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2009年2月

2009年2月23日 (月)

44年にわたる名前のない贈りもの

山梨放送 ラジオセンター制作部 小林 かおり

山梨県立盲学校には卒業式の季節になると、卒業生の数をたずねる電話があり、式に間に合うようにオルゴールが届きます。
この贈りものに名前はなく、誰が送ってくださるのか、44年経った今も、女性の方で今はかなり年配の方でいらっしゃるということしかわかりません。

しかし学校も卒業生も贈り主を探すようなことはせず、ただこの方の健康と幸せを祈り、感謝の気持ちを胸いっぱいにしてオルゴールを受け取っています。

今回は二人の卒業生をたずね、その音色とそれぞれの思いに触れながら、この寄贈のきっかけとなったエピソードをご紹介します。

盲学校の生徒は、生来光を失っている人、成人になってから病や事故で見えなくなった人など、これまでもそしてこれからも、さまざまな道を歩んでいますが、この名前の贈りものは、その温かな音色で卒業生たちに寄り添い、彼らをそっと見守り続けています。

2009年2月16日 (月)

僕は駅長マロン

IBC岩手放送 ラジオセンター 高橋 典子

IGRいわて銀河鉄道、奥中山高原駅(岩手県の北、一戸町)では、去年6月、名誉駅長に、ヨークシャーテリアで8歳になるオスのマロンを任命、活躍してもらっている。

制服・制帽もあり、乗降客の出迎え、見送りが業務。人なつっこさと、可愛さでアイドルになり、地元はもちろん、わざわざ見に来る人もいるほどの人気となっている。

番組では、このマロンを中心に(マロン役はIBCの大原喬史アナウンサー)飼い主で、駅の委託駅員である本木ヨコさんの思い、客との触れ合いなどを紹介している。

因みに番組中、マロンの鳴き声が入っていますが、実際は人に向かって吠えることは、ほとんどありません。

2009年2月 9日 (月)

甦った和ろうそくの灯~田布施ハゼの実ロウ復活物語

山口放送 ラジオ編制 村田 俊子

山口県の南東部、態毛郡田布施町に樹齢250年といわれるハゼの木が一本残っています。毛利藩が経済政策として米・塩・和紙・ロウの生産を奨励した“防長四白政策”の生き証人といわれるハゼの木です。

そして、ハゼの実ロウ復活のきっかけになった木であり、今では「ハゼの実ロウ復活委員会」の活動を見守るシンボルツリーでもあります。

この木の歴史を伝え、会結成のきっかけになった田川一郎さんの父上はすでに亡くなりましたが、田川さんの生家、亡きお父さんの家が会の作業場となっています。

庭や納屋、家の中で行われる様々な手仕事、力仕事の音を、亡き主は嬉しく聞いていることでしょう。

“エコ”と言わず、“癒し”と表現せず、昔の人の仕事を懐かしみ、地域の人々とのふれあいを楽しみ、村の歴史を伝えて行く、“ハゼの実ロウ復活委員会”は、そのような暖かい活動を続けていました。

2009年2月 2日 (月)

日本一心豊かなローカル線に~ネコの駅長たま奮闘記~

和歌山放送 編成制作部 花井 歩高

「いちご電車」「おもちゃ電車」などユニークな車両がファンに人気のわかやま電鉄、貴志川線。通勤・通学の足として欠かせない路線ですが、利用者の減少に歯止めがかからず、一時は廃線の危機を迎えましたが、沿線住民の熱意と行政の支援で、新会社が運営を引き継ぎました。

取材に訪れた1月上旬、社内には地元住民らしくない家族連れや、カップルの姿が目立ち、中にはフランスからも、終点のたま駅長みたさにわざわざ和歌山を訪れていました。

彼らはたまの写真を撮り、グッズを買い、電車で帰ってゆく…。ここまで人気になったのだから、駅を出てまちをゆっくり楽しんでもらえるような仕掛けをつくらなければ。お出迎えする側の心意気が試されています。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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