« 2020年4月 | メイン | 2020年6月 »

2020年5月

2020年5月21日 (木)

尾道水道を渡る~60円の近道~

【お知らせ】
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受けて
録音風物誌は5月18日放送分から過去作品の再放送体制となります。

2020年5月18日~2020年5月24日放送 
中国放送 RCCフロンティア 立分美有

2019年度録音風物誌番組コンクール 最優秀賞受賞作品
(再放送)



【番組概要】
広島県尾道市の南側に、向島と呼ばれる島があります。その向島と尾道の間には「尾道水道」という幅300mもない海峡があり、その海峡をひっきりなしに小さな渡し船が行き交っています。50年前に島への橋ができたにもかかわらず、向島の中心部から尾道駅に向かうには遠回りになる為、今でも渡船を利用する人が多くいます。尾道水道を往復する渡船は3社ありますが、その中でも運賃60円で一番安く乗れるのが今回取材した福本渡船。しかし、船員の高齢化による船員不足により、現在午前中と夕方以降のみの運行となっています。運休となると遠回りをするか、別の渡船を少し高いお値段で利用するかの二択。では実際、福本渡船がどれだけ早くて便利なのか?ということを、全国の視聴者にも体験していただきたく、実際に船を待つ時間から乗って降りるまでの一連の流れをノーカットでお届けします。

【制作意図】
住民の足として欠かせない渡船。お値段が安い、そして乗船時間が一番短いといった理由から学生が多く利用するのが福本渡船。特に朝のラッシュ時の船内は、自転車ごと乗船する多くの学生であふれかえっています。そんな学生の足として欠かせない渡船が、日中は運休状態になっているという現状と、どれだけ便利な交通手段で、どれだけ早いのかということを知っていただきたく制作しました。実際の乗船時間を使って制作しています。体感してみてください。

【制作後記】
操縦室内でのメディア取材は基本的に断っているそうですが、ラジオの取材なら入ってもいいよと特別に許可をいただき操縦室へ。想像していた船の操縦とは程遠く、ハンドルではなく、たくさんのレバーを使い、複雑かつ繊細に操縦されていました。取材をした船長の栗本さん曰く、「他の船と操縦方法が違うので、時間をかけた研修が必要」とのこと。現在研修中の若手研修生が2名いらっしゃいますが、一人で運転できるようになるには、もう少し時間がかかるそう。住民と学生の為にも、早く元の運行状況に戻ることを願っています。

 

2020年5月 8日 (金)

知立の和太鼓~300年の響き

2020年5月11日~2020年5月17日放送 
東海ラジオ放送 第二制作部 梅沢尚志

【番組概要】
愛知県知立市にある「杉浦太鼓店」は300年を超える歴史を誇る和太鼓店。原木からくり抜き、太鼓の胴を作る昔ながらの太鼓店は県内に3店しか存在しない。12代目という店主がおこなう太鼓の製作・修理の様子と共に和太鼓を取り巻く状況について紹介する。、またこの杉浦太鼓店ともう一店だけが作り、周辺地域の祭礼で使用されている「チャラボコ太鼓」を取り上げ同店の太鼓が地域に根付く様子を伝える。

【制作意図】
当初は和太鼓の制作、修理の工程、そして太鼓の響きにより焦点を当てた番組を構想していたが、新型コロナウイルスの影響で太鼓の注文が激減したという話を聞き、伝統工芸の継続という視点で番組の流れを組み替えた。「伝統工芸」が考えられているより不安定な基盤の上に成立していること、それでも伝統を繋いでいくことを真剣に考えている人の気持ちが伝えられればと思う。 

【制作後記】
番組中、地元校の和太鼓部活動にふれているところがあり、その様子を取材、録音したかったがコロナ禍による学校休校などの事情で出来なかった。他にも欲しい音源を断念したりと直接あっておこなう取材が難しい時代になったと改めて感じさせられた現場だった。

半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

ブログ powered by TypePad