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2011年1月

2011年1月27日 (木)

城下町のちゃっこい豆腐屋

東北放送 ラジオ局制作部 伊香 由美子

デパート、オフィスビル、マンションなどが立ち並ぶ仙台の中心部で、なつかしい豆腐の行商が始まりました。
ラッパを鳴らして町を行くのは、130年の老舗、上村豆腐店の4代目社長、上村修治さん42歳。

地方都市の例にもれず仙台も、郊外に大型スーパー、ショッピングモールができ、中心部で商売をしていた店が姿を消しつつあります。
上村豆腐店のある仙台市中心部では、足が不自由になり買いものに行けない、仕事が忙しく遠くまで買い物に出かけられない、
といった声も聞こえています。

130年の商売を支えてくれたお客様への恩返しがしたい、
という思いから夕方からスタートする行商の様子に同行すると、
「ありがとうね」「よいお年を」など、物を売る人と買う人の言葉の
やりとりが温かかったのが印象的。

多くの車が行き、コンビニエンスストアが立ち並ぶ大通りから一歩入ると、ラッパの音が鳴って人が集まる、そんな風景が加わった仙台をまた好きになりました。

2011年1月20日 (木)

兼六園のエンターテイナーを目指して

北陸放送 ラジオセンター 川瀬 裕子

金沢を代表する観光スポット「兼六園」。

園内を案内してくれる「兼六園ガイド」は、個性も様々です。
昭和31年に案内業が許可制になってからガイドとして活躍するのは女性のみでした。

そんな中、昨年初の男性ガイドが誕生し、話題となっています。
目立つのは男性だからという理由だけではありません。
ユニークなガイドぶりはもちろん、メイクもバッチリ、ネイルケアもしているという外見も注目を集めています。
なぜそこまでやるのか?

彼が目指しているものが、兼六園という定番観光地に違った輝きをもたらしそうです。

2011年1月13日 (木)

名曲が生まれた滝

静岡放送 ラジオ局制作部 山中 貴弘

静岡県伊豆市修善寺。伊豆半島には、観光名所になっている数多くの滝がありますが、地元の人しか知られていない滝がありました。  
高さ105メートルもある「旭滝(あさひだき)」。 
日本で二番目に高さのある滝なのですが、知られていない理由とは?  
観光地・伊豆でも知られていない幻の滝「旭滝」ですが、実はこの滝から生まれた名曲があるのです。それは、尺八の中では有名な「滝落ちの曲」。           

江戸時代、旭滝のふもとには瀧源寺(ろうげんじ)というお寺がありました。尺八を吹きながら諸国を行脚する虚無僧は、名曲のふるさとでもある旭滝を訪れては瀧源寺に寝泊まりしていたそうです。

月日は流れ、瀧源寺と虚無僧の姿は消えてしまいましたが、この土地で生まれた名曲を後世に残そうとしている方がいました。一年に一度、旭滝を前に「滝落ちの曲」を吹くというのです。 虚無僧がこよなく愛した名曲「滝落ちの曲」が、旭滝を前に蘇ります。 

2011年1月11日 (火)

炭焼きの灯を守って

山口放送 ラジオ制作部 大谷 陽子

緩やかな山に囲まれた盆地が広がる、山口県下関市菊川町。
山裾に、今も一軒だけ、炭焼きを仕事にしている家があります。
炭を焼くのは山岡トキ子さん、83才。たった一人で、炭焼きの窯を守っています。

33才で夫に先立たれてから50年。男性でも厳しいと言われる山の仕事を生業に、女手一つ、3人の子どもを育て、家を守ってきました。

「生涯貫ける仕事を持てたことが誇り」と語るトキ子さん。

炭焼き職人という仕事だけでなく、昭和の時代を生き抜いた女性の強さを「風物詩」として伝えたい…。
その強さを見習いたい思いで取材させていただきました。
そこで待っていたのは…、トキ子さんの炭で焼いてくださった小さなサツマイモにトウモロコシ。サツマイモのねっとりする程の甘さと、炭の温かさ(というより熱い!)、そしてトキ子さんの笑顔に、心ほぐされました。

継続は力なり…コツコツ真面目に生き抜いた先に幸せがあることをトキ子さんはその生き様で教えてくださいます。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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