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2023年5月22日 (月)

春は「いかなご」 感謝届ける神戸の味

2023年4月10日~2023年4月16日放送 
ラジオ関西 報道制作部 藤原正美

【番組概要】
春を呼ぶ魚「イカナゴ」。年々漁獲量が減り、漁期が短くなっている。漁獲量が減ると、値段は上がる。それでも、神戸などでは古くからの味を守り、同時に資源も守っていこうと、努力を続けている。阪神淡路大震災の後、地元の味を送ることで、感謝や自分が元気でいることの証として、待ってくれる人たちのために、くぎ煮を作り続けている。そんな多くの人の思いを送る。

【制作意図】
神戸では、昔から「イカナゴのくぎ煮」を作っている。元々は漁師たちの家庭料理だったのが、1980年代頃から一般に広まるようになり、それぞれの家庭料理として確立されていった。現在は農林水産省の「うちの郷土料理」で兵庫県の味のひとつにも選ばれている。ところが、ここ数年、漁獲量が極端に減り、漁期が短くなっている。様々な要因が重なり減少につながっているため、対策もとられているが、劇的な改善は見られない。量が少なくなると、当然、値段も高騰。かつて1キロ800円で買えたものが、最近は数千円に。そうしたなかでも、神戸の人たちは毎年「いかなごのくぎ煮」を作っている。なぜ作り続けるのか?家庭の主婦、漁業者の思いと、この家庭の味を知ってほしいと思い、制作に至った。

【制作後記】
漁獲量の減少の原因について、漁業者や専門家にあたってみると、原因がたくさんあり、どれもが複雑に絡み合っていると感じた。漁師さんに伺うと口が重くなる人もいた。一方、消費者もそうした「獲れない」ことを理解していて、金額が高いのも「やむを得ない」と思う人も少なからずいた。それでも作り続けるのは、「くぎ煮」を楽しみにしている人が数多くいて、その人たちへ自身の近況を含め「春の便り」として送っているのだとも感じた。神戸の人のイカナゴへの思いの強さを、改めて実感した。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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