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2011年2月 3日 (木)

南向きの終の住処で

西日本放送 営業局ラジオセンター 池本 恵津子

香川県の西部 三豊市詫間町の荘内半島は、瀬戸内海が見渡せ日当たりのいい穏やかな気候の地です。18年前、この地を気に入り大阪から移り住んだ木本あつしさん 81歳がいます。

 木本さんが名前も風土も知らないここに住むことを決めたのは、2つの趣味が大きく関係しています。
 1つは、小学2年生から続けている「園芸」。大阪では霜との戦いで植物を育てる苦労を体験しました。荘内半島は、海から吹き上げる風で霜が降りない土地。さらにお家を南向きに構えることで、燦燦と降り注ぐ太陽の恵みを利用して現在も品種改良を行っています。

 もう1つは、フィルムカメラでの撮影。育てた植物を捕らえるだけでなく、荘内半島の海の表情や鳥たちの会話、瞬く天体などの一瞬一瞬を写真に収めます。撮影のためなら時間も労力も惜しまない木本さん。自分らしい写真を求めて撮り続けています。

 木本さんのみなぎるエネルギーは、自然と歩調を合わせるからこそ得られる力なのかもしれません。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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