お法使さん~世代を越えてつなぐ、つながる~
2017年12月18日~2017年12月24日放送
熊本放送 報道制作局 ラジオ制作部 岡村久美
【番組概要】
熊本県の益城町・菊陽町・西原村の合わせて12地区で、600年以上続くと言われる「お法使祭(おほしまつり)」。毎年10月30日に行われるこの祭は、神殿を持たない神様を1年ごとに地区から地区へ受け渡すもので、今年は菊陽町の辛川地区から益城町の平田地区へ受け渡されました。この祭の一風変わったところは、ご神体を乗せた神輿を田畑や道に投げたり転がしたり、手荒に扱うことです。少子高齢化などの問題から継承が難しくなっている現状もありますが、今年も祭は賑やかに執り行われ次の地区へと引き継がれました。今年は、去年の熊本地震で被害の大きかった地区に受け渡すということもあり、様々な想いのこもった祭となりました。その様子を地区の人々の声と共に届けます。
【制作意図】
3町村12地区で1年ごとにご神体を受け渡し600年もの間続いてきたと言われるお法使祭。この祭最大の特徴は神輿を落とすことですが、去年は熊本地震直後ということもあり、神輿を手荒に扱うことなく次の地区へ渡されました。そして、今年ご神体を受け渡すのは、地震の被害の大きかった地区。復興お法使祭として開催された今年の祭を取材しました。12年に1度の祭に込めた思いや、熊本地震からの復興への思いなど、様々な思いを、祭のにぎやかな雰囲気、神輿を落とす音と共に伝えたいと思います。
【制作後記】
地方の祭には、多かれ少なかれあると思いますが、この祭も少子高齢化の問題に直面しています。私は10年ほど前に別の地区でこの祭を見たのですが、地区の違いというだけでなく、確かに少し勢いが落ちているように感じました。今回取材をする中で、若者が地区の行事から離れつつあるという言葉を聞きました。しかし、当日は平日にも関わらず老若男女、初参加の人からベテランまでたくさんの人が参加し、賑々しく祭が執り行われました。こういった行事のない地域で育った私としては、少し羨ましくもありました。地域の伝統を受け継いでいくことの素晴らしさ、また、地震後元気にがんばっている熊本の様子も感じて頂ければと思います。
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