白い杖は、わたしの〝目″
2022年1月17日~2022年1月23日放送
南海放送 メディアセンター 和氣孝治
【番組概要】
愛媛県で唯一、視覚に障害がある人のための学校、愛媛県立松山盲学校で、通常の授業と合わせ、生徒が「社会の中で自立して生きていく」ため実施されているカリキュラム「自立活動」。その中で、‶白杖(はくじょう)″を使い、1人で地域を歩くための技術を学ぶ授業、「歩行訓練」がある。生徒は白杖をどのように使って周囲の状況を確認しているのか?そして、交通事故を防ぐため、ドライバー側に知ってもらいたいサインとは?1本の白い杖が紡ぎだす音にのせて紹介する。
【制作意図】
エフナン南海放送ラジオでは2021年7月から月に一度、愛媛県立松山盲学校を紹介するラジオ番組、「学校ラジオ~愛媛県立松山盲学校の時間です」を制作・放送していて、私もスタッフの1人として携わっています。実は私の両親も視覚障害があり、松山盲学校を卒業しているのですが、実際に取材すると息子の私は知らなかったことの連続!一般の高校と違ったカリキュラムで「社会の中で自立して生きていく」ための教育が実施されていることに驚き、感動しました。私たちが普段何気なく行っている「歩く」ということが、どれだけ大変で集中力を必要とすることなのか。誰もが、少しでも暮らしやすい社会にするためのほんのちょっとの気づきになればうれしいです。
【制作後記】
初めて「録音風物詩」を担当させていただきましたが、‶音だけ″のラジオだからこそ、視覚に障害がある人が感じている世界を想像してもらえるのではないか…そして、障害に甘んじるのではなく、1人の社会人として生きていくための努力を少しでも伝えたい…そう思い今回の制作に臨みました。ただ、クリアな白杖の音をうまく拾えない、思うようにインタビューできない、伝えられない。ラジオマンとしてまだまだ素人であることを痛感しました。そしてそれ以上に、「こうすればもっと伝わるのでは」という改善点がたくさん見つかりました。「盲学校」には我々がまだ知らない、知ってほしい活動や、何より生徒・先生たちの前向きな笑顔があります。これからもそんな彼らの姿を伝えていきたい。私のライフワークになるかもしれません。
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