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2024年12月24日 (火)

未来へ!世界へ!海を渡る船箪笥

2024年11月25日~12月1日
山形放送 報道制作局制作部  神保 美帆

【番組概要】

山形県酒田市にある木工店の4代目・加藤渉さん(50)。釘などを使わずに木材を組み合わせる「指物(さしもの)」の技術を継承し、現在は伝統工芸品「酒田船箪笥」も製作しています。
江戸時代から明治時代にかけて、寄港地で商品を売買しながら航海をしていた北前船。
船の中で金品などを保管する金庫のような役割をしていたのが「船箪笥」です。
酒田は新潟県・佐渡、福井県・三国と並ぶ船箪笥の三大名産地の1つですが、需要の減少や職人の高齢化と担い手不足により近年では新たな船箪笥は製作されていませんでした。港町の伝統を復活させたい、という思いのもと酒田船箪笥の“復興”にチャレンジをしている加藤さんを追いました。



【制作意図】

酒田船箪笥は指物、漆塗、装飾金具と各職人が分担して製作をしていますが、装飾金具だけは酒田市内で作り手を見つけることができないでいました。
そんな時、地元高校の工業科の生徒から「船箪笥の装飾金具を作ってみたい」と声がかかりました。次の時代に伝統工芸品を繋いでいきたいという加藤さんの思いと、高校生たちの取り組みをたくさんの人に届けたいと思い、取材しました。



【制作後記】

加藤さんは後継者不足と認知度不足が課題だと感じ、製作の傍ら様々な場所で船箪笥について発信を続けてきました。「伝統を繋いでいきたい」という思いが高校生に届き、「地元の作り手の力で船箪笥を製作する」という加藤さんの夢の実現に近づいた瞬間を傍で見ることができ、私もとても嬉しかったです。
地元の高校生たちも、酒田船箪笥や酒田の歴史については知らない部分も多く、装飾金具作りは地元の歴史を見つめ直すきっかけにもなったそうです。時々苦戦しながらも、楽しそうに金具作りに取り組んでいる高校生の姿が印象的でした。

 

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