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2008年10月27日 (月)

森と人をむすぶ手作りホルン

山形放送 ラジオ制作部 大久保 円

山形県南陽市吉野地区は、杉林の山に挟まれた谷間にある村です。この地区にあった旧・山形県立宮内高校、吉野分校は、平成3年に廃校になりました。

昨年からこの古い校舎を利用して、楽器のホルンを手作りしている人たちがいます。NPO美しいやまがた森林活動支援センターの人たちです。老若男女、様々な職業をもつ人たちの集まりです。

ホルン作りの指導は、センターのメンバ-でありホルン学校の校長先生でもある伊藤隆二さん。伊藤さんはアルプホルンを作りたいという一心から、7年前に一年間かけて、ホルン作りを習得しました。そして、5年前からホルン作りを指導しています。

ホルンの名前は、アルプホルン。スイスのイメージが強い楽器です。大きさは、長さが3メートル40センチ。一本の杉の木の、間伐材から作ります。ホルンの管の直径は、最も細いところで3センチ、太いところで16センチ。

アルプホルンは車で持ち運びできるように、3分割になるよう製作します。凡そ半年から一年ほどかけて製作したホルンは、作った人が自ら演奏にもチャレンジします。
伊藤隆二さんの指導によりこれまでに作られたホルンは、18本になりました。

作業場である古い校舎の壁に貼られた活動報告には、「森は癒しの空間であるが、病院ではない。あくまで健康を実感する場所である。体も心も大切にしよう。」と書かれています。

美しいふるさとを創るために、森と人を結ぶホルン作りはこれからもずっと続きます。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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