雨畑硯 匠の誇り
2022年1月10日~2022年1月16日放送
山梨放送 ラジオ局ラジオ制作部 佐藤かおり
【番組概要】
山梨県早川町雨畑地区は古くから硯づくりが息づく集落です。その歴史は古く伝説では700年前にさかのぼり、明治時代の最盛期には90人もの職人がいたと伝わります。しかし一世紀を経て、現在雨畑の硯職人は65歳の望月玉泉さん、ただ一人となりました。20才でこの道に入り40年余。望月さんを魅了し続けるのは地元で採れる硯石「雨畑真石」。番組では、他の地域にはない、まさにふるさとの宝と向き合う望月さんの硯づくりを、現場の音に乗せてお送りします。
【制作意図】
雨畑最後の職人、望月玉泉さんの言葉は、静かでありながら硯石に対する誇りと愛情があふれています。40年余りこの石と向き合い、石を知り尽くした望月さんのインタビューと硯づくりの音から、書道や硯という日本の文化を長く支える人々の努力とものづくりの情熱を感じてもらえるような番組制作を心掛けました。
【制作後記】
文化庁の無形文化財に書道が登録されるというニュースもあり、県内の文房四宝で番組ができないかと思ったところ雨畑硯が浮かびました。今回の取材で望月さんが硯づくりを行う町の博物館「硯匠庵」を訪れると、館の皆さんが雨畑硯に誇りを持ち、その存続に真剣に向き合っていらっしゃる姿がありました。そして現在も全国から日々発注が舞い込むほど愛好家や書道専門店の信頼を得ている雨畑硯。実際に墨をすると驚く速さで墨が下り、私もファンになるとともにこれからも残ってほしいという思いを強くしました。
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