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2015年6月 1日 (月)

オロロンは泣かない

2015年6月1日~2015年6月7日放送
北海道放送 ラジオ局編成業務部 榊原満

【番組概要】
札幌から車とフェリーを乗り継いで4時間、日本海の沖に浮かぶ天売島。昭和36年制作のHBCのTVドラマ「オロロンの島」の舞台にもなったこの島は、海鳥と人間が共存する世界的にも貴重な『共生の島』です。春から夏にかけて天売島では約100万羽の海鳥が集まり、子育てをします。中には絶滅危惧種のオロロン鳥や、姿は見えども声を聞く機会の少ないウトウなど、貴重なものもいます。今回はオロロン鳥をはじめとする天売島の海鳥との出会いを求めて、初春の天売島を訪ねました。

【制作意図】
天売島は国の天然記念物にも指定されている世界有数の海鳥の繁殖地です。島の代名詞オロロン鳥は昭和39年には8000羽が生息していましたが、流し網漁など漁法の変化によるエサの魚の減少、天敵の増加などで10数羽にまで激減しました。天売島を舞台にした昭和36年制作のHBCのTVドラマ「オロロンの島」には、貴重なオロロン鳥も登場します。今回はドラマにも登場したオロロン鳥を訪ねながら、ここでしか聞くことの出来ない海鳥の生態を紹介します。

【制作後記】
深夜、人気のない海鳥たちの居住区天売島の西海岸に、録音機片手に一人で取材に向かいました。あたりは灯台の明かりが時々照らすだけの真っ暗闇の世界です。待つこと30分、闇の中からバサバサバサッと羽音が聞こえてきます。その音は次第に増え、耳元をかすめたり、足元に転がったり、こちらの存在に気づくこともなく縦横無尽に飛び交います。約80万羽のウトウのコロニーの真ん中で、バードアタックの恐怖と闘いながらの取材は映画「鳥」のシーンを思い起こしました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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