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2011年2月

2011年2月24日 (木)

恵比寿、化け猫、河童伝説で町おこし

長崎放送(NBC佐賀) 放送部 武富 茂

佐賀県佐賀市の中心部は、化け猫騒動、河童の伝説が伝わる鍋島36万石の城下町です。
また、恵比須像が多く、一つの町としては日本一を誇ります。
そんな、恵比須、化け猫、河童と佐賀に残る歴史を活用して、夜な夜なナイトウォークツアーが去年の春から行われています。

決して派手ではありませんが、商店街の商店主の方々を手作りの割には、参加者のアンケートによると満足度9割以上で、葉隠れ武士の魂を現代に伝えるお侍さん、地域で生活する何気ない猫たちもナイトウォーキングを盛り上げます。

番組では、お金をかけずに地元に伝わる伝説、歴史、地域猫を生かした町おこしの風景を伝えられれたらと思い制作しました。

2011年2月17日 (木)

引け! 引くんだ!! 大俵

ジオ福島 編成局 放送部 手塚 伸一


毎年1月14日に行われる会津坂下町の「初市・大俵引き」は、何と言っても主役の「引き子」達。

彼らの思い、気合い、おたけびを全編を通じて感じて頂ければと思い、制作しました。厚着をしていても寒くて身を縮める中、下帯一本で堂々と5tもの重さがある大俵を引き合う姿が伝われば幸いです。

始まる前は下帯一本となるとふるえていた引き子が、終わった後には体から湯気を出しながら笑顔だった事が忘れられません。

2011年2月10日 (木)

元旦初打ち”音に聞く鍛冶場の力”

福井放送 ラジオセンター 越桐 清司

福井県越前市の山あいに位置する余川町は、700年の歴史を持つ、越前打刃物の産地です。
ここでは毎年元旦の午前零時から初打ちの行事が開かれています。

白装束の鍛冶職人たちが赤々と燃えた鉄の棒を大きな金槌で打ち形を整えていきます。親方が打ち、子方が相槌を打つという作業は、動力がなかった時代の古式ゆかしい伝統的なものです。

日本各地に多く存在していた鍛冶職人は、刃物の大量生産と農業の機械化によって昭和30年代から激減しました。
文部省唱歌として愛唱されていた「村のかじや」も昭和60年に音楽の教科書から姿を消しました。

今では元旦にしか聞くことのできなくなった昔懐かしい鍛冶の音は、観光に訪れた人たちを魅了しています。雪が深々降りつもる中、行われている越前打刃物の初打ちは地区の名工達が伝えている、
冬の風物誌です。

2011年2月 3日 (木)

南向きの終の住処で

西日本放送 営業局ラジオセンター 池本 恵津子

香川県の西部 三豊市詫間町の荘内半島は、瀬戸内海が見渡せ日当たりのいい穏やかな気候の地です。18年前、この地を気に入り大阪から移り住んだ木本あつしさん 81歳がいます。

 木本さんが名前も風土も知らないここに住むことを決めたのは、2つの趣味が大きく関係しています。
 1つは、小学2年生から続けている「園芸」。大阪では霜との戦いで植物を育てる苦労を体験しました。荘内半島は、海から吹き上げる風で霜が降りない土地。さらにお家を南向きに構えることで、燦燦と降り注ぐ太陽の恵みを利用して現在も品種改良を行っています。

 もう1つは、フィルムカメラでの撮影。育てた植物を捕らえるだけでなく、荘内半島の海の表情や鳥たちの会話、瞬く天体などの一瞬一瞬を写真に収めます。撮影のためなら時間も労力も惜しまない木本さん。自分らしい写真を求めて撮り続けています。

 木本さんのみなぎるエネルギーは、自然と歩調を合わせるからこそ得られる力なのかもしれません。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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