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2009年12月

2009年12月28日 (月)

豊穣の海 富山湾からの贈り物~新港漁港の昼セリ~

北日本放送 放送本部報道制作局報道制作部  庄司 幸寛

富山県のほぼ中心に位置する旧新湊市。現在の射水市。
ここ射水市の新湊漁港では、富山湾の豊かな漁場から四季を通して、
多くの魚介類が水揚げされます。

なかでも9月1日に漁が解禁されるベニズワイガニは、秋から冬の主役です。
このズワイガニのセリは、午後1時にに始まります。
新湊漁港のセリは、午前5時半からと午後1時からの2回行われます。
新湊漁港は1日にセリが2回開かれる全国でも珍しい漁港です。

昼にセリができるのは、ベニズワイガニの魚場が漁港から近く、午前0時に漁に出た漁船が、その日の10時過ぎに戻ることができるからです。
そしてその日の昼にセリにかけられ、夕方には消費者の元に届くため、鮮度は抜群です。

また新港漁港では、漁場を地域の人々に理解してもらおうと、地元の小学校6年生の児童に、ベニズワイガニを1匹づつプレゼントする
「ベニズワイガニ給食」という取り組みを6年前から実施しています。
地元の子供達は、小学校6年生になるまで、ベニズワイガニ給食を楽しみにしているそうです。

水産資源という自然からの贈り物と共存する漁港で生きる漁師と、その地域で生活する人々との関わりを表現しました。

2009年12月21日 (月)

城下町のトンテンカン

茨城放送 編成局 大内 康次

水戸徳川家の城下町として発展した「水戸」、その中でも古くから
栄えた下市と呼ばれる地区、昔からのたたずまいを残す町並みを
歩いていると、どこからともなく”トンテンカン”という金属を叩く槌音が
聞えてくる。
その源は鍛冶屋さん「中屋平治」に辿りつく。

もともとはのこぎりを専門に作る鍛冶屋で、創業は嘉永元年(1848年)、160年という歴史を誇る。

その伝統を守るのは五代目の武石好文さん。
15歳の時に四代目の父・武石喜八氏に弟子入り、家事一筋の43年
だったという。
その武石好文さんと、息子で後を継いだロクダイメお武石治さんにマイクを向けました。

2009年12月14日 (月)

街の動物園はノアの箱舟

北海道放送 フリーランス 伊藤 嘉章

動物園は人と動物をつなぐ場ですが、もう一つ、種の保存、
さらに希少生物を絶滅から救う役割も担っていることを伝えたかったのです。
サブタイトル通り、身近な動物園が実はノアの箱舟なのだと。
特に北海道の人は、身近な物を評価しないところがあるので。

ちなみに本編中に使っているBGMを北海道在住で北海道をテーマにした音楽を作っているミュージシャンの曲を使いました。

効果音、BGM,インタビュー、ナレーション、すべてオール北海道です!北海道の子供たちに北海道本来の自然が受け継がれることを願いつつの制作でした。

2009年12月 7日 (月)

石州半紙(せきしゅうばんし)~その腕で伝統を漉く~

山陰放送 ラジオ総局 放送制作部  宇田川 修一

石州半紙を受け継ぐ職人 久保田彰氏59才のインタビュー。
浜田市三隅町に伝わる「石州半紙」は1300年前、奈良時代に
万葉歌人・柿本人麻呂によってこの地に伝えられたといわれています。

島根県西部、石見地方で守り伝えられて来た伝統は昭和44年に
重用無形文化財に指定されました。
しかし年々職人の数、工房も減少、ここ数年で貴重な職人が4人も
亡くなり、現在石州半紙技術者会会員はわずか5名となりました。

そこに飛び込んできた今回のユネスコ無形文化遺産への登録。
さぞかし喜んで、と思いきやそこは職人、そっけないもの。
ただその内には伝統を守り続ける技とプライド、ふるさとに対する
人一倍の愛情があふれていました。

現在は4つの工房と去年完成した石州半紙会館を拠点に、石州半紙の普及ならびに後継者の育成に力を入れています。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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