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2003年3月

2003年3月31日 (月)

樽に生きる

AM神戸 報道制作部 林真 一郎

最近では鏡開きぐらいしかお目にかかることがなくなった酒樽。最近では紙パックなどにおされて、職人の数も激減していると聞いた。兵庫県の西宮から神戸にかけての地域には、古くから「酒どころ」として全国に知られている。

こうした本場でも、そうしたさびしい状況が続いていると知り、日本のよき伝統文化にふれてみたいと思って、取材した。樽作り工房の第一印象は「寒くて暗い」というもの。

木そのものにとっては良くないのだが、樽作りの環境はこれがベストだという。その中で1日中、黙々と作業を続けている職人さんの本音を引き出すことができれば…と6時間粘ったが、なかなか思うようになったかどうかは今でも悩みが深い。

もう一つ私を悩ませたのは作業している時の録音。似たような音が多くて、メリハリをつけるのに苦労した。トータルの出来はともかく西北さんの人となりや気持ちを少しでも感じてもらえればうれしい。

2003年3月24日 (月)

城下町村上町屋の人形様めぐり

新潟放送 ラジオ局制作部 西山 一樹

新潟県内でもっとも古い城下町村上で4年前に始まった街おこしイベントを取材。伝統的家屋・町屋に代々受け継ぐ人形を飾り、訪れる見学者に人形の由来や、歴史、また町屋のつくりなどを説明するもの。

今年は商店を中心におよそ70軒が参加、人形を通して村上のもてなしの心に触れられると、年々人気が高まっている。

3月1日の開幕にはSLが村上駅に乗り入れたたほか、夏祭りの山車「おしゃぎり」も出て華を添えた。

2003年3月17日 (月)

さんしんの音に魅せられた人たち

琉球放送 ラジオ制作部 安仁屋 聡

うたの島・沖縄には推定20万丁のさんしんがあり、昔から刀の代わりにさんしんを床の間に飾るくらい、庶民の生活に根付いています。県内各地にさんしん店が点在し、学校の授業にも取り入れ、まさに生活の中にさんしんが、島うたがあるといっても過言ではありません。

そして、去る3月4日、今、お聞き頂いている琉球古典音楽の名曲「かぎやで風」を一斉に弾に鳴らそうという「ゆかる日まさる日さんしんの日」というイベントが行われ、沖縄県内のみならず県外・海外でも多くのさんしん愛好家が参加しました。

「さんしんの日」はさんしんをたしなむ者にとっては、年に一度のお祭りのような日、この日に向けて「かぎやで風」の練習に取り組みます。今日の録音風物誌」はさんしんの音色に魅せられ「かぎやで風」の練習に励む三人を紹介します。

2003年3月10日 (月)

十日市・受け継がれる音

山梨放送 編成局ラジオ制作部 平井 勉

甲府盆地の西側に位置する中巨摩郡若草町十日市場のお祭り「十日市」は、「ないものは、猫の卵と馬の角」と言われるほど数多くの品物と人出でにぎわいます。

十日市の特徴は、ふだんあまり見かけることの出来ない臼や杵などの木工製品の販売とそれを購入する際の露天商と客の間で行われる値引き交渉です。

木工製品作りが盛んな山間の南巨摩郡増穂町平林の職人、保坂静雄さん(72)は、木工製品を作って半世紀を越えました。今では保坂さんが一番若い職人になってしまい、後継者はいません。

木工製品作りも、昔は全部手作りでしたが、今では機械化で手軽になりました。伝統的な産業の衰退の中、十日市で飛び交う保坂さんの声は弾みます。

今回、時代の流れで、変わり往くものと変わらずに受け継がれるものが共存する「十日市」を紹介します。

2003年3月 3日 (月)

たろし滝・コメの作柄占い

IBC岩手放送 報道制作局制作部 高橋 博道

氷柱の太さを計測して今年のコメの作柄を占う、「たろし滝」のコメの作柄占いという行事が岩手県の石鳥谷町で行われて和れています。

全国でも珍しい行事だと思いますが、700年も前から行われており、今までそれなりの的中率をほこっています。

暖冬だったここ3年、氷がうまく出来なくて計測できずにいましたが、今年は4年ぶりに太い氷柱が出来、5.3mとなり豊作という占いの結果がでました。

喜ばしい豊作の占いを岩手から全国に発信、明るい年の始まりにしたい。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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