを心の拠り所にしてほしい。いつでも帰ってきて、ひと時、休んでいってほしい。そのために、俺たちは、この地域を守る」・・・地域が果たす役割をあらためて考えさせられた言葉でした。こうした地域の声に、地方局はもっと耳を傾けるべきだと襟を正された思いでした。

駅に響く立ち売りの声 人情あふれる菖蒲さんの駅弁

2015年10月12日~2015年10月18日放送
熊本放送 ラジオ制作部付  宮川理佳

【番組概要】
九州南部の山間を走るJR肥薩線。観光列車やSL人吉が到着する人吉駅には、全国でも珍しくなったお弁当の立ち売りをしている「駅弁のおじさん」がいます。駅弁を木の箱に入れて担ぎホームに立つこと45年の菖蒲豊實さん(71)。列車の旅が主流だった時代から車社会になった現在。立ち売りをする人が少なくなるなか菖蒲さんは駅弁一筋!雨の日も風の日もお客さんを迎えます。気さくな菖蒲さんの周りには心温まる人々の会話がありました。さぁ!みなさんを乗せた列車の旅、いよいよ人情あふれる人吉駅に到着です。


【制作意図】
列車での移動が主流だった時代から、車社会へと移り変わり、人吉駅を取り巻く風景も変わりました。現在熊本で唯一、駅弁の立ち売りをしている菖蒲さんは、駅弁を売るだけでなく、列車の発着時には大きな声で「いってらっしゃーい」と叫びお客さんを見送ります。その姿を見ていると、時代は変わっても昔と変わらない、人と人とのふれあいがあるように思います。お客さんの旅の安全を祈り見守っているような菖蒲さんの温かさを感じながら、立ち売りの声と汽笛の音に懐かしい雰囲気を味わっていただきたいです。


【制作後記】
名物の「栗めし」「鮎ずし」を食べたいという方はもちろんのこと、菖蒲さんに会いにやってきたというお客さんが多いことに驚きました。また小さいこどもが駅弁の入った木箱を覗こうとすると、見えやすいようにひざを曲げるなど、随所に菖蒲さんの優しさを感じることができました。お弁当を買いに来る人は、自然と笑顔になります。それが菖蒲さんの魅力なのだと思います。人吉の名物は駅弁、SL人吉だけではなく菖蒲さんもそのひとつです。また会いに行きたくなる「駅弁のおじさん」は熊本・人吉のかけがえのないものだと思いました。

2015年10月 6日 (火)

録音風物誌リスナープレゼント

こちらのプレゼントは締め切らせていただきました。

ご応募いただいた皆さまありがとうございました。

 

番組をお聴きの皆さまにプレゼント
「米の食味(しょくみ)ランキング」で5年連続の特A評価を獲得した
佐賀県産「さがびより」の今年の新米5キロを5名様にお送りします。

Saga


【ご応募方法】
■住所

■氏名

■年齢

■電話番号


■番組の感想、ご要望など

をお書き添えのうえ、お聴きの放送局へはがき、またはkayoukai@radio.or.jp まで、 「録音風物誌新米プレゼント」と明記してご応募ください。 締切りは10月20日です。 尚、当選者の発表は11月上旬の賞品発送をもって代えさせていただきます。

ここは無人駅じゃない ~理容師夫妻の20年

2015年10月5日~2015年10月11日放送
福井放送 ラジオセンター  前田智弘

※2015年度録音風物誌番組コンクール入賞作品
最優秀賞受賞 再放送です。

番組をお聴きの皆さまから抽選で5名様に「さがびより」新米5Kgプレゼント。
詳しくは火曜会TOPページ「NEWS」よりリンクにジャンプしメールにてご応募ください。
多数のご応募お待ちしております。

【番組概要】
福井県の南西部、若狭湾をのぞむ小浜市には、JR小浜線というローカル線があります。その駅の1つJR加斗駅には、駅を示す看板の横に、理髪店の軒先でよく見る赤・白・青3色のサインポールが。塚本久夫さん(71)と、妻の朝子さん(67)夫妻は、かれこれ20年間、加斗駅の舎内で、理髪店を営みながら、駅の業務を一手に引き受けて利用者を見守り続けています。毎日毎日掃除を欠かさず、駅を訪れる人を笑顔と優しい言葉で迎える塚本夫妻。加斗駅を支える2人の思いをお届けします。

【制作意図】
電車を利用する上で、駅は単なる通過点のひとつになっていることが多いと思います。しかし、加斗駅を訪れたときに感じた、日常のコミュニケーションの豊富さ!塚本夫妻が理容師と駅員を兼任しているというユニークさもさることながら、夫妻と利用者の会話のあたたかさに胸を打たれ、駅での会話を通してこの駅の魅力を伝えたいと思い、制作しました。福井県内にも無人駅はたくさんありますが、そこに人がいることの意義、そして、駅は自分たちが守っていくのだという塚本夫妻の熱意を感じていただければ嬉しいです。

【制作後記】
20年、単純に365日をかけると、その日数は7300日。ひとくちにいうのは簡単ですが、それだけの期間、来る日も来る日も駅に通うというのは相当なご苦労でしょう。しかし、そんなことを微塵も感じさせないお2人の明るさに、取材をしながらパワーをいただきました。若狭小浜は、人のぬくもりにあふれ、時間がゆっくり流れているような気持ちになる素敵なところです。ぜひ、小浜線に乗って、加斗駅を訪れてみてくださいね。

2015年10月 2日 (金)

一番風呂を目指して

2015年9月28日~2015年10月4日放送
南日本放送  ラジオ制作部  七枝大典

※2015年度録音風物誌番組コンクール入賞作品
優秀賞受賞 再放送です。


【番組概要】
鹿児島県西部、薩摩半島のほぼ中央に位置する日置市にある温泉地「湯之元」。
地名にもなっているように県内でも霧島、指宿に続く県内有数の温泉地で街を歩けばほ
のかに硫黄の香りが漂います。温泉が生活に密着している湯之元の中でも「田之湯温泉」
は特別な存在。朝5 時30 分開店直後の「一番風呂」を目指し、近隣から多くの住民が
詰め掛けます。この「一番風呂」をブームにしたのは、その名も「日本朝風呂党」。
地元の漁師や農家、飲食店主などで構成される、朝風呂を愛してやまない皆さんです。
一番風呂の魅力は一体 何なのか?そして日本朝風呂党に込められた想いとは?
朝風呂を愛する皆さんに密着しました。

【制作意図】
一番風呂めがけて、田之湯温泉にいらっしゃる皆さんの情熱と「日本朝風呂党」に込め
られた想いを知りたくて取材に取り組みました。

【制作後記】
昭和53 年2 月吉日、「日本朝風呂党」は「朝風呂入れば世界平和!」という立党宣言の
下に結成された素晴らしい、そしてユニークな党です。しかし、その大本にある心は「地
元の温泉を愛すること」。現在はメンバーの高齢化にともない、以前のような活気ある
活動は出来ていませんが、その精神は今後も語り継がれ 過疎高齢化で悩む街づくりの
一角を担っていく「地域資源の1 つ」なのだと思います。朝風呂、万歳!



半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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