銃砲店の若き職人〜修理の技と銃砲の魅力を後世に
2021年5月24日~2021年5月30日放送
RKB毎日放送 RKBミューズ 金子哲也
【番組概要】
狩猟用・射撃用の銃を主に取り扱う銃砲火薬店「塩田屋」は1890年(明治23年)創業の老舗。スポーツ競技としてオリンピック種目にもなっているクレー射撃や農作物を守るための鳥獣駆除にも使用される銃砲ですが、県内をはじめ、全国各地の猟友会や銃砲店で高齢化が進み後継者が不足しています。そのような中で、「塩田屋」は7代目・48歳の店主 春木聡さんと入社5年目・24歳の妹尾翼さんという若き2人が店を支え、銃砲の販売はもちろん、九州圏内で唯一、複雑な修理も行っています。日々、銃砲の販売・修理に取り組んでいる若き2人の仕事の様子・銃砲にかける想いに迫りました。
【制作意図】
クレー射撃や猟銃に使用される銃砲。「銃」「鉄砲」などと聞くと怖いイメージを持つ方も多いと思いますが、我々が生活する上で無くてはならない存在で、決して怖いものではありません。オリンピック種目にもなっているクレー射撃は生涯楽しめるスポーツですし、毎年、県内で農作物に大きな被害をもたらし、木の新芽を食べ荒らすことによって、時に、大雨の際の土砂災害の原因を作るとも言われる野生鳥獣の駆除にも大きく役立っています。日本では銃砲の所持・製造・販売には、警察や自治体のいくつもの厳しい審査や許可が必要で、射撃の腕を磨くのにも時間はかかりますが、1人でも多くの方に、クレー射撃の楽しさ、猟の重要性を知り、関わる人が増えていくことを願い、番組を制作いたしました。
【制作後記】
塩田屋のお2人とはまったく別の取材で出逢い、最初は余談として銃砲の話を聞いたのですが、正直怖いイメージしかなかった自分がこんなに銃砲の魅力に惹き込まれるとは思ってもみませんでした。修理場には相当な数の工具があり、銃の種類やメーカーごとに細かく使い分けていて、時には手作りで工具を作ることもあるというのには驚きでした。また、修理中、力強く真鍮を打ちつける一方で、ミクロ単位の細かい部品は慎重に扱うという相反する作業をする様子、また、集中力から解き放たれた瞬間の汗と深い呼吸を間近で見て、お2人の銃砲に対する強い想いを感じました。今回の放送で、特に、以前の私のように「銃砲ってなんか怖い」と思っている方の「銃砲」へのイメージがより良いものになることを願っています。
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