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2021年4月 6日 (火)

元気に育て!-よっぱらいサバと浜家さんの愛情物語-

2021年1月25日~2021年1月31日放送 
福井放送 報道制作局 制作部 國松 希位太

【番組概要】

福井県小浜市、田烏(たがらす)地区。若狭湾を望む漁村に、浜家直澄(はまいえただずみ)さんの声が響きます。呼びかける相手はいけすにいるサバ。浜家さんは養殖されているサバに、声をかけながら餌やりを行っています。温度変化に弱いサバの養殖。最新技術が養殖を支えるなかでも、「何より大事なのは愛情だ」と、屈託のない笑顔で浜家さんは話します。酒粕を食べて育ったサバは「よっぱらいサバ」と名付けられ、抜群の鮮度と臭みのなさで人気を博しています。ところが、例年にない猛暑だった昨年。海水温の上昇でサバが大量死してしまいます。どんなに技術が進化しても、勝つことができない自然の変化。それでも、元気に育ってほしいという願いが、浜家さんの声に込められています。

【制作意図】
古くから小浜でたくさん捕れたサバ。その多くは京都に送られ、小浜と京都を結ぶ道は、鯖街道と呼ばれるほどです。しかし、サバは1970年から獲れなくなってしまいました。「サバの町を復活させたい」そんな地元の思いが、浜家さんに託されました。餌やりの時に、サバに声をかける。そんな一風変わった方法で愛情を注がれたサバが、地域の盛り上げに一役買っています。ユニークなサバ養殖の姿を通して、小浜の人々の地域を盛り上げたいという思い、そして、浜家さんの愛情を感じていただけたらと存じます。

【制作後記】
「愛情があれば、ちょっとでもサバが元気に育つんじゃないか」。そう話す浜家さんのひたむきな姿が、今の私たちを元気づけてくれるのでは…。そんな思いを胸にこの番組を作りました。サバは温度変化に弱い魚。昨年の猛暑で、よっぱらいサバは大量に死んでしまいました。我々人間も、コロナウイルスという見えない脅威に振り回され、自然災害に苦しめられています。技術が進化しても、自然の変化に勝てないのは、サバも人間も一緒です。そのような厳しい状況でも、「愛情」があればなんとかなるんじゃないか。浜家さんの姿はそんな風に思わせてくれました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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