祝いの謡いでもぐら打ち
2020年3月16日~2020年3月22日放送
長崎放送 ラジオ制作部 米森 仁美
【番組概要】
長崎の県央、諫早市。島原半島に向かう入り口に位置する森山町の中の原地区では、明治時代の半ばから続くと言われている「もぐら打ち」という行事があります。無病息災、五穀豊穣などを祈って、竹の先に藁を括り付けた棒で家々の前の地面をたたいてまわります。九州には広く伝わる行事ですが、ここ原地区では独特な調子の祝いの謡いと共に行われます。地域の人も楽しみにしている年に1度のもぐら打ちの様子をお送りします。
【制作意図】
子どもたちが少なくなり、昔とは形を変えて続けられている原地区のもぐら打ち。いつから続いているかわからなく、詳しい文献も残っていない中、形を変えながらも小正月の行事として残ってきました。
独特な謡いを今回番組として形に残すことで、後世へつなげていくひとつの後押しになってくれることを願い、制作しました。
【制作後記】
地域の人が楽しみにしているもぐら打ち。少子高齢化が進み、地域の子供たちや、行事をしる先輩方が少なくなっている中、この行事を継続していくことの大変さも感じました。男の子の最年長の4年生岸川楽偉堂くんは、普段は年下の男の子たちと走り回って遊ぶ、やんちゃな男の子のです。しかし、このもぐら打ちの時には、自分がみんなを引っ張っていくぞ、という気持ちが強まります。地域の人とのつながりや、子供たちも育てるこの行事をこれからも長く続いていってほしいと願っています。
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