おばあちゃんの味 かんばもち
2021年11月29日~2021年12月5日放送
高知放送 ラジオ制作部 手島伸樹
【番組概要】
高知県東部に位置する北川村。村の基幹産業はゆず。幕末の志士、中岡慎太郎が生産を奨励したと言われています。この時期、村はゆず収穫の最盛期を迎えますが、同時に、「かんばもち」作りも始まります。岡島精米所がルーツと言われる「かんばもち」はサツマイモと餅米、砂糖を混ぜた甘いお餅。寒くなるこの時期からの村の代表的な味です。岡島和子さん(78歳)をメインにかんばもち作りに精を出す村の人々の様子を切り取りました。収穫したサツマイモの皮をはぎ、薄くスライスして干す。洗ったイモと餅米を蒸し、砂糖を加えて練り上げればかんばもちの完成です。昔と何にも変わらない「かんばもち」作りは北川村の冬の風物誌です。
【制作意図】
高知県の冬の味覚(おやつ)として、東の「かんばもち」と西の「東山」があります。どちらもサツマイモを使っていますが製法はまったく違うもの。中でも「かんばもち」は北川村の岡島精米所がルーツと言われており、今も岡島和子さん(78歳)を中心に作り続けています。番組ではふるさとの味である「かんばもち」作りの音をメインに構成していますが、仲良く作業しているおばあちゃん達の笑い声、よもやま話の雰囲気が昔はどこにでもあった地域の絆のように思い、制作しました。
【制作後記】
番組内でも笑い声がよく入っていますが、とにかく岡島和子さんは笑顔が似合うおばあちゃん。ですから和子さんの周りには自然と人が集り、そこには笑いが絶えません。”風物誌”と聞くと、伝統的な催しや地域独特のものを想像しがちですが、実はこうした何気ない集まりが、昔はどこでも見られた光景だなと改めて思いました。番組は「かんばもち作りが冬の風物誌」と締めていますが、実は岡島さん達の
笑い声が絶えない集まりこそが北川村の風物誌なんだと再認識しました。
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