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2020年8月 7日 (金)

窯の火は消えない

2020年8月10日~2020年8月16日放送 
琉球放送 ラジオ本部編成制作部 久田友也

【番組概要】
沖縄を代表する伝統工芸、壺屋焼きは、ガスや灯油の窯が普及するまで、登り窯にマツの木を燃やして焼いていた。そのマツの木の恵みに感謝する拝みの行事が「ヒーマーチ」である。焼物に携わる人たちが多い壺屋の街で、伝統の拝みの口上、お供え物の並べ方、作法をすべて把握している婦人会のご長寿、與那嶺繁子さんは頼もしい存在。350年近く続く焼物の街、壺屋の発展を水の神、窯の神に祈る。他方、壺屋随一の人気の窯元の7代目、高江洲尚平さんは伝統のシーサーづくりに取り組んでいた。先達の伝統の技を盗もうと努力しながらも、「なぜシーサーを造るのか」を意識することが多いという。

【制作意図】
沖縄の観光業は新型コロナウイルス感染症の流行で壊滅的な打撃を受けている。壺屋の商売繁盛を祈る行事が開かれることを知り見学した「ヒーマーチ」のなかで、、新しいデザインも取り入れる人気の窯元は厳しい情勢のなかでも窯をこれまで通り稼働させていることを知った。大きな音がするほどの猛火が、窯元の元気を感じさせてくれるのではないかと期待して取り組んだ。

【制作後記】
工房は小さな一つの空間で、工場扇や釉薬を製造するミキサーといった大きな音の影響を受けやすい環境に悩まされた。一人ひとりの作業もばらばらで、何かの録音中に背後で突然土を叩きつけ始めたりと、なかなか録音が難しい取材対象だった。厳しい環境下でもなるべくイメージ通りの音がとれるよう録音の技能を向上させたい。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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