結城紬~真の美を求め、人の幸せを願って~
2020年3月30日~2020年4月5日放送
茨城放送 編成局編成制作部 鴨川貴史
【番組概要】
結城紬は室町時代に結城家から幕府への献上品として紬織りが使用されことから、結城紬と呼称されるようになったといわれています。古来からの技術の継承が評価され、昭和28年には、茨城県の無形文化財として指定を受け、さらに昭和31年には、国の重要無形文化財として総合指定を受けました。そして、平成22年には世界共通の財産としてユネスコ無形文化遺産にも登録されています。今回の収録では、地機(じばた)という原始的な織機で織り上げる「地機織り」の音と、真綿から手で糸を引き出す「糸つむぎ」の音を紹介しています。古来から続く、唯一無二の結城紬が生み出されるまでの音をお楽しみください。
【制作意図】
茨城県の西に位置する結城市。この結城市で受け継がれる結城紬は、一説には2千年以上前から作られていたともいわれています。現在では、作る人が年々減ってきている結城紬。そのような状況にある日本のみならず、世界にも認められた「結城紬」の魅力を結城紬の製作にはなくてはならない、「地機織り」「糸つむぎ」という古来からの製法の音で伝えられればと思い、制作しました。
【制作後記】
茨城県が誇るべき伝統的な織物「結城紬」。今回、実際に「地機織り」や、「糸つむぎ」の現場を取材してみて、昔から続く手作りの技術の素晴らしさを実感することができました。結城紬は、高級品といわれていますが、無地の生地を織るだけで2か月以上が費やされるその労力や技術を考えると当然のことと、納得することができました。いつかは、自分の結城紬を持ってみたいと考えるほど、とても魅力的な織物だと感じました。
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