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2012年11月

2012年11月26日 (月)

島根 石見神楽~一夜、こだます神楽囃子~

2012年12月3日~12月9日放送
山陰放送 放送制作部 田中亜矢



 2012年、今年は古事記が編纂されて1300年を迎えた年。
島根県では「神話博しまね」と題し、夏から秋にかけ
様々なイベントが開かれ、中でも、島根県西部、石見地方の伝統芸能、石見神楽(いわみかぐら)のステージは大人気でした。

 最近ではイベント色も強くなった石見神楽ですが、本来は秋の収穫期に自然や神への感謝を表す神事の前夜祭として、神社やお宮で、夜を徹して朝まで舞う奉納神楽です。石見地方では、秋祭りの時期、毎晩のように、どこからか笛や太鼓のお囃子が聞こえてきます。今回は、江津市都野津町の大年(おおとし)神社にお邪魔し、一晩取材させて頂きました。実は私が生まれた隣町で、私自身も子供の頃、地元の神社でみんなと一緒に夜通し神楽見物をした思い出があります。

 夜
8時から朝6時まで、神社の境内にある舞殿で、この日は浜田市の西村神楽社中が、「恵比寿」や「大蛇」など15もの演目を舞いました。舞台をかぶりつきで見物する観客達大人にじって子供たちの姿も。斎燈(さいとう)と呼ばれる焚火も明るく燃えていました

番組では、神楽囃子はもちろん、見物客の声や、パチパチと音を立てる斎燈の音などもお伝えします。
   

2012年11月22日 (木)

古(いにしえ)から伝わる神との会話、宮古島の神歌

2012年11月26日~12月2日放送
琉球放送 アナウンス室 狩俣倫太郎 

沖縄県は宮古島には何世紀も各集落だけで歌い継がれる唄がある。
それは御獄(うたき)とよばれる、村の聖域で神事の時に唄われるもので、唄うのは選ばれた神の遣いである女性たちのみ。

神事に費やすのは年間70日にもおよび宮古島の人々の生活の中心に神との会話があることがわかる。いわゆる沖縄の民謡とも異なる宮古島独特の神唄と、その世界観を紹介します。

2012年11月14日 (水)

魔法の杖、作ってます。

2012年11月19日~11月25日放送
北日本放送 報道制作局 報道制作部(ラジオ) 熊野 智元

 
富山県南砺市福光にある「南砺バットミュージアム」は、野球ファンの天国です。

日本プロ野球の歴史に残る選手、助っ人外国人、マニアックな選手まで、500本のバットが飾られています。放送では阪神の掛布選手のバットを素振りしましたが、実は落合や王のバットも振らせてもらいました。プロ野球選手のほとんどのバットが、この福光という町から生まれ、いまも生み出され続けています。

ちょうどCS期間中に取材をしていたので、ある工場では「昨日の試合はウチのバット大当たり!」なんて話も聞けました。(メーカーとの契約上、選手の名前を明かせないところが多く、放送はできませんでしたが…)この町のバットに携わる方はみな一様に野球が好きで、自分が携わったバットを使う選手の活躍を、自分のことのように喜びます。たぶん昔も今も、この町の人たちは同じように、試合のたびに一喜一憂していたんだと思います。

ただの木の棒が、こんなにも人を熱狂させる。忘れられないシーンが生まれる。「バット」という名の木の棒をずっと作ってきた町。いまも選手とともに一喜一憂する職人さん。これは、野球が好きで好きでたまらない町のお話です。

自然と挑戦の道 村山そば街道

2012年11月12日~11月18日放送
山形放送 報道制作局 制作部 大久保円

 「秋新(あきしん)」と地元で呼ぶ新蕎麦の季節に、そば屋のそば粉作りの過程を伝えます。


山形県村山市
そば屋を営む芦野又三さんは昔ながらの方法で蕎麦ります

80歳になる又三さんは畑の蕎麦の実をどのようにしての蕎麦粉にするのか、手作業の合間に科学者のような表情で丁寧に説明してくれました。そして、思いもよらない蕎麦作りの訳と熱い思いも喋ってくれました。

村山市は山形県内陸部にある、田んぼや果樹、ソバ畑が広がる盆地。市の中央を最上川が流れます。川幅は50メートルから100メートル、流れは急で川底の岩盤がむき出しになった最上川舟運時代の三つの難所があります。その川沿いにそば屋が幾つも点在しています。「最上川三難所そば街道」です。

又三さんの店は、そば街道の十四番目のそば屋「あらきそば」

出す蕎麦は「板蕎麦(もりそば)」一種だけ。その蕎麦はつるつるっとすするには大変な太さ、「超極太生粉打ち」と呼ばれるつなぎ無しの十割そばです。


「あらきそば」は
山村農家の慎ましい生活がそのまま店になっています茅葺き屋根、中に入ると自在鉤に鉄瓶の囲炉裏、てかてかの柱は荒削りの栗の木、野郎畳の座敷に裸電球がぶら下がり、ちゃぶ台で蕎麦を食べます。畳に座り、見上げるとねじ式の柱時計と箱型ラジオ、おそらく今は鳴らない真空管式のラジオ受信機は昔どんな番組を流していたのでしょうか。


粉作りの取材を終え、番組では伝えきれないことがたくさんあります。

実ひと粒ひと粒を蕎麦にするのは、これほど大変なのかと・・・・。

蕎麦の作り手は二代目の芦野又三さんと三代目の光さん、四代目の浩平さんほか家族総出で蕎麦を作っています。蕎麦作りは重労働、家族で役割を分担しながら進めます。その家族の顔と表情がとてもいいんです


ぜひ、
「秋新」を食べてみて下さい。薫り高い新蕎麦です

砂にこめるおもてなしの心

2012年11月5日~11月11日放送
大分放送 ラジオ局 ラジオ制作部 宮崎真由美

 
温泉観光都市として有名な別府市。
数多くの特色ある温泉がありますが、その中で全国的にも珍しい「砂湯」を取り上げました。

地元の入浴客のみならず、観光客にも大変人気がある海浜砂湯の魅力と、そこで活躍する別府でただ一人の”砂かけマイスター”井村節子さんの「おもてなしの心」を皆さんにも知ってもらいたいという思いで制作しました。

心地よい波の音と、小気味よい砂を搔く音、明るくあたたかみのある井村さんのおしゃべりを聞いて、「別府に行って、この砂湯に入ってみたい!」と思っていただければ狙い通りです。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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