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2016年11月21日 (月)

山峡に響く月明かりの神楽

2016年11月21日~2015年11月27日放送
宮崎放送 ラジオ局ラジオ部 大谷彩歌

【番組概要】
全国各地で伝承される神楽。宮崎でも200以上の神楽が受け継がれています。一方で地域の高齢化や後継者不足によって消えゆく神楽も少なくありません。小川神楽は、宮崎県西米良村小川地区―人口100人にもいたない山間の集落に受け継がれる神楽です。夜になると、月明かりのほかに何もない集落で、消え行くのを待つだけだった小川神楽。今、月明かりに見守られる稽古場からは、年嵩の舞い手達の力強い声と共に、若い舞い手の声も聞こえてきます。地域に人が増えれば神楽を継承できるわけではありません。続ける意志と日々の練習もまた、必要不可欠なのです。

【制作意図】
宮崎では、冬の風物詩として親しまれている神楽ですが、その少し前―秋が終わりに差し掛かる頃に聞こえ始める桂子の音は、地元の人々にとって秋の風物詩です。神楽の担い手達はどんな思いで、そうして神楽を舞うのでしょうか。12月に行われる神社社殿での奉納が本番ですがそれに向けて夜毎稽古に励む舞い手達の声を届けたいと思いました。

【制作後記】
若い舞い手の方々に。神楽を好きな理由を尋ねると、「かっこいいから」という答えが返ってきました。伝統の継承を重んじる一方で、神楽や神楽を担ってきた先人達への純粋な憧憬があることがとても素敵なことのように思えました。稽古場からは、指導の声と同じくらい笑い声も聞こえてきます。「好きだから舞う」「伝統を残すために舞う」どちらも大切で、だからこそこれからも小川神楽は受け継がれていくのではないかと思います。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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