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2016年11月 4日 (金)

地域が慕うワインへの想い

2016年10月31日~2015年11月6日放送
新潟放送 ラジオ本部制作部 五十嵐滋章

【番組概要】
米どころ新潟にあって、ワインづくりの道を切り開いた岩の原葡萄園。120年以上の歴史がある老舗ワイナリーでは、毎年10月に収穫祭が行われます。また、この収穫の期間、一般客に向けたワイン葡萄の収穫体験も行われています。摘み取る葡萄の品種は「マスカット・ベーリーA」。岩の原葡萄園の創業者、川上善兵衛が、日本の風土にあったワイン葡萄を、と品種改良を重ねて生み出したものです。この品種を全国に広めたことから、善兵衛は「日本ワインぶどうの父」と言われます。また、善兵衛が葡萄園を開業したのは、地域の農民が出稼ぎに行かなくてもいいように、という想いからでした。地元の小学校では、今も善兵衛にまつわる学習活動を続けています。ふるさとの人々への想いをワインに託した創業者は、今も地域の人々から「善兵衛さん」と呼ばれ、慕われているのです。

【制作意図】
新潟県上越市にある老舗ワイナリー「岩の原葡萄園」。その創業者、川上善兵衛は、大地主の長男として生まれますが、7歳で父を亡くし幼くして川上家の当主となります。勉強のため上京、慶応義塾で学び、勝海舟を訪れてワインと出会います。やせた土地でも葡萄は育つと知って、地域の農民が冬、出稼ぎに出なくても良いように、と、葡萄園を立ち上げたのは、まだ22歳のときでした。私財を投じ、川上家の庭をつぶして葡萄畑にしたこと、ワイン醸造のために石蔵を建て、雪を運び入れて温度管理を行うといった苦労、品種改良の末作り出した「マスカット・ベーリーA」を独占せずに全国に広め、今では国産赤ワイン用葡萄で最も用いられる品種となっていること、いまだに地域では「善兵衛さん」と呼ばれ親しまれていること。知るほどに、「岩の原葡萄園」そして川上善兵衛について発信したい、という想いに駆られ、この番組を制作しました。

【制作後記】
番組内にも登場する、収穫祭でインタビューに答えて下さった方。子どもの頃は「遠足に来る場所」大人になってからは、創業者川上善兵衛を知り、その懐の深さに感銘を受けている。取材を通じて「岩の原葡萄園」そしてその創業者、川上善兵衛がいかに地域の人々から愛されているか知ることが出来ました。本編には登場しませんが、善兵衛Tシャツを着て収穫祭に参加している方もいらっしゃいました。地域の人々の暮らしに尽くした126年前の善兵衛の想いは時代を超えて、季節が巡るごとに甘く瑞々しい果実となっているのだな、と感じました。

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半世紀以上の歴史を持つ録音構成番組。全国の放送局がその土地ならではの風俗をそこでしか聞くことのできない音とともに紹介します。

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