おんせん県でととのいます! ~蒸し風呂文化の新たな挑戦
2022年5月30日~2022年6月5日放送
大分放送 コンテンツ制作 那賀ひとみ
【番組概要】
大分県の南に位置する豊後大野市。このまちは”おんせん県”とも称される大分県で唯一、温泉が湧き出ていません。しかし、ここには大自然があります。この魅力を伝えようと、アウトドア・サウナ協議会「おんせん県いいサウナ研究所」を設立し、アウトドアサウナを企画したのが、高橋ケンさん。サウナの歴史を調べる中で知ったのは地元に残る、蒸し風呂文化―。豊後大野市市内には16世紀後半につくられたと推定される『蒸し風呂』の一種である石風呂が12ヶ所残っています。現役で使われているのは、辻河原という地域に残る石風呂だけ。辻河原石風呂保存会の渡辺桂一さんは、コロナ禍となるまでは年に2、3度、沸かしていました。ただ、継承しようにも若手が少ないことも課題のひとつとなっています。古くから伝わる『蒸し風呂』の文化が、新たな形となって続く『まち』、『ひと』を「音」で届けます。
【制作意図】
いまや全国的に「サウナー」や「サ飯」などの言葉が飛び交う、空前のサウナブーム。そんな中、九州で唯一「日本ジオパーク」と「ユネスコエコパーク」の両方に認定されている大分県豊後大野市は、大自然を生かした「アウトドアサウナ」を観光資源として活用しようと『サウナのまち』を宣言しました。その人気から、古くより豊後大野市に伝わる石風呂にもスポットが当てられ、観光客も増えています。しかし、現役で使うことのできる石風呂を沸かせる人は多くいません。石風呂の蒸し風呂文化が新しい「アウトドアサウナ」という形となって後世に残りますように、という想いを込めて制作しました。
【制作後記】
アウトドアサウナへ訪れた観光客に話を聞くと、自然を流れる川や雨、空気を活用したサウナは、「ここ(豊後大野市)がナンバーワンじゃないかな。」という声がありました。石風呂の蒸し風呂文化は、アウトドアサウナと直接の繋がりはないものの、「ととのう」気持ち良さは通ずるものがあると感じました。まちに温泉が湧き出ていなくても、大自然の中で「ととのう」ことのできるサウナがある!蒸し風呂文化が、現代に「アウトドアサウナ」という新しい形となって生き続けることが、石風呂の存続にも繋がるのではないかなと思います。県外のサウナーの皆さんにはもちろん、まだ「サウナ」を体験したことのない大分県内の方にもオススメしたい場所のひとつになりました。
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